思春期アスリートに潜むリスク 仙骨疲労骨折
「思春期アスリートに潜むリスク:仙骨疲労骨折と腰椎分離症、その関係性とは?」
こんにちは、Netfllixの相撲ドラマ:サンクチュアリを見て、四股トレーニングを始めました^^
#以前は縄跳びをやっていたのですが膝が痛くなりましたので。。。 #とてもいいドラマでした
いつもブログを見ていただきありがとうございます。
今日はちょっと専門的なお話を、わかりやすく噛み砕いてお届けします。テーマは 「思春期のアスリートが抱える腰の問題」。運動好きなお子さんを持つ親御さん、コーチの皆さん、そして若いアスリート自身にぜひ知っておいていただきたい内容です。
仙骨疲労骨折と腰椎分離症――その関係性を知っていますか?
スポーツをしている思春期のアスリートたち。その影には、 「仙骨疲労骨折」 と 「腰椎分離症」 という二つの疾患が潜んでいます。これらの疾患のうち腰椎分離症はこのブログでも沢山紹介しておりますが、今回は仙骨疲労骨折です(仙骨は腰の下の骨盤の部分です。ちょうど骨盤の真ん中の骨になります)
今回紹介する筑波大学の辰村先生の論文では、920人の高校生以下の腰痛患者さんのMR Iを検査し、13名(1.4%)が仙骨疲労骨折だっととのことです。過去の論文でも仙骨疲労骨折の発生頻度は1.6%と言われています。ものすごい多くはないのですが、注意しないといけない病気です。
また辰村先生の報告では仙骨疲労骨折と診断された13人の思春期アスリートのうち、 半数以上(7人)に腰椎分離症が合併 していました。つまり、仙骨疲労骨折がある場合、腰椎分離症も一緒に疑うべきなんです。
なぜ合併するのか?二つの疾患の共通点
仙骨疲労骨折も腰椎分離症も、根っこは同じ。「繰り返しの運動ストレス」です。
特に思春期のアスリートは、骨がまだ完全に成長しきっていないのに、激しいトレーニングを続けることで 過剰な負荷 がかかりやすい。ジャンプやランニングで、仙骨や腰椎に余計な「剪断力(骨を横にずらす力)」がかかると、疲労骨折を引き起こします。
これって、針金を何度も曲げ伸ばししているうちに、だんだん折れてしまうイメージに近いですね。
診断はどうする?腰痛の裏に潜む原因を見逃すな!
腰痛って、運動している子どもなら経験することも多いと思います。でも、普通の筋肉痛と思って放置していると危険! その腰痛や臀部痛の中に仙骨疲労骨折と腰椎分離症が潜んでいるかもしれません。
ここで頼れるのが MRI検査!
- 仙骨疲労骨折 → MRIで見ると仙骨孔周辺に「骨髄浮腫(骨の中が炎症で腫れる)」がくっきり映ります。
- 腰椎分離症 → こちらもMRIが有効ですが、特に骨の亀裂が見える部位をしっかり確認します。
画像検査をきちんと行うことで、見逃しを防ぎましょう。診断は整形外科医に任せるとしても、親御さんや指導者の方々も「ただの腰痛じゃないかも?」と気づけると選手の疲労骨折が悪化せずにすみます。
治療と注意点:焦りは禁物!復帰は慎重に
治療は基本的に 「安静とリハビリ」 です。仙骨疲労骨折の場合、治療期間は平均67日と比較的短い(発育期腰椎分離症の場合は2−3ヶ月、それ以上の時もあります)のですが、注意すべき点が一つ。
「競技復帰後に再び折れるリスクがある」
そうなんです。別の場所や反対側の仙骨に疲労骨折が起きる可能性があります。復帰後のトレーニングでは、負荷を徐々に増やしていくことが重要です。「復帰した!イケる!」と張り切りすぎて、また痛みが出る…再発。。。は避けたいです。
まとめ:未来のアスリートを守るために
仙骨疲労骨折と腰椎分離症は、思春期のアスリートが抱えるリスクです。でも、正しい知識と適切なケアがあれば、そのリスクは最小限に抑えられます。
- 成長期の子どもがスポーツをしていて腰痛を訴えたら、軽く見ずに整形外科医に相談を!
- MRI検査で原因をしっかり見極める!
- 焦らず、しっかり治してから復帰する!
スポーツ腰部障害の中で仙骨疲労骨折もあることを知っていただけると早期診断につながり選手の未来が変わると思いますのでお願いします。