腰痛は腰を温めると効果的?!

温熱療法のススメ:腰痛を和らげるよくあるのあの手法とは?

こんにちは、いつもブログを読んでいただきありがとうございます^^
今日は腰痛に悩むみなさんにぜひ知ってほしい、「温熱療法」の効果についてお話しします。この方法、実は医学的にも効果が立証されているんです。


温熱療法って何?

「温熱療法」と聞いて、「え、ただ温めるだけでしょ?」と思ってしまいますし、確かにに温めるだけ…なのですが、これが腰痛に対して効果的なんです。特に注目されているのが 「温熱パック療法 **当院でも行っているお湯につけて保温した特殊のパックをタオルに巻いて患部にあてるものです」 という手法。この方法、痛みを和らげるだけでなく、筋肉の柔軟性をアップさせ、体の動きもスムーズにしてくれます。


温熱療法の主な効果

① 痛みの軽減

温熱療法は、急性腰痛の救世主!例えば、 ホットパックを使うと、痛みがじわじわと和らいでいく感覚を実感できます。さらに、ただのプラセボ(いわゆる思い込み効果)ではなく、しっかりとした科学的な根拠に基づいているので安心してください。急性腰痛でお悩みの方は、まずこれを試してみる価値があります。

② 筋肉の柔軟性&機能の改善

「朝起きたら背中がガチガチ…」なんてこと、ありませんか?温熱療法を活用すると、筋肉の硬直がほぐれて柔らかくなり、動きやすさも向上します。特に 運動療法 と組み合わせると、効果が上がります!言ってみれば、温熱療法はストレッチの効果をブーストしてくれる秘密兵器みたいなものなんです。

③ 障害の軽減

腰痛がひどいと日常生活に支障をきたしますよね。温熱療法は、その「生活のやりづらさ」すら軽くしてくれるんです。これも嬉しい効果ですよね。


どの温熱療法を選べばいいの?

温熱療法にもいろいろ種類があります。それぞれの特徴をざっくり解説します!

  1. ホットパック療法
    → 急性腰痛や亜急性腰痛にぴったり。短期間で痛みが軽減します。
  2. 温熱療法をしながらのマッサージ
    → 気持ちよくリラックスしたい人向け。自律神経や気分改善にも効果があり、ストレス解消にも最適です。
  3. 高温パルス熱療法 *これは当院にもある特殊なリハビリの機器になります
    → 慢性的な腰痛で悩んでいる人はこちら。持続的な熱療法よりも鎮痛効果が高いとされています。

まとめ:温めるだけでここまで変わる!

温熱療法は、「まずは温めるか」という気軽な方法でありながら、医学的にもしっかり裏付けが取れた優れものです。痛みの軽減、筋肉の柔軟性向上、さらには日常生活の質の向上まで、いいことずくめ!さらに、運動療法と組み合わせれば効果も上がります。

腰痛で悩んでいる皆様、温熱療法を取り入れてみてください。最近は、気温もだいぶ下がってきました。貼るホッカイロを患部にあてるのも効果的だと思いいます*低温やけどだけには気をつけてください。

それではまた次回^^

参考文献
1 Nadler, S., Steiner, D., Erasala, G., Hengehold, D., Abeln, S., & Weingand, K. (2003). Continuous low-level heatwrap therapy for treating acute nonspecific low back pain.. Archives of physical medicine and rehabilitation, 84 3, 329-34 . https://doi.org/10.1053/APMR.2003.50102.

2 French, S., Cameron, M., Walker, B., Reggars, J., & Esterman, A. (2004). Superficial heat or cold for low back pain.. The Cochrane database of systematic reviews, 1, CD004750 . https://doi.org/10.1002/14651858.CD004750.PUB2.

3 Mayer, J., Ralph, L., Look, M., Erasala, G., Verna, J., Matheson, L., & Mooney, V. (2005). Treating acute low back pain with continuous low-level heat wrap therapy and/or exercise: a randomized controlled trial.. The spine journal : official journal of the North American Spine Society, 5 4, 395-403 . https://doi.org/10.1016/J.SPINEE.2005.03.009.

4 Mayer, J., Mooney, V., Matheson, L., Erasala, G., Verna, J., Udermann, B., & Leggett, S. (2006). Continuous low-level heat wrap therapy for the prevention and early phase treatment of delayed-onset muscle soreness of the low back: a randomized controlled trial.. Archives of physical medicine and rehabilitation, 87 10, 1310-7 . https://doi.org/10.1016/J.APMR.2006.07.259.

5 Chabal, C., Dunbar, P., Painter, I., Young, D., & Chabal, D. (2020). Properties of Thermal Analgesia in a Human Chronic Low Back Pain Model. Journal of Pain Research, 13, 2083 – 2092. https://doi.org/10.2147/JPR.S260967.

