野球肘と言われたら、投球フォームには肘の角度が大切!!

➡️➡️肘曲げ60度!

野球で肘を痛めてしまうことを「野球肘」と言います。
野球肘になると、肘の内側にある「内側側副靭帯」を痛めてしまうことが多々あります。→→肘の内側に痛み発生!
野球(投球時など)で肘を酷使すると、この部分(内側側副靭帯)に負担がかかります。その負担を少しでも軽減できるよう、理学療法士が野球の球の投げ方を指導することもあります。投げる時に肘が下がると「野球肘」になりやすい、と言われています。

さて今回は、
「内側側副靭帯は、肘のどの角度で安定するのか?」を検証した研究を紹介します♫

実際の肘と靭帯を使って、肘の角度 0°〜120°間のどの角度にテンション(張力)がかかるかどうかを確認した研究です。
内側側副靭帯…長方形の形。前縁と後縁が存在。手のひらを広げた状態で内側側副靭帯を見た時に、長方形の前部分を前部線維、後ろ部分を後部線維と呼ぶ。

今回はこの「前部線維」と「後部線維」が、どの位置でテンション(張力)が一致するかを見ています。

《結果》
・肘の角度…60°の時に、2つの線維のテンションが一致し、安定する。
・60°よりも曲げた場合→内側側副靭帯の後部線維の緊張が増す。
・60°より逆に伸ばしていく→前部繊維のテンションが増す。

《結論》
・肘の内側に負担がかかるような動作をする時は、『60°』の位置で作業すると肘が安定し、痛めづらい

ボールを投げる際の肘の角度を、ビデオ等で撮影し確認することで、肘の障害予防へ繋げられると思います(^_^)ちなみに野球肘は内側側副靭帯の前部線維を痛めることが多いのですが、今回の論文の結果からは、60度以上で曲げた状態で投げると前部線維に負担がかかりにくいということになります。肘が60度より伸びて投げているともしかしたら痛めるかもしれません。

当院では「野球肘」の患者さんには、実際の投球フォームを動画で撮影し、確認してもらっています。肩や肘の位置を確認し、投げ方の調整をします。
肘の角度が大きくても小さくても、負担をかけると容易に靭帯を痛めてしまう可能性があります(T_T)
気をつけて下さいね♫

引用

Yusuke Matsuura et al., Evaluation of anterior oblique ligament tension at the elbow joint angle-a cadaver study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32565411/

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

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