ばね指のリハビリテーションはありますか?

  • はい、あります。

ばね指とは?

指を曲げ伸ばしする時には腱が働きます。手にはたくさんの指を曲げる腱がありますがその腱が効率よく働くように要所要所に腱を収める鞘(さや)があります。指は体の中でも使用頻度が多い部分です。指を曲げる腱が何回もこの鞘を行き来きします。腱と鞘には摩擦が起き次第に腱鞘炎が起きてきます。

腱鞘炎が起きると腱自体も膨らんでしまい鞘のスペースよりも膨らんだ腱の方が大きくなります。このため指を曲げ伸ばしの時に鞘のところで膨らんだ腱が引っかかります。指を曲げた時に引っかかるので伸ばそうとすると引っかかりが取れた瞬間ビュンと指が伸びます。これがバネのような感じたのでばね指と言います。 引っかかりだけではなく痛みも伴うのが特徴です。痛い部分は腱鞘のところが炎症してるからと考えられます。また男性に比べて女性が多いのでこれについては女性特有のホルモンの影響なども関係しているかもしれません。

  • ばね指に対するリハビリテーション

痛みに対しては、痛みがひどくてズキズキする場合は寒冷療法と言ってアイスパックや氷などで冷やします。しかし多くの患者さんは慢性的に痛みが続いているので、このような場合は温熱療法を使って痛みを対処することが多いです。温めると痛みを感じるセンサーの反応が遅くなり、痛みが感じにくくなります。また、腱や腱鞘が炎症しているのですが、炎症は本来治ろうとするために起こっていますが、治りかけの際に、使用頻度が高い指は動かすことが多く炎症が治りにくくなっています。治りが途中で止まっているので なかなか痛みが取れません。このような場合も温熱療法を行うことで組織の修復が止まっている部分に血流を増加させて組織を治すのを手助けしてくれます。寒冷療法ですと炎症止めてしまいますので、ズキズキして熱を持っている状態ではなければ、温熱療法の方が効果的と考えられます。

しかし指は使用頻度が高いので痛みがなかなか治りません。これは炎症を繰り返すために痛めた組織の中に痛みを感じる神経が入り込んでしまうためとも言われています。温熱療法で対処できない場合は、圧力波で治療すると痛みを軽減できると報告されています(1)。 圧力波は体外衝撃波の(結石を体の外から壊す治療)100分の1程度の力です。力が弱いので整形外科の病気の痛みの治療に応用されています。我々理学療法士も扱うことができます。欧州では10年以上前からある治療で、数年前に日本でも認可が取れた治療器です。しかし、痛みに対ししては効果的ですが、引っかかりについては言及されていません(1)。

  • ばね指の引っかかりに対するリハビリテーション

痛みに対しても効果的ですが、ひっかりに対してはストレッチが有効と言われています。方法は、バネ指が起きている指を、逆方向に伸ばします。勢いよく伸ばさず、ゆっくりと気持ちがいい範囲で10秒ほどストレッチしてみてください。

また、積み木のようなもを指全体で握るとばね指が起きている腱鞘が腱の力によりストレッチされます。こちらのストレッチも有効とのことです(1)。

ばね指の痛みと引っかかり対するリハビリテーションを紹介しました。ばね指が起こると他の指もなる可能性があるので日頃からもストレッチを行うと予防になります。ばね指でお困りの方、ストレッチはできますのでぜひお試しください。圧力波の治療機器がある施設は日本にはまだ少ないのが現状です…

 

(1) Malliaropoulos et al. Radial extracorporeal shockwave therapy for the treatment of finger tenosynovitis (triggerdigit).  Open Access Journal of Sports Medicine

(2)岩倉菜穂子,村田泰章,加藤義治  千葉有希子 徳永 進

ばね指に対するストレッチの効果: ストレッチ, ステロイド注射およびその併用の無作為前向き研究  第1322回千葉医学会例会・整形外科例会

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運動をする前の準備体操は必要ですか?

