『腰痛の原因には〇〇もある!?』

脅威の暗記法を習ったので、勝つ気満々で後輩に「暗記テスト勝負」を挑んだら……負けてしまいました(ToT)
#やはり年齢か……?

『腰痛の原因には〇〇もある!?』

➡➡腰やお尻の感覚を支配している神経

腰痛の原因には、

・椎間板(腰の骨と骨の間にあるクッション)

・椎間関節(腰の骨と骨の間の関節)

・筋肉

と様々な組織がかかわっています。

そのため、腰痛の原因が特定しづらいことがあります。

今回は、

「腰まわりの神経が腰痛に関与する」という論文を紹介したいと思います♪

神経には「運動神経」と「知覚神経」があります。

・運動神経→運動を起こすのに働く神経

・知覚神経→痛み、痒みなどの感覚を伝える神経

今回紹介するのは「知覚神経」です。

腰まわり神経

◯上殿皮神経(じょうでんぴ神経)

◯中殿皮神経(ちゅうでんぴ神経)

図(腰)の左側が上殿皮神経で右側が中殿皮神経です。*実際は両サイドにこの2つの神経があります。

これらの神経は「知覚神経」です。

図で見ると、腰の深いところから皮膚表面に向かってにょきにょきと出てきている神経です。この神経が圧迫されたり、ひっぱられたりすると痛みとして感じることがあります(*_*)

《上殿皮神経による腰痛の発生頻度》

・腰痛患者の14%

・このうち55-63%が女性

※出産歴や腰のレントゲン上での異常、体格との関わりはない。

・発症の年齢は中年以降

《中殿皮神経による腰痛の発生頻度》

・きちんとした報告はまだない(論文)

・臨床上ではいくつかの症例報告はあり。

《症状》

◯腰の運動や姿勢により図示したあたりに痛みが出現する。(腰に加えおしりも痛いのが特徴)

◯神経が出てくるところを叩いたり押したりすると痛みが出現する。

前述したとおり、腰痛を起こす原因は多岐にわたります。

その中でも今回紹介した「知覚神経」については、まだそれほど知られていないのでご紹介しました♫

椎間板や関節を痛めたり、知覚神経を痛めたりとさまざまな原因が複合して腰痛が出ることも勿論あります。

そうした中で「知覚神経だけ」の腰痛の確定診断は難しいと思いますが、このような腰痛もあると知っておいて損はないと思います(^o^)

ちなみにこのケースのリハビリでは、神経が出る周りの筋肉の緊張をとるような治療を進めていきます\(^o^)/♪♫

 

引用

1 Maigne JY, Doursounian L. Entrapment neuropathy of the medial superior cluneal nerve. Nineteen cases surgically treat- ed, with a minimum of 2 years’ follow-up. Spine (Phila Pa 1976) 1997;22:1156-9. https://doi.org/10.14245/ns.18

2 Kuniya H, Aota Y, Kawai T, et al. Prospective study of supe- rior cluneal nerve disorder as a potential cause of low back pain and leg symptoms. J Orthop Surg Res 2014;9:139.12.

3 Morimoto D, Isu T, Kim K, et al. Surgical treatment of supe- rior cluneal nerve entrapment neuropathy. J Neurosurg Spine 2013;19:71-5.

4 Toyohiko Isu et al., Superior and Middle Cluneal Nerve Entrapment as a Cause of Low Back Pain Neurospine. 2018 Mar;15(1):25-32. doi: 10.14245/ns.1836024.012.

 

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『腰痛がでている側の腰の筋肉は、小さくなる?』

お手玉3つのジャグリングか得意で次女に自慢したら、1日で彼女にぬかれました。。。
#若さか
#しかも自分より綺麗で早い

『腰痛がでている側の腰の筋肉は、小さくなる?』
➡️➡️小さくなります

「腹筋や背筋が弱いと腰痛になる!」と、言われたことがある方もいると思います。
…しかし、腹筋・背筋の筋肉量が少ないからといって腰痛になるとは一概にはいえません。。

筋力が落ちてしまう原因として、
①筋肉を使わなくなった
②運動不足 など
が挙げられます。もう一つ、
③痛いと筋力が落ちてしまうことがある

長く痛みが続くと、その周りの筋肉から小さくなってしまうことがあります。
(例)膝を痛め腫れる→膝の筋肉(特に内側広筋)小さくなる。

今回は、
『腰痛がでている方の腰の筋肉は小さくなるか?』を調査した論文を紹介していきたいと思います♫

《方法》
◯片側の腰痛が12週間以上続く50名
◯筋肉の断面積をMRIを使って計測する

《評価方法》
◯腰痛側の筋肉と、その内側の筋肉の断面積の差
◯症状の持続時間
◯痛みの評価
◯神経症状の有無(坐骨神経痛がでている側)

