腰痛が軽くなると、腰の筋肉は柔らかくなる??

➡➡なるようです♫

腰痛に困っている方は大勢います。痛みで腰周りや背中の筋肉まで凝っていることがあります。
原因として、腰痛のために体を動かさないよう筋肉が緊張していると考えられます。
体内で痛み発生→筋肉が緊張→続くと筋肉が凝っている状態に。
厄介なことは、生活していく上で体を動かさなければいけないので、患部以外にまで緊張が広がることがあります。よく聞くのは、腰痛があったのですが、だんだん首まで張ってきた。。。膝が痛くてかばっていたら、腰まで張ってきた。。。等々(TT)

筋肉が凝ったままだと動きが硬くなり、別の部位を痛めてしまう可能性が高くなります。 自然災害で言う2次災害みたいなものが体にも起こります。
我々理学療法士は患部 (今回は腰)に対して治療を行いますが、腰だけではなく腰の周りの関節、筋肉なども評価し、二次的な痛みが出ないように治療していきます。

今回は、「腰痛の治療をしていくと腰周りの張りはどうなるか?」を検討した報告(1)があったので紹介します♪

3ヶ月以上続く慢性腰痛患者に対し、様々な治療(リハビリ)を行っています。
《治療内容》
① モビライゼーション(理学療法士が筋肉をしたり関節を動かしたりする治療)
② 腰部のインナーマッスルのトレーニング( 腹筋の深い層を、エコー画像を確認しながらトレーニングする方法。コアトレーニング)
③ 運動療法(筋力トレーニングやストレッチ)

《対象》
・各グループ約60名ずつ。8週間リハビリを行う。

《評価方法》
各グループのリハビリ開始前後の
・腰痛の程度
・背骨の硬さ(筋肉や関節を特殊な機器を使って測定)
・治療に対する満足度など

《結果》
・①〜③で腰痛は改善!!
・背骨の硬さ(腰回りの関節、筋肉の硬さ)も柔らかくなった!
・治療前に硬かったからといって、予後が良好かどうかは判断できない。

《まとめ》
・腰痛がある→腰の周りの筋肉は硬い。
・腰痛が改善してくる→筋肉は柔らかくなってくる 。

痛みが出るとその周りの筋肉が張ってきますが、 痛みが取れてくると柔らかくなります。
筋肉が柔らかくなってきたら、腰痛が改善の方向に向かっている可能性があります♪
腰痛が起こる前は周りの筋肉が張ってくる可能性があるので、普段の生活で腰を触って少し硬くなってるなと感じた人は、痛みのない範囲でストレッチなどを行い筋肉を緩めると、腰痛予防になると思います♫
「筋肉の硬さは腰からの訴え」!
皆様腰回りの張りご注意ください(^_^)

引用

(1)Manuela Loureiro Ferreira et al.Relationship between spinal stiffness and outcome in patients with chronic low back pain

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18164644

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〇〇筋がないと 1)腰が曲がる 2)腰痛 3)日常生活に影響を及ぼす(**)

答え:体幹筋(腹筋や背筋のこと)

年齢を重ねるにつれ、腰が曲がってしまう方がいます。
個人差はありますが、加齢による変化として仕方がないことでもあります。

ですが、腰が曲がることを気にしている方も少なくありません。また腰が曲がってくると、腰痛が出たり、歩くことが辛くなったり、視線が下がったりと日常生活にも影響が出てきます(*_*)

今回は、「腰が曲がってしまう要因」について調査した研究を紹介します(1)♫

《対象》…10施設間
・1738名(男性 781名、女性 957 名)
・平均年齢…70.2歳

《方法》
・体幹筋(腰、胸、背筋)と手足の筋肉量をinbodyという機器で測定。
・以下1〜5を調査し体幹筋量との関係をみる。
1. 体重と身長の関係(body mass index (BMI))
2. 腰痛が日常生活に及ぼす影響
3. 腰痛が生活の質に及ぼす影響
4. 腰痛の強さ
5. レントゲンによる背骨の曲がり具合

《結果》
体幹の筋肉の量は、2〜5と関係がある!!

《まとめ》
今回の調査は、「横断調査」(ある集団の一つの時期での判断をいう。対して縦断調査とは、一つの時期とその方の未来の時点でも調査すること)です。

そのため今回の結果からは、体幹筋が増えることで、背骨が伸びたり腰痛が減ったりするとは言えません。
しかし、体幹筋量が少ないと、背骨の曲がりがあったり、腰痛や生活の質が低下していることが確認されました。
体幹筋のトレーニング方法は、このブログでも以前紹介しているので、参考にしてください♪体幹筋を鍛えることは、将来に備えてやっておいた方が
いいと思います(^_^)

※ちなみに体幹筋量を測定したければ”inbody”(機器)がある病院などで!

引用

(1)Yusuke Hori  et al. ISSLS PRIZE IN CLINICAL SCIENCE 2019: clinical importance of trunk muscle mass for low back pain, spinal balance, and quality of life-a multicenter cross-sectional study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30729293/

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1年以内に腰痛が起こりやすい体の特徴《その3》

➡➡ももの裏の筋肉が硬い

腰痛の生涯有病率は84%とも言われています。腰痛を経験した方もこれまで多くいると思います。そして、何度も腰痛を繰り返される方も少なくないと思います。
今回(シリーズ3)は、どのような体の状況だと腰痛が起こりやすいかを調査した論文(114本)から紹介します。

12ヶ月間で腰痛が起こった方々の、体の特徴を調査しています。

調査項目
・腰の柔軟性
・ももの筋肉の柔軟性
・腰周りの筋力
・腰の骨の状態など

結果
ももの裏の筋肉が硬い→腰痛が起こしやすい!

