歩くと足のかかとが痛い!(T_T) →→そんな方には『圧力波治療!』

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です。
患者さんに「普段どんな運動をしていますか?」と質問すると、1番多い回答は「ウォーキング」です。ウォーキングは手軽にできますが、やり過ぎは禁物です(T_T)

度が過ぎると「足底腱膜炎」を引き起こすことがあります。
足底=足の裏、腱膜=足の腱
足の裏の腱に炎症をおこす病気で、歩き始めや、歩いているときに踵(かかと)のあたりが痛くなるのが特徴です。急にウォーキングを始めた方や、ウォーキング愛好家の方に多くみられます。

早く治すには「安静」が大切になります。
しかし、歩くたびに患部に負担がかかるので、なかなか症状が良くならない方がいるのが現状です(T_T)

当院では『ショックマスター』(物理療法機器)=圧力波治療器を使って治療しています。

圧力波治療の仕組みは
①コンプレッサーで圧縮された空気がハンドピースと呼ばれる導子に送り込まれる
②ハンドピース内部の機構で衝突エネ ルギーに変換される
③その衝撃を患部(痛いところ)に当て治療

衝撃を与える治療なので、圧力波を当てると振動が体に伝わります。ややこしい説明になりましたが、効果的な治療と言われ、欧州ではもう数十年前から行われている治療法です♪

ショックマスターについては詳しくはこのサイトをみてみてください^^https://www.sakaimed.co.jp/rehabilitation/physio-therapy/pressure_wave/physioshockmaster/

今回は、当院の理学療法士(大森康高)が、足底腱膜炎の患者さんに圧力波を使い、効果を検証した論文(1)を紹介したいと思います♫

《対象》
・足底腱膜炎と診断された14名

《方法》
・圧力波を週1回を4回行う。
・効果の有無について、圧力波開始前と1ヶ月後の足の痛みの強さで判定。
・初回の圧力波後すぐに痛みが改善したかどうかについて、1回目の圧力波前後の歩行時(裸足)の痛みで判定。

《結果》
・圧力波治療をして1ヶ月後の足の痛みは改善!
・初回、圧力波治療後の歩行時(裸足)の痛みも改善!!

《結論》
➡️足底腱膜炎に対して、圧力波は有効!

圧力波治療は足底腱膜炎に対してやってみる価値があります!
…ただ、全ての足底腱膜炎の方に圧力波治療が適応というわけではないので、まずは圧力波がある整形外科に相談するのがいいかもしれません(^_^)

以上、西川整形外科のリハ室からでした。

引用1

大森康高ら.足底腱膜炎に対する拡散型圧力波治療の即時効果と1ヶ月後の動作時痛について JOSKAS Vol 46: 202-203,2021

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

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腰の牽引をすると、腰は伸びる??

➡️➡️30 kg 引っ張るとわずかに伸びる(個人差あり)

リハビリテーション治療の1つに 『牽引療法』があります。特殊な機械で腰を引っ張る治療です。
腰にベルトをつけ、ワイヤーで引っ張る機器です。

牽引療法は昔からありますが、効果がある!という論文、あまり変わらないという論文もあります。
患者さんからは「腰の牽引をすると実際腰は伸びるの?」とよく聞かれます。

『30 kg で腰を引っ張ると、腰は伸びるか?』の研究論文を紹介します(1)♪

《対象》ヘルニア患者:48名
(男性13名、女性35名)

《方法》
30キロの牽引をかけながらMRIで画像の変化を見る。

《結果》
16名に画像の変化がみられた!
→腰椎が約2 mm 弱伸びた。

《注意》
あくまでも腰椎部分が伸びたかどうかの確認で、痛みについては触れていません。
対象は体重差があり、その中で一律30 kg の牽引で検証してます。体重差により牽引の影響力は変わってくるので、それを考慮した上で参考にして下さい♪

牽引をして変化があった人の多くは、牽引30 kg が体重の半分以上(体重は60Kg以下)だったようです。体重の半分以上で引っ張ると、多少ですが伸びる可能性があるかもしれませんね(^_^)
*しかしながら牽引療法で処方される 牽引力は最大で体重の1/2とされています。

「体重の半分かそれ以上の牽引をすることで腰が少し伸びる」→それ以下の牽引力でも、腰のストレッチ効果は出ている!と思われます(^_^)

しかし一番大切なのは、腰が伸びる伸びないではなく、症状が改善したかどうかなので、担当の理学療法士とよく相談した上で牽引療法を行って下さい♫

引用1

Tae-Sub Chung et al. Herniated Lumbar Disks: Real-time MR Imaging Evaluation during Continuous Traction

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25611735/

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腰椎椎間板ヘルニアの腰痛に対して〇〇〇療法が有効!