《結果》
・腰痛側の筋肉の断面積が小さかった
・症状がでている期間が長い→筋肉の断面積(小)
・痛みが強い→筋肉の断面積(小)
・神経症状がある側→筋断面積(小)

「想像通り…」という結果ではありましたが、これほど詳細に「腰痛と筋肉の断面積」を調査した報告は多くないので、考えていたことの証明にはなりました♫
腰痛でも筋肉が小さくなってしまう可能性があり、その期間が長ければ長いほど筋肉が小さくなってしまうようです(ToT)

腰痛はぎっくり腰のように急激に痛む場合と、今回対象の方々のように3ヶ月以上も腰痛が続く場合もあります。
今回の結果から、腰痛を早めに治すことで筋肉が小さくなっていまうことを防ぐことが大切だとわかりました(^^)
腰痛がでている間も、腰に負担をかけない腰回りの筋力トレーニングはたくさんありますので理学療法士に聞いて参考にしてみて下さいね♪♫

引用
Karen L Barker et al., Changes in the cross-sectional area of multifidus and psoas in patients with unilateral back pain: the relationship to pain and disability
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15543053/

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発育期腰椎分離症の再発率は〇〇%!

昨日の夜、我慢できずコンソメパンチを食べました。…今朝案の定、胃がもたれ(+)
#依存性が高すぎる
#やめられない

《発育期腰椎分離症の再発率は〇〇%!》

➡➡なんと!再発率13%!!

みなさま、こんにちは\(^o^)/

今回も、発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)の話になります♪

筑波大学:辰村先生の最新の論文から「再発率」に関する情報を紹介していきますね♫

《対象》

・2014年〜2020年までに発育期腰椎分離症と診断された141名(男:112 女:29)

・発育期腰椎分離症の診断:MRIとCT

《治療》

・硬性コルセット(硬いプラスチックのコルセット)を疲労骨折が快方にむかうまで着用。

・約100日着用

※対象者は皆、スポーツ復帰をしている。

《調査内容》

・スポーツ復帰後の再発率

《結果》

・141名中20名に再発を確認。

・最初の疲労骨折:171箇所(片側・両側タイプがあるため)

・再発:22箇所➡再発率:13%

・再発するまでの期間:平均で149日。

・再発者の約80%➡スポーツ復帰をして半年以内に再発

《初めて罹患した年齢》

・再発しなかったグループの平均年齢:14.6歳

・再発したグループの平均年齢:13.3歳

➡➡再発したグループの方がより早い時期に、疲労骨折していた。

➡➡若ければそれだけ再発の可能性が上がる。

発育期腰椎分離症は、成長期に運動することで起こる腰の疲労骨折です。

ですから、『成長期+運動→再発する可能性あり』ということになります>.<

今回の結果から、

・再発率は決して低くない。。。

・再発→本人に精神的・身体的にストレス(+)

ボクたち理学療法士は再発防止のために、コルセット治療中でもできる「柔軟体操」や「筋力トレーニング」を提供し、『再発率0!』を目指してがんばります♫^^♪

引用

Masaki Tatsumura et al, Characteristics of recurrent cases after conservative therapy in adolescent lumbar spondylolysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35256699/

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腹筋の刺激に『座って足踏み』運動!それと同時に『〇〇する』と、さらなる運動効果が!!

久しぶりの学会発表でスーツ着用!
……Yシャツの首がキツくなっていました(ToT)
#酸素がたりない
#ネクタイによる健康被害ってないのかな?

今回は、
腹筋の刺激に『座って足踏み』運動!
それと同時に『〇〇する』と、さらなる運動効果が!!

➡️➡️『両手をあげる!!』でした♫

腰痛緩和や体幹(胸やお腹や背中)を鍛えるときに一番の耳にする筋肉=腹筋ではないでしょうか?

