『ぎっくり腰はどれくらいで良くなってくる?』

「コーヒーが筋力低下を防いでくれるかも…」という論文があったのですが、僕はコーヒーが苦手なのでガックリしました(¯―¯٥)
#苦くてミルク入れないと飲めません
#ブラックだと気持ち悪くなります

さて今回は、
『ぎっくり腰はどれくらいで良くなってくる?』です。

僕も経験ありですが、ぎっくり腰は……痛いです。
腰痛のガイドラインでは、「ぎっくり腰=急性腰痛」といい、約80%の方が2週間で良くなる!と言われています。

「良くなると言っても、どの程度良くなるの?」と思いませんか?

そこで、『急性腰痛の方に腰痛の痛みの強さを聞き、痛みの強さがどのくらい経過したら良くなったか?』を調査した研究(1)があったので紹介していきます♫

《対象》
・急性腰痛症 132名

《方法》
・初回の痛みの強さをVAS(※)で評価

《結果》
・初め→VASの平均が7cm
(10cmが超絶痛い状態なので、7cmはかなり痛い方ですね。ちなみに慢性的に痛みを感じる方は4−5cmくらいが多い)
(VASは3cm以下になるとまずまず良い状態)
・2週間経過後→3cm以下!

※VAS(Visual Analog Scaleの略)
痛みの強度を測定するもの。
また、視覚的評価スケール。 紙に10cm(100mm)の直線を書き、その左端に0、右端に100の数値を記入した測定スケールを用意する(10ごとに数値を記入する場合もある)右端の10はこれまで経験したことのない痛み、左端の0は全く痛くないと設定し記載してもらう。

《結論》
ぎっくり腰になっても2週間経過すれば、はじめに比べて6割くらい痛みの強さは減る

通常のぎっくり腰は、このように自然と良くなると言われています。最初は痛くて辛いけれど、日に日に良くなっていく痛みです。
しかし日を経ても痛みが変わらない、逆にどんどん痛くなる、夜も寝られない、と言った症状の方は、早めに医師の方に相談してみてください。

「腰痛」は多くの方が一生に一度は経験すると言われています。急な腰痛はかなり辛いと思いますが、病院を受診し、治療をすると楽になると思います。痛みが軽減したら、今度はリハビリで体を改善して腰痛の予防をしていきましょう^^

引用

高橋 弦:急性非特異性腰痛のVAS値変化とそこから示唆される望ましい鎮痛薬. 整形外科. 2017:68:305-313

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番外編 西川整形外科から書籍が出ました^^「下肢のMRI読影の一手 -3120画像からみた定跡-」

皆様こんにちは、西川整形外科の理学療法士の杉浦史郎です。今日は、番外編で嬉しいお知らせです^^

西川 悟院長と松下 幸男技師長(放射線部)が千葉大学の佐粧教授監修のもと、南山堂から書籍を出版しました。タイトルは「下肢MRI読影の一手 -3120画像からみた定跡-」です。一手や定跡と出てお分かり方もいると思います、松下幸男技師長は大の将棋好きなんです^^お酒もお好きです。#その情報はいらないか #よく飲みに連れていってくれます

これまでの当院で検査したMRIの綺麗な画像と詳細な説明でまとめられています。臨床最前線の内容が組み込まれています。当院ではMRIがあるので、患部(痛めている部位)の状況が判断しやすいです。リハビリを行う時もどこが炎症をしているのか?どこを傷めているのか?を知っているとそうではないとでは内容が違います。MRI結果によってはリハビリで運動をしてはいけない場合もあります。

MRIは放射線被爆もなく安全な検査です。そしてレントゲン検査の何十倍もの情報を得ることができます。理学療法士、作業療法士の皆様も画像を得意になれば提供できるリハビリは広がります。この本の特徴ですが、MRI画像だけではなく、検査前の患者さんの症状が記載されているんです!これは僕ら理学療法士、作業療法士にとって一番助かる情報です。ご興味ある方はお手にとってみてください!