➡➡「超音波療法」が効果的♪

腰椎椎間板ヘルニア、皆さんも1度は聞いたことがあると思います。

腰の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が押されて飛び出してしまう病気で、症状は腰痛や、飛び出た椎間板が神経を圧迫して起こる坐骨神経痛があります。

「椎間板ヘルニアにより生じた腰痛に超音波療法は効果があるか?」調査した論文を紹介します。

〈対象〉

・腰椎椎間板ヘルニアで腰痛…73名

・年齢:35〜45歳です。

〈方法〉

3グループに分けます

① 超音波療法+ベット安静

② 偽超音波療法(実際は超音波は出ない偽物の機器)+ベッド安静

③ ベッド安静+鎮痛剤(痛み止め薬)

①②は、週3回、実験期間は4週間です。

〈治療効果〉

1)腰痛の痛みの程度

2)腰の動きの確認(曲げたり、伸ばしたり、回したり)

この2つを、実験前と後で行っています。

〈結果〉

※痛み・腰の動き両方で①がもっとも改善した。

※腰を曲げると腰を反らせる可動域→①〜③共に改善。

※側屈(腰を横に曲げる)や回旋(腰を回す)も含めた可動域→①に改善。

(可動域=動かすことのできる範囲)

〈注意点〉

この調査では「超音波療法」だけではなく、「ベット安静」もしています。

なかなか通院治療で同じような治療はできません。ですが「超音波治療」だけでも、理学療法士などの専門家が扱えば「安全かつ効果的」な物理療法なので、試す価値は大いにありますよ(^_^)♫

V C Nwuga et al. Ultrasound in treatment of back pain resulting from prolapsed intervertebral disc

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6218793/

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『低出力超音波』って発育期腰椎分離症に効果的??

➡️➡️効果的、のようです^^

「低出力超音波療法」というものがあります。
(以前紹介した「超音波療法」と比較し出力が低い)
超音波療法は2W/cm2ですが、低出力超音波は30mW/cm2程度なのでかなりの低出力となります。近年この低出力超音波療法が骨折の治癒を促進すると報告されています。

今回はスポーツ腰部障害の中でも症例数の多い、「腰の疲労骨折に対して低出力超音波療法は有効か?」を検討した報告(1)を紹介します♪

〈対象〉
・15名の腰の疲労骨折患者
(対象となった方々は骨折が進行し、骨が治りにくいタイプとCTで診断済)

① 低出力超音波療法を行った…6名
② 通常の治療グループ9名

・①は痛めた腰の部位→低出力超音波を毎日20分
・①②ともにプラスチック製の硬いコルセット装着・運動の中止。
・骨の状態確認をCTにて1ヶ月半ごとに撮影。

〈結果〉
②で骨が良くなったのは10%でした。対して①は66.7%でした!
①の平均治療期間は2.7ヶ月でした。

骨が治りにくい方々が対象ですが、明らかに『低出力超音波療法』の方が治療効果があるようです(^_^)
しかし、約3割の方々は低出力超音波療法をしても治りにくいという結果になりました。…悩ましい骨折ですね(*_*)

腰椎の疲労骨折は、早期発見することで治せる確率が高くなります。
成長期のスポーツ選手で腰が痛い場合は、早めに整形外科への受診をオススメします。万が一、疲労骨折でも早めの対処により予後が良くなると思います。
僕らもこの病気の患者さんに多く対応しています。最近ではただ休むだけでなく、リハビリテーションを行いながら治す方法もあります。
ただ、この病気の一番の治療目標は「痛めた骨を治すこと」なので、自分で勝手に判断してトレーニングなどはせず、専門の先生に診てもらうことが肝心です!

引用

(1)Hideyuki Arima et al. Low-intensity pulsed ultrasound is effective for progressive-stage lumbar spondylolysis with MRI high-signal change

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28391380/

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「電気を当てると筋肉がつく」ってホント?

