◎リハビリに役立つ小噺♪♫

➡️ここ1ヶ月少しばかりバタバタしてしまい、更新できずにスミマセンでした٩( ‘ω’ )و٩

今日は、
『各々の関節には安定を重じるところと動きを重んじるところ』がある。という話です。。

Joint by Joint セオリーというアメリカのPTのGray Cook氏が考案した考え方で、リハビリを行う上でボクもよく参考にしています。
「カラダの各部分によって異なる特徴がある」と思っていただけると、より障害がわかりやすくなると思います\(^o^)/

カラダには背骨がありますよね?
背骨は①腰の部分の腰椎(ようつい)、②胸の部分の胸椎(きょうつい)、そして③首の部分の頸椎(けいつい)で構成されています。
そして腰椎から下には➃股関節(こかんせつ)、➄ひざ関節、⑥足関節があります。
これらには、それぞれ安定性を担う部分と動きを担う部分があります。そしてそれが交互に組み合わさっています。

例えば、腰椎は安定を担う部分で、その上の胸椎は動きを担い、頚部はまた安定性を担います。下にいくと、腰椎は安定性、股関節は動きを担い、膝は安定を担い、足関節は運動を担います。
わかりにくいのでまとめると

頸椎(安定)

胸椎(動き)

腰椎(安定)

股関節(動き)

膝関節(安定)

足関節(動き)

となります。
このように「安定→動き→安定」と交互にちがう機能を担っているのがわかります。
この機能を理解してリハビリを進めていくと、とても効率よく、且つ効果的にリハビリをすすめることができます♪

例えば、腰痛です。
・腰椎はもともと安定を担うところですが、痛みが起きてしまった→→動きが大きくなってしまった?→→だから痛いのかも?と考えます。

・では、なぜ余計な動きをしなくてはいけなかった?→胸椎(動き)の動きが悪くなってしまった為に、胸椎の動きの分を腰椎がカバーして痛みにつながったのかも?という可能性が考えられます。

・また、股関節(動き)がかたくなったから、腰に負担がかかったとも考えらます。

➡️➡️リハビリは腰だけではなく、胸椎や股関節のチェックやストレッチが必要になります。

腰痛というと「腰が悪い」と思われがちですが、腰のとなりの関節やそのとなりの関節まで確認してリハビリをすることがとても大切です♫
腰痛の患者さんで、「そういえば腰痛がでるまえから背中がこっていた」と訴える方もいらっしゃいます。
動きを担う関節がかたくなるのは、他の関節に負担がかかる前兆なのかもしれません。

今回ご紹介した各カラダの部分の役割を頭に入れた上で、日々のストレッチや運動をしてみてください。
きっと今までよりも良くなりますよ(^o^)
それでは♫♪

 

参考文献
Cook G. Movement: Functional movement systems: Screening, assessment, corrective strategies: On Target Publications; 2010.

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

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『ジャンプ動作で働くのはお腹の〇〇の筋肉!』

西川整形外科オンラインカンファレンスでミッキーマウスのものまねをして高い声を出したら……Zoomに認識されず、150名の参加者の前で大ゴケしてしまいました(_ _).。o○
#前の日かなり練習したのに…
#雑音と認識された模様(TT)

『ジャンプ動作で働くのは〇〇の筋肉!』

➡➡インナーマッスル(腹横筋)!!

今回はボクの友達、埼玉医科大学:大久保先生の論文を紹介します♪

ボクがすべったカンファレンス(上記)に大久保先生をお招きし、講演していただきました。そこで紹介された興味深い論文を紹介していきたいと思います♫

腹筋には「アウターマッスル」と「インナーマッスル」があるのをご存知でしょうか?

・アウターマッスル→外側から触れる腹筋(腹直筋、外腹斜筋)

・インナーマッスル→その下の層にある腹筋(腹横筋)

