『変形性膝関節症のレントゲン画像です^^』

「父の日」に次女から手紙もらったのですが、「父の日おめでとう」と書いてありました(^_^;)
#還暦とかと間違えてる??

今回は変形性膝関節症のお話です♪

膝が痛い方の中で「変形性膝関節症」の痛みに困っている方もいるかと想います。

変形性関節症は、膝の軟骨がすり減ってしまう病気でそのまま負担をかけつづけると関節が変形してしまいます。

変形の初期の段階では、立ち上がりや歩き始めなどの運動開始時の痛みが主ですが、進行すると運動時はつねに痛みを感じたり、膝の曲げ伸ばしが困難になります。

「なんだか最近、膝が伸びない…」「正座が辛くなった」などの症状がでてきます。

治療は、痛み止めの薬やヒアルロン酸を関節内に注射、そして食事療法をふくめたリハビリテーションが推奨されています。

これらの治療をしてもなかなか症状が改善しない場合や、変形の度合いが強い場合は、膝関節を人工関節に変える手術をすることもあります。

今回は、レントゲンで変形性膝関節症の重症度を評価する『Kellgren-Lawrence分類(レントゲンで正常から重症までを示したもの)』を紹介していきたいと思います(1)♫

写真がKellgren-Lawrence分類で、右膝を前からうつした写真です。

 

写真左から

・グレード0、1:これは正常のレントゲン

・グレード2:骨棘(こつきょく)といって矢印のところがとがってくる

・グレード3:関節の隙間がせまくなる

・グレード4:関節の隙間はなくなり変形が強い状態

グレード2以上がレントゲン上で変形性膝関節症と診断されます。グレード3以上や、注射やリハビリを6ヶ月以上続けても効果がでないときなどは手術を提案されることもあります。ただグレード3の方でもリハビリをがんばって続けていて、手術をしない方もいます。

「膝が痛い…」と感じている方は、整形外科でレントゲンをとり、適切な治療を開始することが大切になります♪♫\(^o^)/

引用文献
健康スポーツ医学実践ガイド 多職種連携のすゝめ 文光堂 2022
石橋先生 膝関節障害

 

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中高年の『膝の激痛』!要注意!!

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です。
僕の娘(高2)が、現在部活動で腰を痛め当院を受診していて、同僚の大森先生に診てもらっています♪
…先日練習試合前に娘から、「テーピングして」と頼まれたので貼ったら、「大森先生とやり方違うんだけど…」と言われ、複雑な気持ちになってしまいました(T_T)
#僕よりも大森先生を信頼している #確かに大森先生は優秀

さて今回は、「中高年の膝の痛み」について話していきます。

中高年層で多い膝の障害は、「変形性膝関節症」です。耳にした事がある方もいるかと思いますが、中高年になると膝の軟骨がすり減り、骨に負担がかかります。それが続くと、骨が変形してくる。これが「変形性関節症」です。どの関節にも起こりえることですが、特に体重のかかる「膝」や「股関節」は変形性関節症が起きやすい部位になります。

「中高年の膝の障害=変形性膝関節症」と言っても過言ではありません。

しかし最近、半月板の後ろの部分を切ってしまう「半月板後根断裂」という病気がわかってきました。昔からある病気なのですが、昨今MRI検査が多く行われるようになったことで、「痛めた部分が確認できるようになった」という事です。
#MRIなどの精密検査は本当に大切

「半月板後根断裂」がおこると、膝に激痛が出ます。ただ(中高年層は)レントゲンだけだと、「関節が変形しているのでそのためでしょう」などと言われがちです(+_+)
変形性関節症は急激に痛めたり変形するわけではないので、「急に痛みが出たということは、違うところを痛めたのかも?」と思っても差し支えないと思います。
半月板後根断裂は、階段の昇降時や一歩足を出した時などの、軽微な動作で痛めることが多いようです。患者さんの中には、ちょっと走った、スキップをした瞬間にズキっと痛めた、という方もいらっしゃいます。

今回は当院の理学療法士(設楽航平)が、この半月板後根断裂患者さんの症状を調査・研究したものを紹介します。#とてもいい研究でこの症状があったらMRIを撮ったほういい!といった研究です

《対象》
・当院でMRI検査をした108名
・内側半月板損傷と診断された方
(#内側の半月板損傷のほうが多いです)
内訳は…
・内側半月板後根断裂(内側の半月板の後ろを切ってしまった)28名(男性3名、女性25名)
・平均年齢は62.5歳
#女性が多いのが特徴ですね #年齢もこれくらいの患者さんが多いです
・その他(80名)は半月板内側の別の部分を傷めた方

《調査項目》
① 受傷機転があるか(外傷を負うに至った原因や経緯)
② 痛みの強さ
③ 膝の曲がり
④ 膝の伸び
⑤ 体重

《結果》
内側半月板後根断裂には、
① あり。#よく現場で聞くのは、階段を最後の一段を降りた時、や小走りしたりなどです。
あの動作から痛みが増した…というような、出来事があるのが特徴です。
② 他の半月板損傷患者さんよりもかなり強い。
③ 制限あり。
④⑤ その他の半月板損傷患者さんと変わりなし。

《まとめ》
内側半月板後根断裂患者さんには、痛めた原因をはっきりと認識できる出来事があり、そのあと急激に痛み出し、膝も曲げづらくなる。これらがサインになります。
#痛みが辛くて歩くにも杖を使わないと動けない方もいます

「何かした後で、急に膝が痛くなった」という方は、レントゲンだけでなくMRI検査も行い、是非半月板のチェックを!
「半月板損傷」というとスポーツ選手をイメージしがちですが、中高年でも痛めることがあるし、とても痛い時がある、と知っておいてください!!