答え:電気の種類によってはつきます^^

電流療法の種類

電流療法には、痛みを取るために行うものや、筋肉を動かすために行うものがあります。それぞれ痛みを認識する神経と筋肉を動かす神経は別なので、電流療法を行う際は、電気の周波数を変える必要があります。痛みに対して行う際は、急性痛には100〜200Hz、慢性痛には 1〜10Hz、15〜30Hzで治療します。筋肉を動かす神経も存在します。 筋肉を動かすために刺激する電気は 低周波だと20〜80Hzと言われています。最近流行っている〜パックなどは20Hzのようです。

電流療法で筋トレ

この周波数の電気を筋肉に流すと筋肉が動きます(収縮する)。電気の力で動かしているので無意識に筋肉が収縮します。筋肉が痙攣している感覚と似たようなものです。無意識にでも筋肉は収縮しているので、筋肉を使っている状態になります。 また電気の力を増していくと筋肉の収縮はより強くなり、無意識に筋肉トレーニングを行っている状態です。通常の筋肉トレーニングは、自分の力で筋肉を収縮させて筋肉に刺激を入れて鍛えますが、電気で筋肉を刺激しても同じくトレーニングになります。このことから「電気刺激によって筋力トレーニングは可能」といえます。

電流療法を使った筋トレ方法

筋肉の収縮方法には大きく3種類あります。

① 筋肉が縮みながら働く状態(等張性収縮)。肘を曲げていくと二の腕の力こぶができますが、この時の力こぶの筋肉の働き方を言います。

② 筋肉の長さは変わらないけれど筋肉が働いている状態(等尺性収縮)。これは腕相撲をしている時に、相手と自分が同じ力の場合、関節の動きはないけれども筋肉はしっかり力が入っている状態です。③ 筋肉が働きながら伸びていく状態(遠心性収縮)。これは腕相撲していて負けそうになる場合、筋肉が頑張りながらも二の腕の筋肉が伸ばされていく状態です。

さて、この3種類の筋肉収縮方法でどれが一番トレーニングになるでしょうか?

答え

➡③最後の筋肉が頑張りながらも伸ばされていく状態:遠心性収縮 です。

初めは安全な負荷から行っていき、慣れてきたら負荷を上げて遠心性収縮を少し出すようなトレーニングが筋力アップには重要です。

ここで電気の話に戻りますが、電気刺激を入れると筋肉は収縮します、肘を曲げた2の腕の状態になります(長い筋肉が短くなるような働き)。これでも筋肉トレーニングにはなりますが、先ほどお伝えした筋肉トレーニングには遠心性収縮が効果的なため、「電気刺激+遠心性収縮トレーニング」を行うことが効果的です♫

〈方法〉

電気刺激を入れた筋肉が縮むのとは逆方向に筋肉を自ら伸ばしていく。そうすると、結果的に筋肉は遠心性収縮になります。

(例)腹筋の電気刺激療法を行うと腹筋が働くので、体はお辞儀方向に動きます。この時に自分で少し胸を張る、お腹を伸ばすように頑張ると腹筋の遠心性収縮が得られます。ただ電気を当てて腹筋がピクピク動いてるよりも、胸を張って姿勢を整えているだけでもより効果的なトレーニングになるのです。

皆さんも経験者だと思いますが、腹筋トレーニングは辛いです。頭をぎゅっと起こして体を持ち上げなくてはいけないので、 首に負担がかかります。また、骨粗鬆症を起こしていると、通常の腹筋トレーニングだと背骨を痛めてしまう、場合によっては圧迫骨折起こしてしまうことすらあります。

電気刺激を利用して腹筋トレーニングをすることで、トレーニング効果を変えることなく、トレーニングによる怪我のリスクを減らすことができます。

「筋力トレーニングをするための電気刺激療法」は、リハビリテーションの世界では昔からある方法です。手術後で患部を動かせない時に、電気刺激を行い筋肉を落とさないようにしてきました。現在もリハビリテーションの分野で、そのような患者さんに対して使っています。

しかし患者さんでなくとも、電気刺激療法による筋力トレーニングは「安全で効果的」なので是非使ってみてください(^_^)

*ペースメーカーを使用している方は電気療法は行えないのでご注意ください。

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『電気治療』って本当に痛みに効くの?

答え:しっかりと痛みの状態を把握して、適切な電気を当てれば効果的です。

電気療法(電流療法)は、昔から行われている治療法です。肩こりなどに低周波治療器を使ったことがある方もいるのでないでしょうか?

