中年の肥満男性の腰痛は、〇〇トレーニングで治しましょう

結論:水中トレーニンング

中年になると肥満気味になる患者さんも多いかと思います。そして、肥満は腰痛の原因にもなるので、肥満と腰痛の両方に悩む方も多いと思います。今回は、そのような方に対してどのようなトレーニングが有効か、という研究報告(1)があったので紹介します。

36名の中年男性 平均年齢は62.3歳、平均身長は163.1cmの腰痛症患者、体脂肪率は35%以上の方を対象としています。36名のうち18名は何もしないコントロール群、残りの18名は水中トレーニング群とします。

水中トレーニング群は4ヶ月間行って、3ヶ月以上症状が続く方は1週間に3回(1回に60分間の水中トレーニング)、運動の負荷が最大酸素摂取量*の40から50%の負荷量で行いました。トレーニングの内容は、15分間はストレッチ(関節の大きな筋肉を中心に)。そして水中ウォーキングを前・後・側方、水中でジョギングなどを行い、またスクワット・自転車こぎの様な運動も行います。

結果は、水中トレーニング群は明らかに歩行速度が改善しています。体重は平均83.5キロから79.2キロに減少、体脂肪率も平均37%から32.6%に減少しました。そして、腰痛も改善したとのことです。

肥満になると、ひざ関節や股関節、足関節などの体重がかかる部位に負担がかかるので、激しいトレーニングはなかなか出来ません。しかしながら、このような水中トレーニングだと、関節に負担がかかりにくいので有効かと思います。

今回の研究ような運動(水中で60分間)はなかなか難しいと思います。しかし、 関節に負担かけないように安全にできるトレーニングとしては、プールでのトレーニングはいいと思います。「プールがいいのはわかってるけど、なかなか時間がなくて…」と言われる方もいるかと思います。プール以外にも
足の関節に負担かからないトレーニングもありますので、後々紹介していきたいと思います。

*最大酸素摂取量とは
私たちは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、酸素を利用して糖や脂質を分解することで運動エネルギーを作りだしています。運動強度が高くなったり運動継続時間が長くなったりしても、体内に十分な酸素を取り入れ利用することができる能力が全身持久力です。そのため最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。
 最大酸素摂取量は1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を示し、「VO2max」(Volume〔量〕、O2〔酸素〕、max〔最大値maximum〕)と略記されます。
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tairyoku-kiki/sanso.html

(1) The Effect of Water-Based Aerobic Training on the Dynamic Balance and Walking Speed of Obese Elderly Men with Low Back Pain
Khadijeh Irandoust, Morteza Taheri, Javad Shavikloo

http://www.sleepandhypnosis.org/ing/abstract.aspx?MkID=257

 

 

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