〇〇の位置に左右差があると、背骨の動きにも左右差が出てしまう(T_T)
➡➡「骨盤」
よく患者さんから「骨盤が歪んでますか?」「骨盤の高さが違いますか?」などの質問を受けます。
『歪む』という表現は、整形外科で使うことはほぼありません。なぜなら、レントゲンを診て実際の骨を観察すると、歪んでみえることは殆どないからです。
しかし、痛み(腰・股関節・足・膝など)をかばうために腰(背骨)曲げたりすることが多々あります。背骨と骨盤は繋がっているので、痛みをかばって腰や背中を丸めたり曲げたりすると、骨盤の左右の高さが変わったようにみえることがあります。
実際に骨盤の高さを左右で比較すると、どちらかが上がっていたりすることはよくあります。これは「歪んでいる」のではなく、「傾いている」という表現の方が合うのかもしれません。
臨床では「左右のバランスが崩れていますね。」とお伝えすることが多いです。
『骨盤の左右のバランスは、背骨の動きにどのように影響するのか?』を調査した報告があります。
気になっている方も多いかと思うので、紹介します♫
《対象》
・113人(20〜45歳)
・片側に腰痛がある・ない方
(論文では腰痛の有無で分けていて、それにより結果は変わりませんでした。今回は骨盤の左右差があるかないかだけで検討したものと考えて下さい)
《方法》
特殊な装置を用いて、
・骨盤の左右差(高さと横から見た傾きの左右差)
・腰椎(背骨の腰の高さの部分)、胸椎(背骨の胸の高さの部分)の動きを確認
・動きの確認は座った状態で、背骨の回旋(腰を回す動き)と側屈(背骨を横に曲げる動き)を評価
《結果》
・正面・横からみて骨盤の左右のどちらかが高いと、腰椎の回旋や側屈に左右差が起こる。
・骨盤の左右差が無ければ、腰椎の動きに左右差はない
《まとめ》
骨盤の左右のバランスが崩れているとその上の背骨の動きにも左右の差が生まれるということです。
以前このブログでも紹介しましたが、腰椎の側屈を制限していると、腰痛が出やすいとの論文がありました。http://pain-physio.net/1%e5%b9%b4%e4%bb%a5%e5%86%85%e3%81%ab%e8%85%b0%e7%97%9b%e3%81%8c%e8%b5%b7%e3%81%93%e3%82%8a%e3%82%84%e3%81%99%e3%81%84%e4%bd%93%e3%81%ae%e7%89%b9%e5%be%b4%e3%80%8a%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%92%e3%80%8b/
骨の大きさに左右差があることはあまりないので、骨盤の左右差には「筋肉のバランス」などが影響していると思われます。仰向けになると腰が浮いて違和感がある方などは注意が必要ですね。
理学療法士に早めの相談をオススメします(^_^)
引用
Einas Al-Eisa et al. Effects of pelvic skeletal asymmetry on trunk movement: three-dimensional analysis in healthy individuals versus patients with mechanical low back pain
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16449891/
西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/