電流療法といっても、多々あります。馴染み深いのは、「痛み」に対して行う電流療法だと思います。しかし痛みだけではありません。
「関節の動きを良く」したり、「筋力を強化」したり、「神経に刺激」を入れたり。また、非常に微弱な電気を流すことで「体の傷んだ部分の修復が促進」する電流治療もあります。

全て電気ですが「何の症状に対して行うか?」が重要です。電気には、周波数(ヘルツ:Hz)というものがあり(電気振動が1秒間に繰り返される現象)、対象によって周波数を変えて治療を行います。

《低周波》
低い周波数という意味で、1000Hz以下の周波数をいいます。 (中周波 1001〜10000Hz、高周波10001Hz以上)
超音波治療器は「高周波」を利用しています。

さて「痛み」に対しては低周波を使います。痛みは、傷めて間もない痛み(急性痛)と痛みがずっと続いている(慢性痛)に分けられます。

急性痛の代表例は、捻挫してすぐに起こるズキズキした鋭い痛みです。慢性痛は鋭い痛みではないけれど、重いようなだるいような痛みが数ヶ月単位で続く痛みです。どちらも「痛い」のは変わりないですが、痛みの「質」が違います。
質が違うということは、痛みを感じている神経が違います。急性痛の特徴は鋭い痛みですが、これはAδ線維(太めの神経)という神経によって感じます。それに対して慢性痛はC線維(細めの神経)という神経によって感じます。急性痛と慢性痛で感じる神経が違うので、電流療法もどの神経に向けて治療するかでヘルツを変えて行います。

〈急性痛〉
100~200Hzで治療

〈慢性痛〉
1~10Hz、15~30Hzで治療

同じ痛みでも周波数が全く違います。「痛いから低周波」ではなく、低周波の中でも「どの周波数が自身の痛みに適当かどうか」が重要です。

日々リハビリで当てている電気ですが、使い方によって効果が変わってくるので、是非今使っている電気の周波数を確かめてみてください♫

参考文献
物理療法マニュアル
嶋田 智明ら

https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=219001

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『超音波治療』ってなんですか?

『超音波治療』は、リハビリテーションでよく行われる物理療法機器です。
物理療法・・体に物理エネルギー(温熱、寒冷、電気刺激、光線、その他)を加えること で、生理的生化学的変化を起こし、血液循環の改善、筋の緊張や痛みを除去、軽減するものです。リハビリに行くと腰に電気かけたり、痛いところを温めたりするあの治療です。


その中でも、「超音波って何?」という質問をよく受けます。

超音波・・高周波に位置付けられています。高周波って?ですが、電気振動が1秒間に繰り返される現象のこと周波数(ヘルツ)で表されます。例えば4ヘルツは、1秒間に電気振動が4回行き来することです。よく低周波という名前は聞いたことある方もいると思いますが、低周波は100ヘルツ以下を言います。

高周波は低周波より高い周波数で 3万ヘルツ以上を高周波としています。ここで超音波ですが、超音波はなんと1Mヘルツから3Mヘルツです。メガです!1秒間に100万回から300万回の電気振動を起こします。まさに『超』です。
そして超音波はこの周波数を使い、細胞を振動させる作用により温熱効果をうみます。1秒間に100万回細胞をマッサージされている状態です。人の手では作り出せません。
我々理学療法士はこの超音波を使い、人間業では到底できないこと(短時間で筋肉や組織の温度を上げる)を治療に応用しているのです。

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〇〇〇衝撃波療法は慢性腰痛に効果的!

答え:拡散型衝撃波療法 *1

『拡散型衝撃療法』はテニス肘や足底腱膜炎など、腱炎や石灰沈着性腱板炎に対して有効な治療と言われています。

これまで我々も腱炎に対して行なっていて、効果を認識しています。しかし、国民病とも言われる慢性腰痛症に対してはあまり報告がなかったのですが、今回「慢性腰痛症に対して拡散型衝撃波療法は効果的かどうか?」を検討した報告(1)があったので紹介します♪

今回紹介する報告は、「コアトレーニング+拡散型衝撃波療法」を行なった結果を調査しています。

対象:52名(腰痛患者)

40名が同性…平均年齢53.45歳

※慢性腰痛ので3ヶ月以上腰痛が続くもの

※坐骨神経痛などの症状を有している方は除外

方法:

衝撃波療法を週2回5週間→合計 10回

腰痛を訴えている部位に衝撃波を当てる。

評価項目:

①痛みの強さ

②日常生活の障害度など

結果:

①②ともに改善。

①ついては、最初の時点で visual analog scale*2 で4.4➡2.7まで下がっています。

5週間の治療でこれだけ①が改善するのは「効果がある!」と言って良いと思います。

『拡散型衝撃波療法』を導入している施設はまだまだ少ないですが、適例であれば試してみるのもいいと思います。

《注意点》

今回の調査では「コアトレーニング」といった運動療法も同時に行なっています。 今回の論文通りで治療するなら、衝撃波療法に加えてコアトレーニング(運動療法)も併用しなければいけませんね。