アウター&インナーマッスルが一緒に働いてくれるお陰で、動いたり姿勢を保ったりできます。

同じ腹筋でも層が違うので、働き方がちがいます。よく「インナーマッスルが働いてからアウターマッスルがはたらく!」と言われています。

では一体いつ、インナーマッスルやアウターマッスルがはたらくのか?を、大久保先生は『針筋電図』をつかって検証しました\(^o^)/

今回は、

『立ち幅跳びをした際、いったいどのタイミングでインナーマッスル、アウターマッスルがはたらくか?』の調査です♪

《対象》

・健康な男子 13名

・平均年齢:23.9歳

《方法》

① 針筋電図でインナーマッスル(腹横筋)のはたらきを確認。

※針筋電図……針を刺して筋肉の働きを確認。針を刺すときは痛みあり。

② 表面筋電図でアウターマッスル(腹直筋、外腹斜筋)のはたらきを確認

※表面筋電図……触れる筋肉にパットをつけ、はたらきを確認。痛みなし。

③ 立ち幅跳びをしてもらう。

ジャンプするときの踵が上がる0.2秒前とつま先が離れてからの0.2秒後のインナーマッスルとアウターマッスルのはたらきを観察

《結果》

① 立ち幅とびをする直前の両ひざをまげるとき(準備段階)は、インナーマッスル→アウターマッスルの順にはたらく。

② 踵が床からはなれて飛んでいる時は、インナー・アウターマッスル両方とも一番強くはたらく。

③ 立ち幅跳びの一連の動作(飛ぶ前〜着地)で、インナーマッスルのはたらきが一番強い。

《まとめ》

立ち幅とびなどのジャンプ時は、インナーマッスルのはたらきが強いことがわかりました。

そして、ジャンプ前でもインナーマッスルがはたらくことわかり、インナーマッスルの重要性がわかりました。

「腹筋トレーニング」というと、あおむけで両ひざまげて、頭のうしろで両手を組んで上半身を起こす!というイメージが強いですよね…。これはアウターマッスルのトレーニングになります♫(+_+)

この論文でもインナーマッスルのトレーニング方法を紹介してますのでリンクを貼っておきますね♫
http://pain-physio.net/inner-muscle/

インナーマッスルのトレーニングは大きな力ではなく繊細なうごきで行うので、興味のある方は是非!通院先の理学療法士に聞いてみて下さいね^^

引用

Yu okubo et al., Abdominal muscle activity during a standing long jump
J Orthop Sports Phys Ther. 2013
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23756356/

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

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【問】腹筋の深部を刺激するには…お腹を膨らます?それとも、へこます?

【答】 膨らます!!

こんにちは(^_^)
腰痛の予防や姿勢を整えられる!と、よく腹筋トレーニングが良いと耳にしますよね。

「腹筋」というと、腹筋がわれているところが頭に浮かぶ方も多かろうと思いますが、表面に見える部分だけが腹筋ではありません! 深部にも腹筋が存在しているのです。これを「インナーマッスル」といいます。
インナーマッスルは深層部にあるので、表からは見えないし触ることも難しい筋肉です。
そしてインナーマッスルを鍛えること=腰を安定させ、腰痛予防につなげられるといわれています。
もちろん表層の腹筋も大切ですよ!

インナーマッスルを鍛えるトレーニングは、最近様々な媒体で紹介されていますよね♪

そこで今回このブログでは…
『インナーマッスルを鍛えるには、どのような方法がより効果的か?』を紹介していきます1)♫

《対象》
・健康な男性:19名
・平均年齢:21.5歳
比較的若い人たちですね(^_^)

《方法》
対象者に仰向けで両足を椅子の上に乗せてもらい、①お腹を膨らませる動作➕呼吸
②お腹をへこませる動作➕呼吸
どちらの方がインナーマッスル(腹横筋、内腹斜筋)が働くかどうか?
※筋肉の動作検証には MRI を使用。
※写真参考

図 お腹を膨らませる

図 お腹をへこませる

出典 Yuki Muramoto et al., Comparison between bracing and hollowing trunk exercise with a focus on the change in T2 values obtained by magnetic resonance imaging  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33031452/

《結果》
お腹を「精一杯膨らませた」方が、インナーマッスルの働き➡️大!!
トレーニング用語では「ブレーシング(お腹を膨らませる)」という方法です。

日常生活では立っている時や歩いている時に、「口をすぼめて息を吐く」とブレーシング状態になります(^_^)

腹筋=仰向けになって、両手を後頭部において、体を起こしてくる………だけではなく、合わせて「ブレーシング」も一緒に行うことで表層&深層(インナーマッスル)の筋トレになると思います♫
手軽に始められるので、ぜひお試しください(^_^)♪

引用1

Yuki Muramoto et al., Comparison between bracing and hollowing trunk exercise with a focus on the change in T2 values obtained by magnetic resonance imaging  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33031452/

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発育期腰椎分離症の装具療法中でもリハビリテーションは大切です

おはようございます。今回は、このブログでもちょくちょく紹介している発育期腰椎分離症関係についての記事です。僕の友人の元、船橋整形外科で現在、広尾整形外科の理学療法士の石谷勇人(いしたに はやと)先生の論文を紹介させていただきます。石谷先生も腰椎分離症の研究をされていて腰椎関係の学会ではいつも情報交換させていただいています。とても優秀でイケメンの先生です。

発育期腰椎分離症患者さんは、多くはスポーツ選手です。しかし、腰が治るまでには、数ヶ月コルセットをしてスポーツを休まないといけません。数ヶ月もスポーツを休んでしまうと体力低下はどうしても避けることはできません。治療の最大の目標は、腰を治すことですが、その次の目標はスポーツに復帰することです。我々理学療法士は、「スポーツ完全復帰」をより考えていかなくてはいけません。

今回、石谷先生は、発育期分離症患者さんに対してコルセットで治療中にリハビリテーションを行い治療成績を調査されています。発育期腰椎分離症患者さんには朗報な内容です^^

対象の患者さんは発育期腰椎分離症(今回は片側第5腰椎分離症患者さんです)と診断され装具療法を行った37名です(全てスポーツ選手)。この37名を装具療法のみを行ったグループ17名と装具療法と早期からリハビリテーションを行ったグループ20名に分けて調査しました。

