答え:肥満と腰痛は関係あり!!
「肥満と内科的な病気には密接な関わりがあるけれど、腰痛との関わりは果たしてあるのか?」を調査した論文があったので紹介します(1)。
今回の論文は『メタ分析』といって、世に出ている論文をピックアップして解析しています。メタ分析は、論文の中の論文といえる科学的根拠が強いものです。
《結果》
WHO(世界保健機関)の基準。Body mass index (BMI)*1を基準に体重を評価
BMI 18.5以下:痩せ型
BMI 18.5〜24.9以下:ノーマル
BMI 25〜29.9以下:過体重
BMI 30以上:肥満
上記のBMI基準のうち「過体重と肥満は、腰痛と関係あり」との結果でした。過体重以上は腰痛と関わりがあるとの結果だったので、BMI 25以上の方は要注意ですね。
過去には、「男性に限り、肥満は腰痛と関係あり」「男女ともに過体重は腰痛に関わらない」との報告もありましたが、今回の論文は2018年に出たものなので、最近の知見といえます。現時点では『肥満と腰痛は関係あり』と考えていいと思います。
肥満と膝の痛みの関係は昔から言われていたことですが、肥満は腰痛にも関係があると知っていれば、腰痛予防につなげていけると思います。
*1 BMI(Body Mass Index)はボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。子供には別の指数が存在しますが、成人ではBMIが国際的な指標として用いられています。健康を維持するためは日頃からBMIを把握することが重要です。
計算式はBMI = 体重kg ÷ (身長m)2
引用:https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228732
- (1)Ting-Ting Zhang et al. Obesity as a Risk Factor for Low Back Pain: A Meta-Analysis
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27875413