代表的な腹筋トレーニングは、仰向けで頭の後ろで手を組んで体を起こす…アノ運動です。
もちろん腹筋に刺激はいきます。が、腹筋の働きというのは「手足を動かす時に体幹を安定させる」というのが本来の働きです。

わかりやすい例で言うと、座ってお腹に片手を当てもう一方の手をあげてみてください。片足をあげてもらってもいいです。腹筋が硬くなるのが分かると思います。

このように、腹筋には手足が動く前に体幹を固定する働きがあります。文鎮みたいな働きですね♪

臨床では、例えば「肩」が痛い場合。
肩をやみくもに動かすのではなく、肩を動かす際の固定源である「腹筋」がきちんと働いているかどうかを確認します。
腹筋の働きが弱くて肩が上がらないと判断した場合は、座ってゆっくり足踏みをして…というような遠隔的な腹筋のトレーニングをすすめていきます。

また腰痛がある方も同様です。
痛みのある腰を動かすことは難しいので、痛みの出ない範囲で「座って足踏み」を行ってもらい、腹筋や背筋のトレーニングをすすめていきます。

『足踏みによる腹筋トレーニング』はリハビリでは一般的です。
今回は、そのトレーニングに一工夫するだけで、さらに腹筋の活動が高まる!という論文を紹介したいと思います(^^)

松戸整形外科:野邊先生の論文です。
国際学会でも発表されています。
この論文の指導をしている松戸整形外科の整形外科医:安宅先生には、日頃よりご指導頂き、学会でも大変お世話になっております(ボク)。安宅先生の指導の論文なので、臨床的&有益(流石!!)です\(^o^)/

それでは……

《対象》
・健常成人 10 名(♂9名・♀1名)
・平均年齢 24.9歳

《方法》
・4つの足上げ運動をしてもらう(写真参照)
・その際、腹筋のはたらきを筋電図にて計測。
・座っているとき(安静時)の筋活動を基準
・ももをあげた時、両手&ももをあげた時を比較。

《結果》
・腹筋が一番働いたのは、両手をあげながら腿上げをした時。
・ももを上げた側の腹筋が働く。
例)左ももを上げた場合、左側の腹筋が働きます。写真のEx②になります。
◎もも上げしている時の背筋の活動は、座っている時よりも下がった↘️そうです。*\0/*

「座ってももを上げるだけ」で腹筋の筋トレになります♫
しかも!この筋トレは日常生活で必要な腹筋の働きなので、より効果的だと思います(^^)
さらに!!この運動に「両手を上げる」という動作を付け加えるだけで、より腹筋のトレーニングの効果が上がる!!!

自宅ですぐにできる、手軽に始められるという点もいいですよね♫

今回の論文を読んでいて面白いと思ったのは、「この運動をしている時、背筋の緊張が緩む」ということです。
腰痛の方は背筋の緊張が高くなると言われています。 そういった方には、背筋の緊張をとる効果的な筋トレになると思います(^^)

松戸整形外科では腰の手術をした患者さんに対して、今回紹介した運動を行っているそうです。
まずは腿上げ、慣れてきたら両手も上げて…と腹筋のトレーニングに最適だと思いますので、是非お試し下さい♪♫

引用
野邊 和泉ら, 当院での腰椎術後エクササイズ動作における体幹筋活動の電気生理学的検討―両上肢挙上が下肢運動時の体幹筋活動に及ぼす影響― J. Spine Res. 12: 870-874, 2021

 

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第3回運動器理学療法超音波フォーラムのシンポジウムで発表させていただきました^^

みなさま、こんにちは\(^o^)/

昨日、『第3回 運動器理学療法超音波フォーラム』のシンポジウムで発表させていただきました^^

なんと参加者が約460名!
それだけ”超音波(エコー)”に興味がある理学療法士が大勢いる、ということですよね♪
当院でも数年前からエコーを導入し、リハビリ診療に役立ています。

ボクの発表は、千葉大学大学院時の”基礎研究”についてをまとめたものです。当時は、将来このようなファーラムでシンポジストとして発表できるなんて夢にも思っていなかったので、素直にうれしかったです♪
このような素晴らしいフォーラムで発表する機会を与えていただいた関係者の先生方に、深謝いたします。

オンラインでの発表でしたが、シンポジウムの参加人数を確認して……ビクビクしてしまいました。。
そして、ボクの発表は最後から2番目でした。。。
他の先生方の発表・スライドのレベルが高かったので、聴講して「すごいな〜!」と思う一方で、どんどんプレッシャーが大きくなり「大丈夫かな……」と、心配もそれに比例して大きくなりました( ̄  ̄)
#発表を終えて少しお腹が痛くなりました。。。

超音波を駆使してリハビリをしている先生方の熱意は高く、とくに特別講演の横浜市立大学整形外科:宮武和馬先生のプレゼンは圧巻でした!
「明日から頑張ろう!」と思える内容で、元気が出ました(^^)

ボクは、定期的に研究会・学会・勉強会に参加することで仕事のモチベーションが上がるタイプなので、これからもそれらで得た「最新」の情報を、当院でのリハ診療に応用していきたいと思っています♫

最後に、今回の発表にあたり当院の大森先生、豊岡先生、武田先生そして院長先生、ご指導いただきありがとうございました。

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