腰痛のある無しで、10年後のMRI画像に違いがあるか?
答え→関係なし! (*ただし年齢は考慮)
腰痛があると、レントゲンやMRI検査をすることがあります。MRI検査は椎間板や筋肉、関節の詳細な情報を得られます。整形外科でも大切な検査です。
MRIで椎間板ヘルニアや椎間板の状態がよくわかり、それにより腰痛の原因が診断ができます。
今回の研究は、過去に腰痛が出たかどうかで10年後!のMRI画像に違いがあるかどうかを調査した非常に興味深い内容です(1)。
過去に腰痛があった91名で、調査開始の時点では
腰痛がない方です。最初にMRI検査をしています。
MRIの評価内容は、椎間板の変性度(痛み具合)、すべり症(腰の骨が前にすべること)、椎間板内の亀裂、腰の骨の負担具合を確認しています。
そして10年後にMRIを再撮像して、上記と同じ評価をしています。また対象者には、10年間で腰痛の出現の有無を聞いています。
結果→10年後までフォローできたのは49人。平均年齢44.8歳、女性25名、男性24名。その内、10年間で腰痛有り→6名
無し→13名
10年後のMRI画像上の変化は、腰痛の有無で変化はないとのこと。
(*椎間板の亀裂、痛みは10年後には増えていたようです。しかし腰痛の出現の有無は関係なし)
このことから「最初のMRI画像の状態で、将来の腰痛は予想できない」と言えるようです。
注意:
10年後のMRI検査時点で平均年齢は44.8±9.5歳なので、10年前は30〜40代です。ですから30〜40代くらいの方々の画像が少々悪くても、10年後に腰痛が出やすいとは言えません。ただし、50歳以上の方に関しては同様の結果になるとは言えません。
肌でいうと年齢を追うごとにシワが増えると同様に、腰痛の有無に関わらず画像上ではそれなりに変化あるようです。
腰痛が再発したからと、その都度MRIを撮影し、画像上の変化に落ち込まれる方もいます。
しかし今回の研究結果をみると、腰痛が再発しなくても10年経過するとそれなりに身体の変化あることをお伝えできると思いました。少し気持ちが楽になる方が増えると嬉しいです^_^
引用
(1) Juichi Tonosu et al.The associations between magnetic resonance imaging findings and low back pain: A 10-year longitudinal analysis
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29141001