 

第32回日本腰痛学会でシンポジウムで発表しました

みなさま、いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

先週開催された第32回日本腰痛学会のシンポジウム(テーマ:腰痛とスポーツ)にて、シンポジストとして発表をさせていただきました。私は、発育期腰椎分離症についてお話ししました。会場は幕張メッセの学会場の最大のホールで、緊張しましたが無事に発表を終えることができました。

多くの医師や理学療法士の方々に参加していただき、質問もたくさんいただきました。このことから、スポーツにおける腰部障害への関心の高さを感じました。発育期腰椎分離症は、腰痛を主訴とする腰椎の疲労骨折として知られています。特に、スポーツに励む小学生や高校生に多く見られる腰痛です。MRI検査なしでは診断が難しいため、見逃されることが多い腰痛でもあります。最近の報告によれば、足の疲労骨折よりも3倍も多く発生しているとも言われ、当院でも多くの患者さんを対応しています。

私が腰痛学会で初めて発表したのは15年前、その時も発育期腰椎分離症についてでした。しかし、その頃はまだこの疾患はメジャーではなく、発表数も少なかったのです。今では、発育期腰椎分離症に関するセッションやシンポジウムも組まれるほど認知度が高まっています。これは、多くの患者さんがこの病気で困っている現状を反映しています。

早期診断と適切な治療が非常に重要な疾患ですので、これからも学会での発表を通じて最新の知見を得て、日々の患者さんへ還元できるよう努力していきます。

また、今回当院から理学療法士の石崎先生と東宮先生も発表しました。石崎先生はジャックナイフストレッチという特殊なストレッチの効果について、東宮先生はModic change(中高年に多い腰痛の方の背骨の形の特徴)についてお話ししました。2名とも素晴らしい発表を行い、質疑応答も充実していました。

さらに、5月に一緒に国際学会でスイスに行った武田先生も、京都で肩関節学会に参加し発表してきました。後輩たちの活躍をとても嬉しく思います^^

臨床も大切ですが、そこで得られた知見を学会で発表し、未来の患者さんのリハビリに生かすことが重要だと考えています。これからも西川整形外科から国内外に発信できるよう、スタッフ一同頑張ります。

 

 

 

足くびの動きがかたい方、このマッサージをしてみてください

来月のセミナーを開催するのですが、3分程度の冒頭の挨拶の練習に1時間半もかけてしまいました。。。
#中身を作りなさい!
#緊張してます

今日は、足くびの動きがかたい方、このマッサージをしてみてください!という内容です^^

足首の捻挫をした後、足首の動きが硬くなる時があります。特につま先を上に上げる動きが硬くなることがあります。この動きを専門用語で背屈(はいくつ)といいます。
つま先を上に上げる動きができなくなるとしゃがみづらかったり階段を降りる時に違和感を感じたりします。しかしよくよくこの角度を見ないと自分の足首が硬くなっているかがわからないので放置されてしまうこともあります。例えば足首の捻挫をすると靭帯を痛めたり関節の中に水が溜まったりしますので動きが悪くなりますまた治療の際に足首を何日間も固定する場合がありますのでその影響で足首自体が硬くなることがあります。

このような状況が起こると つま先を上に上げる動作が硬くなり、日常生活に負担がかかってきます。今回は当院の大森先生がこのような足首の硬さに対して有効な足首のマッサージを紹介した論文をお伝えいたします。

足首を動かすためには足の腱の動きが必要です。有名なのがアキレス腱ですね。アキレス腱はつま先を下げる運動をする腱です。 逆につま先をあげる腱も存在します、これが今回の主役の腱です。つま先を上げる腱は4つあり(前脛骨筋、長母趾伸筋腱、長趾伸筋腱、第3腓骨筋)足首の前を通ります。つま先が上がる時に腱がうごくのですが、その件の下に脂肪組織が存在します。(専門用語で距骨前脂肪体)役割は座布団のようなもので腱が動く時にクッション材になってくれます。 しかし足首の捻挫などの怪我をするとここの脂肪組織が硬くなると言われています。 クッションが硬くなるので腱の動きが悪くなり結果、つま先を上に上げる動作がしづらくなります。

捻挫後に足首が硬くなる人がいるのですが固いからと言って無理やりストレッチしてしまうことが多いと思います。しかしクッション材である脂肪の動きを良くしてあげると足首の動きが改善すると言われています。
その 脂肪組織をマッサージする方法が下の写真の方法です。ご自分で簡単にできる方法で無理なストレッチと違って安全ですので足首が硬いなしゃがみがちょっと悪いなぁと思う方は試してみるといいかもしれません。もちろん捻挫してすぐのかたはやめてください捻挫して時間が経って歩くこともできるのですがなぜか足首が硬くて違和感を感じる方にはいいマッサージ方法だと思います。

