超音波治療ってなんですか?

超音波治療は、リハビリテーションでよく行われる物理療法機器です。物理療法とは、体に物理エネルギー(温熱、寒冷、電気刺激、光線、その他)を加えること で、生理的生化学的変化を起こし、血液循環の改善、筋の緊張や痛みを除去、軽減するものです。リハビリに行くと腰に電気かけたり、痛いところを温めたりする治療です。

その中でも、超音波って何?という質問を受けます。

超音波とは高周波に位置付けられています。高周波って?ですが、電気振動が1秒間に繰り返される現象のこと周波数と行ってヘルツで表されます。例えば4ヘルツは、1秒間に電気振動が4回行き来することです。よく低周波という名前は聞いたことある方もいると思いますが、低周波は100ヘルツ以下を言います。

高周波は低周波より高い周波数で 3万ヘルツ以上を高周波としています。ここで超音波ですが、超音波はなんと1Mヘルツから3Mヘルツです。メガです!1秒間に100万回から300万回の電気振動を起こします。まさに超です。

そしてこの超音波はこの周波数を使い細胞を振動させる作用により温熱効果をうみます。1秒間に100万回細胞をマッサージされている状態です。人の手では作り出せません。我々理学療法士は、この超音波を使い、人間業ではできない、短時間での筋肉や組織の温度を上げ治療に応用しています。


なぜ温熱がいいのか?

温めるとなぜ体に良い効果が得られるのか?については、私たちは経験的に理解していると思います。例えば、温泉やお風呂で温まったあとは、体の疲労が取れたり、筋肉の柔らかさが出たりなど経験している方がほとんでないでしょうか。

温熱作用

教科書では温熱作用は6つあると解説されています。簡単に説明していきます。

①組織温度の上昇 

*組織とは筋肉と靭帯、関節を取り巻く関節包、皮膚などです

 

②血管の拡張、血流促進

*血液の流れがよくなる

 

③筋スパズムの軽減

*筋肉のコリや張りが取れることです

 

組織代謝の改善

*新陳代謝が起こることです

 

⑤疼痛閾値の上昇

*痛みを感じにくくなることです。例)痛かったけど温めると痛みが楽になった。

⑥結合組織の伸展性の増大

*靭帯や筋肉の腱(すじ)のような硬い部分が柔らかくなること

上記の効果が見込めます。温熱作用はいいことが多いですね。ホッカイロで温めるのもお風呂に入っているだけでも温熱療法です。温熱療法は特別なものではなく日常で行われています。

しかし、超音波を使った温熱療法は体の表面ではなくより深いところに、そして早く温めることができます。深さは2センチから6センチまでを温めることができます。硬くなってしまった関節や筋肉は深いところにあります。この部分を手を使ったマッサージでは温められません。

ここで登場するのが超音波です。より深いとことで硬くなっている部分をおよそ2−3分で温めることができます。ホッカイロなどで温めるのはどうしても表面だけになります。患者さんはより深い部分で筋肉が硬くなっているのでそこを治療するには超音波が必要です。深い部分を超音波で温めながら関節の運動を同時に出していく治療があります。このようにストレッチも温熱療法を加えながら行うと効果が上がります。

 

1秒間に100万回のマッサージ効果で、超音波は深部を温めるのに有効です。整形外科の患者さんでは適応な方は多いと思います。

 

*超音波はより深部を温めることができるので使用方法を間違えると火傷などが起こる場合もあります。病気の状態によっては超音波が使用できない患者さんもいます。治療の際は、必ず専門家の指示に従ってください。

骨粗鬆症って痛みを起こすの?

日本でで骨粗しょう症を有している患者さんは女性では24%男性では5%と言われています。推定患者数は1300万人に達するとも言われています。

骨粗鬆症は骨の強さが20代から40代と比べて弱くなっている状態です。 症状は骨が弱くなっているため骨折やそれに伴う痛みや動作が鈍くなったりします。

骨粗鬆症患者さんが腰痛や背中の痛みを起こす程度は33%と言われています。 またその痛みのために80%の方が日常生活の制限を感じており、90%以上の方が日常生活で困っているそうです(1)。

骨粗鬆症に伴う腰や背中の痛みは、骨折による痛みや骨折後に骨が変形して起こる痛みが原因と考えられてきました。最近の研究では骨粗しょう症自体が痛みを引き起こしているのではないかと言う報告があります。こうなりますと骨粗鬆症になっている患者さんは骨折などがなくても腰や背中の痛みを訴えることがあるということです。

今までは骨の痛みは骨の表面にある骨の膜である骨膜が刺激されて痛みを起こすと考えられてきました(2)。しかし研究が進み痛みを感じる神経が骨の中にも存在することがわかってきました(3).

骨粗鬆症が起こると骨を壊す細胞が活性化するので その細胞が産生する酸が増加して局所が酸性になり、 骨の中に分布する感覚神経を興奮させて痛みが引き起こされてしまうと考えられています(4)。

骨粗鬆症に伴う腰痛の原因についてはまだまだ不明な点が多いようです。しかし骨粗鬆症患者の中で骨折を伴わないのに痛みが起こっている方や骨粗鬆症の薬を飲むとそのような痛みが軽減するという報告もあるので、骨粗鬆症自体が痛みを出す可能性が高いと考えられています。骨粗鬆症は高齢化社会に伴い今後どんどん研究されていく分野だと思います。

 

食事や運動も骨の強さに回復に関わると言われていますので、薬だけでなく、運動、そして食事を気をつけて 骨粗鬆症予防をしていくことが大切です。特に女性の方は、男性と比較し骨粗鬆症になりやすいのでお気をつけください。

 

(1) 折茂 肇  診療所に通院する骨粗鬆症患者の服薬コンプライアンスと腰背部痛の現状. Osteopor osis jpn 15:351-358

(2) Bonica, J.J.: Management of pain Lea & Febiger, Philadelphia, 1953

(3) DB Mach, SD Rogers, MC Sabino,: Origins of skeletal pain: sensory and sympathetic innervation of the mouse femur. Neurosci. 113: 165-166, 2002

(4)S Ohtori, T Akazawa, Y Murata et al., Risedronate decreases bone resorption and improves low back pain in postmenopausal osteoporosis patients without vertebral fractures. Journal of Clinical Neuroscience Volume 17, Issue 2, February 2010, Pages 209-213