中高年の『膝の激痛』!要注意!!

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です。
僕の娘(高2)が、現在部活動で腰を痛め当院を受診していて、同僚の大森先生に診てもらっています♪
…先日練習試合前に娘から、「テーピングして」と頼まれたので貼ったら、「大森先生とやり方違うんだけど…」と言われ、複雑な気持ちになってしまいました(T_T)
#僕よりも大森先生を信頼している #確かに大森先生は優秀

さて今回は、「中高年の膝の痛み」について話していきます。

中高年層で多い膝の障害は、「変形性膝関節症」です。耳にした事がある方もいるかと思いますが、中高年になると膝の軟骨がすり減り、骨に負担がかかります。それが続くと、骨が変形してくる。これが「変形性関節症」です。どの関節にも起こりえることですが、特に体重のかかる「膝」や「股関節」は変形性関節症が起きやすい部位になります。

「中高年の膝の障害=変形性膝関節症」と言っても過言ではありません。

しかし最近、半月板の後ろの部分を切ってしまう「半月板後根断裂」という病気がわかってきました。昔からある病気なのですが、昨今MRI検査が多く行われるようになったことで、「痛めた部分が確認できるようになった」という事です。
#MRIなどの精密検査は本当に大切

「半月板後根断裂」がおこると、膝に激痛が出ます。ただ(中高年層は)レントゲンだけだと、「関節が変形しているのでそのためでしょう」などと言われがちです(+_+)
変形性関節症は急激に痛めたり変形するわけではないので、「急に痛みが出たということは、違うところを痛めたのかも?」と思っても差し支えないと思います。
半月板後根断裂は、階段の昇降時や一歩足を出した時などの、軽微な動作で痛めることが多いようです。患者さんの中には、ちょっと走った、スキップをした瞬間にズキっと痛めた、という方もいらっしゃいます。

今回は当院の理学療法士(設楽航平)が、この半月板後根断裂患者さんの症状を調査・研究したものを紹介します。#とてもいい研究でこの症状があったらMRIを撮ったほういい!といった研究です

《対象》
・当院でMRI検査をした108名
・内側半月板損傷と診断された方
(#内側の半月板損傷のほうが多いです)
内訳は…
・内側半月板後根断裂(内側の半月板の後ろを切ってしまった)28名(男性3名、女性25名)
・平均年齢は62.5歳
#女性が多いのが特徴ですね #年齢もこれくらいの患者さんが多いです
・その他(80名)は半月板内側の別の部分を傷めた方

《調査項目》
① 受傷機転があるか(外傷を負うに至った原因や経緯)
② 痛みの強さ
③ 膝の曲がり
④ 膝の伸び
⑤ 体重

《結果》
内側半月板後根断裂には、
① あり。#よく現場で聞くのは、階段を最後の一段を降りた時、や小走りしたりなどです。
あの動作から痛みが増した…というような、出来事があるのが特徴です。
② 他の半月板損傷患者さんよりもかなり強い。
③ 制限あり。
④⑤ その他の半月板損傷患者さんと変わりなし。

《まとめ》
内側半月板後根断裂患者さんには、痛めた原因をはっきりと認識できる出来事があり、そのあと急激に痛み出し、膝も曲げづらくなる。これらがサインになります。
#痛みが辛くて歩くにも杖を使わないと動けない方もいます

「何かした後で、急に膝が痛くなった」という方は、レントゲンだけでなくMRI検査も行い、是非半月板のチェックを!
「半月板損傷」というとスポーツ選手をイメージしがちですが、中高年でも痛めることがあるし、とても痛い時がある、と知っておいてください!!

内側半月板後根断裂だとわからずに放置にしてしまうと、クッション材(半月板)がない状態なので、膝の骨を痛めてしまう可能性が高くなります(+_+)
『早期診断、早期治療!』が膝を守る上で重要になります♫
皆さま、お気をつけくださいませ(^_^)♪

設楽先生、今この研究についての論文を作成してます。ぜひ頑張ってもらいたいです。また論文化されたらご紹介します^^

以上、西川整形外科のリハ室からでした。

引用

設楽航平ら, 内側半月板後根断裂の臨床所見は受傷機転が明確で、痛みが強く、屈曲制限がある 第25ー26回千葉県理学療法学会より

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

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