〇〇脊椎がある6〜12歳は、腰の疲労骨折をおこしやすいかも

➡➡『二分』脊椎

発育期にスポーツなどでおきる腰椎の疲労骨折を「発育期腰椎分離症」といいます。

初期は疲労骨折ですが、そのままスポーツ活動を続けていると骨折してしまい、「分離症」に移行してしまうことがあります。このため早い時期の診断・治療が重要です。

今回は発育期の中でも、6〜12歳の児童が発育期腰椎分離症を起こしてしまう「特徴」について紹介します(1)。

《最大の特徴》

腰の部分(特に5番目の腰椎)に二分脊椎 があると

発育期腰椎分離症を起こしやすい。

※ 二分脊椎(2)とは…腰椎にある神経が通るトンネルが不完全な状態のこと

二分脊椎については整形外科で腰のレントゲンを撮れば診断がつくことが多いです。しかし発育期腰椎分離症である疲労骨折についてはレントゲンだけでは診断はつきません。確定診断には 「MRI 検査」が必要です。

今回は6〜12歳の年齢層が特に、との結論ですが二分脊椎についてはこれまで発育期腰椎分離症の方に多く見られるとの報告がありました。

「二分脊椎」自体はどうしようもできませんが、「二分脊椎」は発育期腰椎分離症と関わりがある、と知っておくことで、もしニ分脊椎がある方は発育期腰椎分離症の早期発見につながるかもしれません♫

発育期腰椎分離症の治療成功の鉄則は『早期診断・早期治療』です。

スポーツをしていて腰痛が続く方は、早めの整形外科受診をオススメします(^_^)

引用

(1)Yuta Tsukagoshi et al. Characteristics and diagnostic factors associated with fresh lumbar spondylolysis in elementary school-aged children

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32737580/

(2)http://www.neurospine.jp/original35.html#:~:text=%E4%BA%8C%E5%88%86%E8%84%8A%E6%A4%8E%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84,%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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五十肩の経過は長め?短め??

➡️➡️基本的に経過は「長め」(*_*)

40歳〜50歳くらいになって、肩が痛くなったり動かなくなったりするような症状を『五十肩』と言うことがあります。
近年ではMRI を代表とした検査機器の発達により、昔はわからなかった肩の病気もだいぶ診断がつくようになりました。
最近テレビなどで紹介される腱板断裂などは検査技術が上がって判明した病気です。
しかし、MRI検査などを行っても肩の痛めた部分がよく分からないものがあります。このような場合、五十肩と言われたりします。(昔は五十肩と言われていたものでも、実は腱板断裂だったり…)
昔より『五十肩』と診断されるものは減ってきています。

『五十肩』は、50歳前後で検査をしても痛みや肩が挙がらない原因がはっきりしない状態をいいます。「肩関節周囲炎」とも言われます。

40歳〜60歳の女性に多く、非利き手に多発、両肩に出る割合は20%です。

《経過》
肩の中に何かしらの炎症が起こる→痛み→肩を動かさない→硬くなっていく。
徐々に治っていきますが、1年〜2年かかる場合もあると言われています。

ただ、治るまでの期間、ずっと同じ症状ではないことも報告されています。

① 痛くて動きづらくなる時期…10〜36週
② 痛みが治り動かなくなる時期…3〜12ヶ月
③ 徐々に動き出す時期…数ヶ月〜数年

①〜③の経過を経て治っていくそうです。ただ、それぞれの期間のばらつきは多いようです。

〈五十肩は動かせば治るの?〉

➡️➡️”時期によりけり”

五十肩の治療は、3つの時期に合わせながらリハビリを行うことが重要です。

①の時期
・痛みが強い…薬や注射
・あまりにも痛みが強い場合…三角巾で固定
※無理に動かすようなリハビリを行うと逆効果。
※この時期が終わらないと次の時期に移行できません。

②の時期
・痛みが無くなってきた時期から徐々に動かしていきます。
*理学療法士は①の時期でも、肩以外の部分を動かしたりはします。
※注意※
痛みが無くなってきても、無理やり動かすと痛みが出る場合があります(*_*)
座ったり立った状態で肩を挙げると、腕の重みで挙げづらいので、仰向けの状態で両手を組み、痛くない側の手でリードして挙げていくと効果的です♫

痛みがなくなり硬くなった時期からは、肩が徐々に動いてくるので、リハビリでも肩の関節を動かしていきます。この時期にくるとゴールが見えてきます(•‿•)

《五十肩の治療で大切なこと》
・治っていくまでの過程を理解する。
・時期に合ったリハビリをする。
・治療期間が長いと認識→気持ちが楽に♫

他に原因がない状態を五十肩といいます。
肩が痛い・挙がらないときは、まず整形外科で検査し原因を探ることが大切です(^_^)

引用

1)B Reeves The natural history of the frozen shoulder syndrome

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1198072/

2)J J Warner et al. Arthroscopic release for chronic, refractory adhesive capsulitis of the shoulder

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8986657/

3)B Shaffer et al. Frozen shoulder. A long-term follow-up

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1624489/

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腰の牽引をすると、腰は伸びる??

➡️➡️30 kg 引っ張るとわずかに伸びる(個人差あり)

リハビリテーション治療の1つに 『牽引療法』があります。特殊な機械で腰を引っ張る治療です。
腰にベルトをつけ、ワイヤーで引っ張る機器です。

牽引療法は昔からありますが、効果がある!という論文、あまり変わらないという論文もあります。
患者さんからは「腰の牽引をすると実際腰は伸びるの?」とよく聞かれます。

『30 kg で腰を引っ張ると、腰は伸びるか?』の研究論文を紹介します(1)♪

《対象》ヘルニア患者:48名
(男性13名、女性35名)

《方法》
30キロの牽引をかけながらMRIで画像の変化を見る。

《結果》
16名に画像の変化がみられた!
→腰椎が約2 mm 弱伸びた。

《注意》
あくまでも腰椎部分が伸びたかどうかの確認で、痛みについては触れていません。
対象は体重差があり、その中で一律30 kg の牽引で検証してます。体重差により牽引の影響力は変わってくるので、それを考慮した上で参考にして下さい♪

牽引をして変化があった人の多くは、牽引30 kg が体重の半分以上(体重は60Kg以下)だったようです。体重の半分以上で引っ張ると、多少ですが伸びる可能性があるかもしれませんね(^_^)
*しかしながら牽引療法で処方される 牽引力は最大で体重の1/2とされています。

「体重の半分かそれ以上の牽引をすることで腰が少し伸びる」→それ以下の牽引力でも、腰のストレッチ効果は出ている!と思われます(^_^)

しかし一番大切なのは、腰が伸びる伸びないではなく、症状が改善したかどうかなので、担当の理学療法士とよく相談した上で牽引療法を行って下さい♫

引用1

Tae-Sub Chung et al. Herniated Lumbar Disks: Real-time MR Imaging Evaluation during Continuous Traction

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25611735/

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