PDF の案内になります

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おじぎで腰が痛いときの対処法(改訂版)

野球肩(投球動作により発症した肩痛を主とする肩関節傷害の総称)の少年に、「今は投げちゃダメだよ。」と伝えましたが、数日後に「ドッチボールだから投げちゃった^_^」と言われ、……確かにそこまでは伝えてなかった=_=と反省しています。。
#そうきたか
#ドッチボールもだめだよ

さて、「腰痛」には様々な種類があります。
例えば…椎間板を痛めた、関節を痛めた、筋肉を痛めた等々。
また、腰の動き1つとっても…おじぎすると痛い、反ると痛い、回すと痛い等々。

この「腰を動かすと痛みが出る」という方の中で、「おじぎ」をすると腰痛が出る方は比較的多いのではないでしょうか?

今回はこの「おじぎ」と「腰痛」の関係、メカニズムと対処法について紹介していきたいと思います♫

《腰のどの部分に負担がかかっているか?》
おじぎの時に負担がかかる部分は「椎間板」と言われています(1)。
下の写真をみてもらうとよくわかります。
真っ直ぐの状態から腰を曲げると、椎間板に負担がかかります。そうした負荷がかることで腰痛が起こると言われています。

腰の骨と骨の間のオレンジの部分が椎間板です *真っすぐの姿勢で腰を横から見てます
腰を曲げる(おじぎをすると)と椎間板にストレスがかかる

《対処法:リハビリ》
ズバリ!「おじぎの時に椎間板に負担がかからない身体を作ること!!」です(^_^)
腰を曲げないですめば1番いいのですが、日常生活を送るうえで「腰を曲げない」というのはそもそも無理な相談です。腰を動かせるように!と腰の柔軟体操をすると余計腰に負担がかかります(T_T)
では、どの関節を動かせばいいのでしょうか??

それは『股関節』です。
下の写真を見てください。ももの裏の筋肉が硬い状態と柔らかい状態の股関節の写真です。

ももの筋肉が硬い場合
ももの裏の筋肉が柔らかい場合

柔らかい股関節の方が腰が曲がっているように見えません?写真を回転するとわかりやすいのでしょうか。

写真を回転させておじぎ状態です。股関節が曲がると腰が曲がらないですみます

 

 

 

 

 

 

 

 

そうなんです股関節が動くと腰が曲がらなくていいんです。
股関節が動けば(柔らかければ)、腰を曲げなくてもおじぎができるようになります。

 

ではこの股関節の筋肉を伸ばすストレッチはこんな感じです。(下の写真)

ももの裏のストレッチ
椅子に座っておじぎをすると矢印のところのももの裏の筋肉が伸ばされます。30秒を3回、痛みのない範囲で行ってくださいね

おじぎで腰痛出る方は、このストレッチをしてももの筋肉をやわらくして腰に負担がかからにようにしてください。是非試してみてくださいね♫

引用

Koichi Sairyo et al., State-of-the-art management of low back pain in athletes: Instructional lecture

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26850924/

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筋肉ってこういう時に痛めている

お庭の草が伸びるこの季節、担当の患者さんで草取りをして体が痛くなる方一日2名以上はいらっしゃいます。改めて草取り作業の没頭力に驚愕している杉浦です。                   #2日おきでお願いします                                  #集中しすぎないでください

今日は、筋肉のお話です。筋肉というと、筋肉痛、肉離れ、筋挫傷など、筋肉にまつわる様々な病名があります。ほとんどの方が筋肉痛を経験したことがあるのではないでしょうか。急に運動した後や、いつもと違うスポーツをした後、必ずといっていいほど筋肉痛を経験すると思います。冒頭での話の、草取りの後も、腰が張るやお尻が痛くなったって患者さんは多くいらっしゃいます。