ももの裏の筋肉を「ハムストリングス」と言います。このハムストリングスは、お尻から腿の裏を走っていて、 肉離れが多い箇所としても有名です。この筋肉が硬いと、お辞儀をした時にももの裏が突っ張ったりします。よく体が硬いね、と言われる方でここの筋肉が硬いことが多いです。

以前から腰痛の方は「ハムストリングスが硬い」と言われていました。
なぜか?→ハムストリングスは骨盤についている→筋肉が硬い→骨盤の動きを制限→ 骨盤の動きが制限→腰椎(腰の骨)の動きも制限→腰をそることが難しくなる→腰痛を引き起こす(*_*)

腰の反りが少ないと腰痛を起こす可能性が高くなります《その1》。今回お伝えした《その1》から《その3》は、1つでは問題がなくても、何かしらの形で繋がっていて症状を引き起こす、ということです。

リハビリではこれらの要因を少なくする取り組みが必要です。ですが、この特徴1〜3を覚えてもらい、自分の体をセルフチェックして、腰痛が起こる前に早めに対処すること!!これが一番の腰痛予防になると思います(^_^)

引用

Sean G Sadler et al., Restriction in lateral bending range of motion, lumbar lordosis, and hamstring flexibility predicts the development of low back pain: a systematic review of prospective cohort studies

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5418732/

(2)Adams MA, Mannion AF, Dolan P. Personal risk factors for first-time low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 1999;24(23):2497–505.

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1年以内に腰痛が起こりやすい体の特徴《その2》

1年以内に腰痛が起こりやすい体の特徴《その2》

➡➡腰の側屈(横まげ)が硬い

腰痛の生涯有病率は84%とも言われています。腰痛を経験した方も多くいると思います。そして、何度も腰痛を繰り返される方も少なくないと思います。

今回(シリーズ2回目)は、どのような体の状況だと腰痛が起こりやすいか、を論文(114本)調査した報告を紹介します。

それらの論文から12ヶ月間で腰痛が起こった方々の体の特徴を調査しています。

調査項目

・腰の柔軟性

・ももの筋肉の柔軟性

・腰周りの筋力

・腰の骨の状態など

結果

腰の側屈が固い→1年以内に腰痛→可能性:大!

腰の側屈とは……立った状態で、手を腿の外側につけて(起立の姿勢)、体を横に倒す。これが側屈です。

調査中(一年以内)に腰痛が起こった人は、この側屈の角度が硬かったとのことです。

《その1》で「腰の反りが少なくなると腰痛を起こしやすい」と紹介しました。

実はこの二つは共通点があって、腰の反りが少なくなったり側屈の角度が少なくなったりすると 、腰で受ける衝撃吸収能力が低下してしまうと言われています(2)。

ですから腰痛を起こしやすい特徴に、この2点が入っているのだと思います。

引用

(1)Sean G Sadler et al., Restriction in lateral bending range of motion, lumbar lordosis, and hamstring flexibility predicts the development of low back pain: a systematic review of prospective cohort studies

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5418732/

(2)Adams MA, Mannion AF, Dolan P. Personal risk factors for first-time low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 1999;24(23):2497–505.

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1年以内に腰痛が起こりやすい体の特徴《その1》

➡➡《その1》立っている時の腰の反り→少ない

腰痛の生涯有病率は84%とも言われています。これまでに腰痛を経験した方も多くいると思います。そして、何度も腰痛を繰り返される方も少なくないと思います。

今回は〈シリーズ 3回〉で、どのような体の状況だと腰痛が起こりやすいか、論文(114本)調査した報告を紹介します。

それらの論文を用い、12ヶ月間で腰痛が起こった方々の体の特徴を調査しています。

調査項目

・腰の柔軟性

・ももの筋肉の柔軟性

・腰周りの筋力

・腰の骨の状態など

結果

立っている→腰の反りが少ない→腰痛を起こしやすい!!

腰の反りが少ないとは…… 背骨は首(頸椎)、胸(胸椎)、そして腰(腰椎)で構成されています。

体を横から見ると、頚椎は若干前に反っていて、胸椎は逆に後ろに膨らんでいて、腰椎は前に反っています。S 字状になっているのが背骨の特徴です。

この腰椎の反っている部分が逆に反りがなくなっている状態、ちょっと腰が曲がったような状態の場合に腰痛を起こしやすいとのことです。

腰の反りが減少してしまう原因として様々なことが考えられます。例えば、背筋力の低下、 椎間板障害により椎間板が潰れてしまうことで反りが少なくなることもあります。

このような状態になると、腰を反らす時の動きが硬く感じられます。そのような時は、腰痛を起こす可能性が高いと思いますので、必要に応じて専門家に相談したほうよいと思います。

次回は《その2》について報告します。

*その3まであります(^_^)

引用

Sean G Sadler et al., Restriction in lateral bending range of motion, lumbar lordosis, and hamstring flexibility predicts the development of low back pain: a systematic review of prospective cohort studies

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5418732/

 

 

 

 

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