はい、必要です。特に寒い季節はより準備体操は必要です。

寒い日、急に走ると筋肉が思うように動かない、関節がギシギシする、痛いなど経験したことがあると思います。走る前には、急には走らないで無意識に体を動かし易いところからゆっくり動かすと思います。これは筋肉を動かすことによって体の温度をあげるために行います。

 

1度温度が上昇すると、体の血の流れはよくなるそうです。また組織の代謝がよくなると言われています。2度上昇しますと筋肉の緊張が取れ、運動神経の伝導速度が増す(運動神経が働き易くなる)そうです。3から4度上昇すると腱や関節包(関節を取り巻く組織でこの部分が硬くなると関節が硬くなる)が柔らかくなると言われています。

 

このことから、準備体操は、筋肉や関節を温める効果があり、運動のしやすさや怪我の予防にもつながります。また、筋肉が張って出る痛みも運動によって軽減する可能性があります。少し運動すると体が軽くなったり、筋肉が凝った感じが取れるのはこのためです。

 

リハビリテーションは、温熱作用の力を存分に使います。リハビリテーションには、徒手療法(理学療法士が手を使って筋肉を動かしたり、関節を動かしたりする方法)と運動療法(患者さんが運動をすることにより筋力を上げたり、体の柔軟性を上げたりして治療していく方法)、物理療法(物理的に体を温めたり、電気を流したり、冷やしたりする治療法)があります。徒手療法や運動療法は、関節や筋肉を治療していくので、その前にホットパックといる温かいパックを患部に当てて、筋肉や関節の柔軟性を出した後、徒手療法や運動療法を行います。治療の前の準備体操になるのがこの温熱療法です。

 

また、五十肩など関節や筋肉が痛みによって動かなくなるため硬くなる現象が起こります。このような場合、理学療法士は筋肉を伸ばしたり関節を動かしたりするのですが、硬くなっている部分は体の表面だけではなく深いところの筋肉や間も硬くなっています。これらを温めるためにはホットパックだけでは役不足です。体の深いところを温めないと、そこを伸ばすには無理がかかるので、このような場合は超音波治療を使い体の3センチから5センチ奥までも温める治療を行います。温めながらや温め終わった後に関節や筋肉をゆっくりストレッチしてあげると痛みを出さずに 関節の動きを出すことができます。

 

五十肩で周りの人から動かさないと硬くなると言われて、痛みをこらえて自分で動かしてしまう方がいらっしゃいますが、無理に動かすのではなくしっかりと周りの筋肉や中の関節を温めた後、痛みのない範囲で動かしてあげることが安全です。しかしなかなか奥の組織までは温められませんので整形外科で超音波治療を併用しながら関節を動かすリハビリを行うと効果的と思います。

 

整形外科は、痛みや骨折の後など関節が硬くなる患者さんが多くいらっしゃいます。そのような場合、温熱療法による準備運動をしっかり行いながらリハビリテーションを行っています。硬くなった組織は動かさないといけませんが痛みを出さないようにより効果的に筋肉や関節を動かせるようにするのが大切です。

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足がつったらどうするの?

『足がつる』あるいは『こむら返り』という症状があります。状態は本人の意思とは関係なく筋肉が働いてしまうことです。しかも厄介なことに抑えきれないほどに筋肉が収縮してしまいます。足がつることは 一度は経験したことがあると思います。私も経験ありますが、痛すぎます。

 

なんで足がつるの?

筋肉は疲労などにより過敏な状態になると足をつる可能性も高くなります。例えばスポーツでサッカーやラグビーなどで足がつるなどが良い例です。

熱中症の症状の一つに入る熱けいれんなども足がつる原因になります。 これは脱水が原因と言われています。

中年や高齢者に起こる寝てる時の足のつりも 、お酒を飲んでアルコールによる利尿作用から脱水状態が影響しているようです。

 

足がつった時のの対処方法

スポーツ選手が足をつった時の光景を見たことあると思います。チームのトレーナーがつった選手の所に向かい、つってる筋肉をゆっくりと逆方向に伸ばします。この方法は、おそらく自分がつった時に本能的に行う動作ではないでしょうか。足がつっている状態は、頭からの指令でいつもコントロールされている筋肉が、勝手に興奮している状態です。その興奮を抑えるには、急激なストレッチではなくゆっくりとしたストレッチを行いましょう。ゆっくりストレッチは、腱の中にある興奮を抑えるセンサーが働き、つっている筋肉の興奮を抑えることができます。