この筋肉痛ですが、どういう時に起こるのか?もしもあらかじめ分かっていれば、対処しやすいと思います。それでは…

まず、筋肉の動き方、働き方には3つあります。

等張性収縮

等尺性収縮

遠心性収縮

です。専門用語すぎてなんじゃそれ?ですよね。説明していきます。全ての筋肉にこの3つの働き方があてはまるのですが、今回は、腕の力こぶ(上腕二頭筋)を例に挙げて説明します。

  1. 1. まずは等張性収縮です。*収縮とは筋肉が自ら働く動くことです。この筋肉の働き方は、肘を曲げる動作で力こぶを出す時です。筋肉が働きながら縮んでいきます。
  2. 次は等尺性収縮です。これは腕相撲をしていて同じくらいの力の相手としているときの一進一退の状態です。伸びもせず縮みをせず同じ長さで頑張っている状態です。
  3. 最後に、遠心性収縮です。結論から言いますと、これが一番筋肉を痛めます。これは、腕相撲をしていて負けそうになっている時です。必死に力こぶに力を入れて頑張っているのですが、相手の力が強すぎて、力が入りながらも引っ張られて肘が伸びてしまう状態です。皆様も経験あると思いますが、腕相撲で負けて終わったあと腕が痛くなった方も多いと思います。

この3つの筋肉の動き方のうち、「最後の筋肉が働きながらも伸ばされる」この状態が筋肉を痛めやすいと言われています(1)。これをもっと日常生活に置き換えると、例えばスマホを見ている時、長い時間頭を下げていますが、首周り筋肉がまさに、働きながら伸ばされている状態になります。スマホで調べごとに熱中している時はいいのですが、終わってから肩こりや首が張った方は、首回りの筋肉が疲労してしまっています。草取りで、しゃがんでお辞儀をしているとその後、腰が張るのも同じ状態です。

では対処は腕相撲が負けそうな状態を長く作らないことです。月並みですが姿勢をちょこちょこ変えていくことです、スマホで調べる時は、横になって枕を使って調べるのもいいと思います。草取りはどうしてもやらないといけないのですが、毎日やらないで草取りの次の日は、腕だけを使う作業にする、など使う筋肉を毎日変えることといいと思います。いつも痛くなる筋肉ってどういう時に頑張っているのかな?と自分の姿勢を振り返ってみてください^^

1 McCully KK, Faulkner JA: Injury to skeletal muscle fibers of mice fol- lowing lengthening contractions. J Appl Physiol 59: 119–126, 1985 12.

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番外編 論文が採択されました^^

みなさま、こんにちは。コロナの影響か太ってしまったのですが、ダイエットは明日からでいいかなって思わせてくれる必須のアイテムはマスクと思っております杉浦です。

さて、今回は番外編で、Spine Surgery and Related Researchという雑誌に、投稿していた論文が採択されました。#とっても嬉しいです

論文が世に出るまでという記事を以前アップさせていただきました。詳しくはそちらを見ていただけるとイメージつきやすいと思いますが、論文が無事に雑誌に掲載されるまでには長い長い道のりがあります。今回の論文も初めはスタッフのみんなと計画を立て、実際調査をして、そして今回の論文掲載^^#実に5−6年経過しています なので無事に採択された時の嬉しさはなんとも言えません。http://pain-physio.net/%e7%95%aa%e5%a4%96%e7%b7%a8%e3%80%8e%e8%ab%96%e6%96%87%e3%81%8c%e4%b8%96%e3%81%ab%e5%87%ba%e3%82%8b%e3%81%be%e3%81%a7%ef%bc%81%e3%80%8f%e3%81%ae%e5%b7%bb/

また論文が世に出るとそれを見ていただいた方が、患者さんに情報を提供できます。成功だけではなく、失敗したことも情報として提示することで、未来の患者さんにはより良い医療を提供することができます。このブログでも、他の方が書いた論文を元にみなさまに新たな情報を書いています。       #知識の好循環

