『アキレス腱障害』のリハビリテーションって??
「アキレス腱障害」とは……
アキレス腱の周りが痛むこと。
スポーツ(マラソン・サッカー・バスケetc)選手や愛好家に多い障害で、痛くてもスポーツを続けてしまい、再発・悪化の悪循環が多くみられます。
安静にしていれば治りがいいものの、そうできずに治りが遅くなってしまう障害(*_*)でもあります。
=アキレス腱障害で足の関節が硬くなる?=
「アキレス腱が傷む→腱の柔軟性:低下→足の関節の動きが硬くなる」
・特に足の甲を上にあげる動きが硬くなる。
・十分なクッション性を出せない→(更に)アキレス腱に負担がかかる!
=Kager’s fat padって??=
アキレス腱は、踵の骨についています。
アキレス腱と踵の隙間に、「Kager’s fat pad」というクッションがあり、これがアキレス腱への負担を軽減していると言われています(1)。*詳しくはこのサイトをみればよくわかります。https://note.com/yk1208mj/n/n1d9d2f6f7db7
アキレス腱障害になるとこのクッションも傷んでしまうので、足の関節のストレッチやマッサージが重要になってきます。
=アキレス腱障害のリハビリテーション=
・痛みが強く熱感がある→アイスパックで冷やす。
・うずくような痛みがない→お湯、超音波などで温める。
・温熱療法で痛みが軽減、筋肉と腱の柔軟性が増したら→ストレッチが効果的♫
・圧力波治療も有効
=アキレス腱障害の予防トレーニング=
「ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)がアキレス腱」なので、ふくらはぎの筋肉のストレッチは有効と言われています(2)。
《方法》
①階段などの端につま先をかけ、ゆっくり踵を下ろしていく(ふくらはぎの筋肉とアキレス腱が伸びびる)。
②踵をあげていく(ふくらはぎとアキレス腱が働働く)。
※手すりを使ってやってみて下さい♪
=アキレス腱以外の部分のトレーニング=
アキレス腱障害を起こすと足のアーチが低下する、
と言われています(1)。そのため、膝はそれをかばうようにX脚(膝と膝がちかづく)方向に力がかかり、その結果、股関節周りの筋力が落ちてしまいます。
股関節の筋肉が働かないと体が安定しません。その不安定さがまたアキレス腱部へのストレスを生みます。(悪循環です)
このため、「股関節周りの筋力トレーニング」も重要になってきます!
《まとめ》
アキレス腱障害は様々なところが原因で生じています。アキレス腱だけではなく、股関節周りのトレーニングも行い治療、再発予防することが大切です。
引用
(1) Schepsis AA et al., Achilles tendon disorders in athletes. Am J Sports Med 30: 287-305, 2002
(2) Magnussen RA, et al., Nonoperative treatment of midportion Achilles tendinopathy: a systematic review. Clin J Sport Med 19: 54-64, 2009