腰痛の治療は様々です。個々の症状に合った治療を、整形外科の先生や理学療法士と相談して進めていただければと思います(^_^)

*1 https://www.sakaimed.co.jp/rehabilitation/physio-therapy/pressure_wave/physioshockmaster/

*2 VASとは、Visual Analog Scaleの略であり、目的としては痛みの強度を測定するものである。 また、視覚的評価スケールとも呼ばれる。 紙に10cm(100mm)の直線を書き、その左端に0、右端に100の数値を記入した測定スケールを用意する(10ごとに数値を記入する場合もある)右端の10はこれまで経験したことのない痛み、左端の0は全く痛くないと設定し記載してもらいます。

引用

(1)Karolina Walewicz et al. The Effectiveness Of Radial Extracorporeal Shock Wave Therapy In Patients With Chronic Low Back Pain: A Prospective, Randomized, Single-Blinded Pilot Study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31806944/

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腰痛椎間板ヘルニア患者の腰痛に超音波治療は有効か?!

答え:有効のようです

リハビリテーションの治療は、主に徒手療法(理学療法士が手を使って直接患者さんの治療をする)と運動療法(運動を患者さんにしてもらい治療をする)、そして物理療法(温熱や電気を使った物理的刺激で治療する)の3つがあります。

物理療法の中でも、超音波療法*1は古くから行われています。今回紹介するのは「超音波療法は腰痛に効果があるのか?」を報告した論文です。1983年の論文ですが、詳細に調査されており超音波療法の有用性が理解できる内容です(1)。

1978年から1980年の間に腰のヘルニアと診断され、腰痛を有した73名を対象としています。年齢は35〜45歳です。ヘルニアの診断は、この時代なのでMRIではなく造影レントゲンにて診断しています。

患者さんを3グループに分けています。
1超音波療法とベッド安静
2偽超音波療法とベッド安静
3ベッド安静と鎮痛剤

以上の3つのグループです。
偽超音波治療は超音波のスイッチをオフして行ったそうです

超音波、偽超音波の治療場所は、ヘルニアが認められた腰の部位です。
患者さんに対しての腰痛の評価として四つの質問を行いました。
1  痛みはない
2 痛みはわずかに残っている
3 改善した
4 変化なし

結果→「超音波療法群」で腰痛の改善が認められました。また体の柔軟性も3つのグループの中で、超音波療法グループがより改善していたとのことでした。
今回の調査では基本的にベッド安静なので、超音波療法は有効性は頷けます。しかし昨今の腰痛治療では、痛みの程度に合わせて体は動かした方がいいといわれています。ベッド安静がいいわけではないところはご注意を。超音波療法は自宅ではなかなか難しいですが、整形外科でリハビリを行っているところでは超音波療法ができる施設も多いと思います。

*1超音波治療ってなんですか?

超音波治療とは、リハビリテーションでよく行われる物理療法機器です。物理療法とは、体に物理エネルギー(温熱、寒冷、電気刺激、光線、その他)を加えること で、生理的生化学的変化を起こし、血液循環の改善、筋の緊張や痛みを除去、軽減するものです。リハビリに行くと腰に電気かけたり、痛いところを温めたりする治療です。

超音波とは高周波に位置付けられています。高周波って?ですが、電気振動が1秒間に繰り返される現象のこと周波数と行ってヘルツで表されます。例えば4ヘルツは、1秒間に電気振動が4回行き来することです。よく低周波という名前は聞いたことある方もいると思いますが、低周波は100ヘルツ以下を言います。

高周波は低周波より高い周波数で 3万ヘルツ以上を高周波としています。ここで超音波ですが、超音波はなんと1Mヘルツ〜3Mヘルツです。メガです!1秒間に100万回から300万回の電気振動を起こします。まさに『超』です。
そしてこの超音波は、この周波数を使い細胞を振動させる作用により温熱効果をうみます。1秒間に100万回細胞をマッサージされている状態です。人の手では作り出せません。我々理学療法士はこの超音波を利用し、短時間で筋肉や組織の温度を上げることで治療効果を高めているのです。

 

(1) Ultrasound in treatment of back pain resulting from prolapsed intervertebral disc

bmed.ncbi.nlm.nih.gov/6218793/

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