論文はただの紙にまとめられたものですが、中身は世に役立つものと信じて、また研究活動も続けていきたいと思います。院長先生にはいつも研究のアイデアをいただき、東千葉メディカルセンターの青木先生には研究を1からご指導いただいております。そしてスタッフのみなさまいつも困った時に指導してくれてありがたいです。ありがとうございます。

今回の論文の詳しい内容については後日お伝えできればと思っております。また是非遊びにいらしてください。

以上、西川整形外科のリハ室からでした。

*今回掲載される論文です

Shiro Sugiura et al. Utility of Physical Examination Findings for Predicting Low-Back Pain in Adolescent Patients with Early-Stage Spondylolysis: A Retrospective Comparative Cohort Study

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ssrr/advpub/0/advpub_2020-0199/_article

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オスグッド病にもエコー⭐️

理学療法士の悩みの一つは、調子が良くなってリハビリが卒業となった患者さんに、『またお待ちしてます!』って言えないことです。。。                            #患者さんの卒業は嬉しいけど、寂しい                            #もしもまた病院で会うときは患者さんは不調があるときですものね

今日は、オスグッド病についてのお話です。オスグッド病は成長期のスポーツをしている少年、少女に起こる膝の障害です。昔スポーツをしていてオスグッド病になりお皿の下あたりの骨が膨らんでいる大人の方もいると思います。

太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が骨につくところで引っ張ってしまい炎症したり、成長期のまだ弱い骨をはがしてしまい痛みが出ます。初めは、運動の時だけ違和感や痛みが出るのでなんとかスポーツを続けられますが、そのうちひどくなり歩いたりしゃがめなくなり病院に来る方が多いです。

オスグッド病が起こる場所は体からわかりやすいところ(膝の写真を参照)なので、痛い部位とレントゲン検査で比較的簡単に診断がつきます。しかし、痛みがひどい場合はMRIをとって骨がどの程度炎症しているのかも確認する場合もあります。

 

今回は、エコー検査でオスグッド病の状態がある程度わかりますよって論文があったので紹介します。#産婦人科でお腹の赤ちゃんをみるあのエコーです

 

対象は、35名のオスグッド病患者さん(男の子25名、女の子10名 11〜14歳)そして35名の膝の痛くない子(9−15歳)です。オスグッド病患者さんの膝と膝の痛くない子の膝をエコーで確認しました。

結果ですがオスグッド病患者さんは写真に示したような3つの状態に分けられました。

写真の2→3→4になるにつれて重症度が増しています。*写真1は膝の痛くない方(正常)          写真2の方は、26%、写真3の方は43%、写真4のような状態の方は、31%くらいいたそうです。

僕たちも現場にいると、患者さんは軽度な方から我慢して重症化した方まで様々です。当たり前ですが、重症化した子の方が、痛いし治りが遅いのでスポーツ復帰が遅れます。オスグッド病は早めに対応して早い段階で適切に治療を開始すれば重症化しなくて済みます。ただ、膝が少し痛くてもなんとかスポーツができてしまうところが厄介なところです。

今回の報告から、オスグッドにも色々なタイプがあり、エコーである程度判断可能です。重症化するとスポーツ復帰まで時間がかかって大切な大会に間に合わない事態にもなりえます。早めの対応、治療が大切です。

当院のリハビリ室にもエコーがあります。膝が痛いスポーツをしている子達の膝をエコーで観て医師の方と相談して治療を進めています。#エコーは患部の状況を把握できるので重宝しています

 

最後にまとめると…最初は痛いのを我慢できるオスグッド病ですが、我慢のしすぎは禁物です。

 

以上、西川整形外科のリハ室からでした。

引用

A Blankstein et al.,Ultrasonography as a diagnostic modality in Osgood-Schlatter disease. A clinical study and review of the literature

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11599758/

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