ここで注意したいのはゆっくりとストレッチしていくことです。もしも急激にストレッチをした場合は、つっている筋肉の中にあるセンサーが興奮し筋肉を働かせてしまいます。足を つっている人を見て焦って急激に筋肉をストレッチしないよう注意して下さい。筋肉を痛めてしまう可能性もあります。

脱水症状などで足をつる場合は、水分補給などを行いながら、つってしまった筋肉の対応はゆっくり伸ばしてあげるが今のところ適切な対応と考えられています。 これから暑くなります。水分補給をしっかり行い足がつらないようにご注意ください。

*中高年以上の方で、腰にヘルニアがあったり、脊柱管狭窄症などがあって神経痛などが出ている方は、 神経の圧迫により足がつることがあります。 筋疲労がなかったり脱水症状なども考えられない場合は、一度整形外科でご相談していただくのも良いかと思います。

参考文献

「筋けいれん」の原因と対策

奥脇透 – Sportsmedicine, 2008 – ci.nii.ac.jp

ストレッチはどのくらい行えばいいでしょうか?

患者さんからよくある質問です^^

ストレッチはどの程度行えばいいのですか??

今回は、ももの裏の筋肉(ハムストリングス)の柔軟性についてまとめます。

ももの裏の筋肉は硬くなり易い筋肉です。この筋肉が硬くなると腰痛にも関係すると言われています。腰痛だけではなく、陸上選手やサッカー選手は肉離れを起こしてしまう筋肉でもあります。筋肉は、表裏があるので、ももの裏の筋肉が硬くなると、ももの表の筋肉(大腿四頭筋)も余計に頑張らないといけなく結果、硬くなってしまいます。どちらが先かは断定できませんが、足の筋肉の中では両方とも硬くなりやすいと言われています。

ストレッチを行う前に、どれくらい体が硬いのか?を確認することをお薦めします。方法は、立って体を前に倒し両手が床からどれくらいつくかどうか?床から手先の長さを計測しましょう。硬い人では(例:筆者)床から手先までの距離が20センチもあります。計測が面倒な方は、写真撮影をお薦めします。とにかくストレッチを始める前に計測してみてください。

さてこのももの裏のストレッチはいろいろな方法があります。基本的なものは、椅子に座ってストレッチする側の足を伸ばし、体を前に倒す。だけです。スポーツ選手がグランドで伸ばしているあの方法です。両足10秒を5セットずつ行ってみてください。先ほどの床と手先までの距離が縮まると思います。すぐ戻りますが。。。即時的によくなるのを体感したらぜひ継続してみてください。

もう一つ、特に学生の子にお薦めのストレッチです、これは徳島大学の整形外科医の西良先生が紹介しているジャックナイフストレッチです1)。方法は、しゃがんだ状態で、両足首を両手で把持して、ももの前と胸をなるべくつけながら両膝を伸ばしていきお尻を上げていきます。ももの裏を伸ばすのですが、ポイントは膝を伸ばそうとするところです。膝を伸ばそうとすると、ももの裏の筋肉は伸びようとします。この筋肉の特性を利用したストレッチになります。効果的です^^5秒間伸ばした状態で保持、それを5セット、1日2回(朝と晩)。これで4週間行うと、なんと先ほどの柔軟性テストで10センチ以上の改善がみられるとのことです。

ジャックナイフストレッチがきついという方は、基本的なももの裏のストレッチでも効果が出ます。でも毎日続けてまずは4週間続けると結果は出ると思います。自分は体が硬いからと諦めずに、柔軟性テストで状態を把握→ストレッチの継続→柔軟性テスト で効果を実感!が重要です。

リハビリテーションは評価(テスト)から始まり、問題点を見つけ出し、治療に取り組む医療です。いい体操だけを行うのではなくしっかり現状把握の評価が大切だと思います。モチベーションを維持するにはどれくらいよくなったかな?を患者さんが把握することが一番です。

僕もストレッチはじめます。。。

引用文献

1) Sairyo K, Kawamura T, Mase Y, et al. Jack-knife stretching promotes flexibility of tight hamstrings after 4 weeks: a pilot study. Eur J Orthop Surg Traumatol 2013;23:657-63.

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