両方のおやゆびで足くびのまえをマッサージしてみてください

ちょっと専門的な話です、ここの脂肪体ですが、エコーで実際のうごきを確認することができます。足くびの動きがかたい方は、まずはマッサージをしてみるのもいいですが、リハビリなどに通院していてもしもエコーがあれば確認してもらうのもいいと思います。エコーを使うことによって今までは見えなかった体のなかの状態が確認することでできます。すごい時代になってきました。リハビリもエコーをつかいながら患者さんとどの組織がかたいか?動きがわるいか?を確認する時代があたりまえになってきそうです。

今回、紹介したマッサージは安全で誰でもできますので、しゃがみづらいとか階段で足くびに違和感が出るかたがいたら試してみてください。マッサージは安全ですが、無理やりしゃがんだりしないでくださいね。

引用 大森康高ら「下腿ー足関節周囲のスポーツ外傷・障害に対する超音波を用いたアプローチ」臨床スポーツ医学 2021年11月

※セミナーのご案内!!※
西川整形外科では、「リハビリテーション研究会」を定期的に開催しています♪
普段は院外の先生に講演をしていただいているのですが、今回は「ボク」が発表することになりました!
タイトルは
『発育期腰椎分離症の評価とリハビリテーション』です。
・医療従事者向けの勉強会になります♫
・まさかの「ハズレ回」にならないよう、只今念入りに準備中です!
・12月19日、年末の忙しい時期ですが、当日参加できなくてもアーカイブで後日視聴できるようにしますので、ご興味のある方はぜひお越しください♫案内を添付させていただきます^^
セミナー案内:https://peatix.com/event/3052958
紹介ブログ:http://pain-physio.net/seminer/

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^^https://twitter.com/shiro_sugiura

 

腰に痛みがある方の背骨は硬い !

担当患者さんが理学療法士を目指すと聞いて妙にテンションが上がり最近の理学療法士の学校情報を収集しています                                      #昔より理学療法士を目指す子が増えている気がします                      #頑張って

さて今回は、
《 腰に痛みがある方の背骨は硬い ! 》です。

当たり前でしょ〜、と思う方もいるかもしれませんね。
ネット検索すれば直ぐにわかりそうな事ですが、しっかりと調査された論文があったので紹介したいと思います♪(1)

体のどの部位でも、「痛みが出る→筋肉が硬くなる」という現象が起こります。
これは痛めたところを守るため、予め体に備わっている防御反応です。
痛めた部位を動かし続けると、さらなる痛みにつながってしまいます。そこで、筋肉が働いて動かないようにしてくれているのです。#人ってすごい
筋肉が硬くなると、当然関節の動きも悪くなります。

今回は、
『腰痛症で腰に痛みがあると、背骨の関節は硬くなる??』

《対象》
・22名(男性12名、女性10名)
・平均年齢42.8歳

《方法》
・2グループに分ける
①腰痛がない、もしくは時々あるグループ
②腰痛がよく起こる、いつも感じているグループ

・腰の硬さをテストする特殊な測定器で、背骨の腰の部分の硬さ確認。

《結果》
①と比較して、②は腰の部分(背骨)が硬くなっていた!

当然の結果ともいえますが、キチンと実験・調査しているので、信用出来る情報ですよね♫

リハビリの現場でも、腰痛のある方の背骨は硬い印象はあったのですが、今回の論文の結果をみて「やっぱりね〜」と納得しました。

しかし、腰痛が少し落ち着いても、まだ背骨の動きが硬いケースもあります(+_+)

「背骨」は首から腰までで24個もあります。#かなり多いです この24個の骨が連なり、背骨の関節を作ることで、滑らかな動きを可能にしているのです。#蛇のあのおもちゃを思い浮かべてください! このため関節が硬くなると、滑らかな動きが難しくなるので、結果として腰を痛めてしまうのです(T_T)#腰痛再発です

腰痛時は腰を守ろうと関節の動きは硬くなります。ですが、腰痛が改善したら硬くなった「背骨」の柔軟性をリハビリで取り戻して、「目指せ!腰痛の再発予防!!」です^_^

引用

Christopher J. Colloca, DC et al., Stiffness and neuromuscular reflex response of the human spine to posteroanterior manipulative thrusts in patients with low back pain

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11677547/

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^^https://twitter.com/shiro_sugiura

○ブログランキング参加しています、もしもよろしければ下のリンクのクリックをお願いします^^#どの項目もランキングが低いんです… #それは記事のせいかも…

にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ チーム医療・専門医療職へPVアクセスランキング にほんブログ村