内側半月板後根断裂だとわからずに放置にしてしまうと、クッション材(半月板)がない状態なので、膝の骨を痛めてしまう可能性が高くなります(+_+)
『早期診断、早期治療!』が膝を守る上で重要になります♫
皆さま、お気をつけくださいませ(^_^)♪

設楽先生、今この研究についての論文を作成してます。ぜひ頑張ってもらいたいです。また論文化されたらご紹介します^^

以上、西川整形外科のリハ室からでした。

引用

設楽航平ら, 内側半月板後根断裂の臨床所見は受傷機転が明確で、痛みが強く、屈曲制限がある 第25ー26回千葉県理学療法学会より

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膝の痛い方へ➡️安全!簡単!!効果的!!!な体操紹介します♫

膝の痛みを訴える方は多いです(T_T)
その中でも「変形性膝関節症」の患者さんの割合が多いです。
「変形性膝関節症」→膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出る病気です。 病院でレントゲン撮影して、膝の関節が変形してますねと言われた方も多いのではないでしょうか?
診断を受けた方の中には筋力をつけるために「たくさん歩かないと!」「スクワットしないと!」と張り切ってしまう方がいます。しかし、歩行やスクワットは膝に体重がかかります。

《今回のポイント》は、
「 患者さんの状況により、体重をかけて行うトレーニングは症状を悪化させる可能性がある!」です。

患者さんの中には痛みが強くなってから来られる方も多いので、そのような場合にいきなり沢山歩いたり、スクワットはオススメできません。

しかし「筋力トレーニング」=「膝にとって重要」は事実です。

そこで今回は、
『膝に負担をかけない効果的なトレーニング ♪』を紹介します(^_^)

リハビリテーションの世界では古くから知られている方法、患者さんによく紹介するけど痛みが増すと聞かない方法、安全な方法……

それでは紹介していきます♫

① 足を床から10 cm上げたところで5秒間止める。
② その後ゆっくり足を降ろす
③ 2ー3秒間休む
④ ①〜③20回繰り返す
逆側の足も行ってください。
これだけです(^_^)

この体操を1ヶ月間続けると、膝の痛みやそれによる日常生活の不便さが改善すると報告されています!
しかも3ヶ月間行うとさらに効果↗️↗️!!

膝の痛みにはウォーキングやスクワットというイメージがあるようですが、 歩きすぎて余計痛みが増した(T_T)という声も聞きます。

今回紹介した『足上げ体操』、是非試してみてくださいね♫
しかしもしも…何もしていなくても膝が痛い方、 膝が痛くてこの体操をもできない方は、理学療法士に相談してみてください ね。
無理は禁物です。
リハビリの基本は『痛みがない範囲で続ける』です(^_^)

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人工膝関節にした後→その膝が曲がるかどうかは「〇〇〇の角度」次第!

➡➡逆の膝(手術していない側)の角度

整形外科に受診する患者さんの中でも、「変形性膝関節症」の割合は大きいです。

「変形性膝関節症」は、年齢とともに膝の軟骨がすり減り、膝の関節が変形してしまう病気です。変形するので痛みが出るだけでなく、膝が伸び・曲がりが悪くなるのが特徴です。症状が強くなると、日常生活動作(歩きづらくなる等々)が不自由になり、重症化すると手術(人工膝関節)をしなければならない場合もあります。

患者さんから、「人工関節にした場合、果たして膝は曲がるようになるのか?」と質問されることがあります。

これまで論文などでは、「手術後の関節の動きは、手術前の状況に応じて変わる」とされてきました。術前に膝が曲がりにくい場合は、手術をしても劇的にはよくならないと言われています。実際の臨床現場でもそのような印象を受けます(T_T)

今回紹介する論文は、

「手術をした膝の角度は、逆側の膝の角度と関係があるか?」

この論文は、僕の後輩理学療法士が見つけてくれました。患部と逆側の膝の角度を調べた報告はこれまで聞いたことがなかったので、興味深い内容でした♪

《対象》

・人工膝関節の手術を受けた59名。

《方法》

・術後4〜13ヶ月間、人工膝関節にしたの膝の動きと反対側の膝の動きの経過を調査。

《結果》

手術しない側の膝(曲がり)の角度が115度以上の場合は、人工関節にした膝の曲がりも良くなっていた!

この論文の著者は、「手術をしない側の膝が動くということは、手術の後も日常生活で動ける範囲が増えるはずなので、人工膝関節の動きの練習になっているのではないか」と考えています。

病院では人工膝関節の手術後にはトレーニング用の自転車(エアロバイク)を使ってリハビリをします。確かに逆側の膝が曲がりにくい場合は、トレーニング用の自転車に乗れないので、人工膝関節側を曲げるリハビリの頻度が少なくなってしまいます。

手術しない側も良好な状態に保つことが大切!ということですね♪

手術しない側の膝にも注目して、手術前後のリハビリに励んでいただければと思います(^_^)

引用

Robert R Burnham Jr et al. Does contralateral knee range of motion predict postoperative knee range of motion after total knee arthroplasty?

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32660574/

 

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