*装具療法とリハビリテーショングループはのリハビリテーションは、ストレッチと患者さんの状況をみながら、足の筋トレ、体幹の筋トレ、エルゴメーター(トレーニング用の自転車)などを行っています。

*ここについてはご自分で判断せずに、必ず主治医の先生、理学療法士の方の指示に従ってください。

検討項目

1装具期間(装具療法を行った期間)

2装具療法終了からスポーツ復帰までの期間

3癒合率(腰が治ったかどうか)

結果

1の装具期間については、両グループに差はありませんでした。

*リハビリテーションをしたからといって装具療法の期間が伸びることはなかった=リハビリテーションが治療を遅らせてしまうことはない

2の装具療法を無事に終了してから、スポーツ復帰までの期間は、装具療法のみグループは29.3日,装具療法とリハビリテーショングループは19.9日で、装具療法にリハビリテーションを加えた方が、装具療法が終わってから早期にスポーツ復帰が可能だった。

3癒合率については両グループの癒合率は差はなかった *装具療法中でもリハビリテーションを行っても治療成績に影響しない=リハビリテーションをしても大丈夫

発育期腰椎分離症は、腰の疲労骨折から骨折してしまう病気な為、これまでは腰が動かないようなしっかりした装具で固定して安静が主流でした。当院でも、患者さんの状況に合わせて装具療法を行いながらリハビリテーションを行っています。今回の石谷先生の報告は、今後発育期腰椎分離症のリハビリテーションを進めていく上で大変参考になる内容でした。リハビリテーションを行った方が、スポーツ復帰までの期間が短縮されるというのは、選手にとってはとても朗報だと思います。これからも石谷先生と情報共有して、質の高いリハビリテーションを患者さんに提供していきたいです。僕も論文を出せるように頑張ります。

*発育期腰椎分離症は、診断から治療まで長期間に及びます。まずは病気の早期診断が第一歩です。その次のリハビリテーションについても細心の注意をしながら運動を選択していかないといけません。患者さんご自身だけで行えるリハビリテーションではないので、ぜひ整形外科の医師の先生にまずはご相談ください。

引用

石谷勇人ら腰椎分離症を呈する成長期スポーツ選手の競技復帰状況. 日本リハビリテーション医学会

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/advpub/0/advpub_20018/_article/-char/ja/

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慢性腰痛症の方には、『コアトレ』と『ピラティス』どっちが有効?

➡➡どちらも有効です♫

世界理学療法連盟学会は、各国で4年に1度開催されます。いわば理学療法のオリンピックのようですね。当院でもスタッフが、シンガポールやスイスでの開催時に発表しています。なかなか国際学会に参加するというのは敷居が高いですが、「日々の臨床のための大切な勉強」ということで、病院のサポートで参加させていただいています。ありがたい環境です^^

今回はヨーロッパ世界理学療法連盟学会で、

「慢性腰痛症の方に対して、コアトレやピラティスは効果的か?」という発表があったので紹介します♪

コアトレに関しては、以前このブログでも紹介しました。リンクを貼っておくのでご参照ください。

ピラティス

・アメリカ発祥

・負傷者のリハビリテーションの方法として開発

アメリカでは整形外科でリハビリテーションの一環として活用されているそうです。

[コアトレについて]

3ヶ月以上続く腰痛には〇〇トレーニング

 

[ピラティスについて]

https://www.zenplace.co.jp/pilates/about

では、本題です。

《対象》

・29名の慢性腰痛患者

・3つのグループに分ける

① コアトレ+赤外線照射

② ピラティスエクササイズ+赤外線照射

③ 腰痛についての教育+赤外線照射

**赤外線照射=物理療法で温める機器

《評価方法》

・腰痛の程度

・腰痛による日常生活への制限

・腰の柔軟性

この3点を実施前と実施後4週目に評価。

《結果》

・3つのグループはどれも快方に向かった

・①は③よりも「腰痛の程度、日常生活」は改善

・①と②には差はなかった

腰痛に関する教育(なぜ腰痛が起こるのか、どのようなストレッチやトレーニングが効果的なのか?)を行うだけでも、腰痛改善は見込めるとの報告は過去にもあります。

しかし今回の結果から、腰痛教育よりコアトレの方が効果的だとわかりました。コアトレ、ピラティスどっちが?と言われると、甲乙つけがたいのでお好みで♪

でも「腰痛の教育も受けつつ、トレーニングを行う」のが一番良さそうですね。

腰痛の発生原因や予防対策を、担当の理学療法士に確認してもらうのも重要です。

あなたの腰痛が良くなりますように(^_^)

引用

Comparative efficacy of core stabilization exercise and pilates exercise on patients with non-specific chronic low back pain
A. Akodu∗, S. Okonkwo, S. Akinbo University ofLagos, Lagos, Nigeria Relevance:

The 4th European Congress ofthe ER-WCPT / Physiotherapy 102S (2016) eS247

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