今回の論文より:エリートスイマーの発育期腰椎分離症4名のうち3名は○○泳ぎの選手でしたー。
結論:2名平泳ぎ 1名バタフライ
発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)は、野球やサッカーに多い疾患ですが、スイマーの腰の疲労骨折の文献を見つけました。
今回、腰の疲労骨折を起こしたのはすべてエリートスイマーでした。週に12時間とか20時間泳いでいる人達です。年齢は13歳から18歳。1名だけ長距離の自由形の選手だったそうですが、この選手もバタ足や平泳ぎ練習中に痛みを感じていたそうです。
バタフライは腰を過度に反らすので腰に負担がかかります。そして平泳ぎのwave スタイルはFlat スタイルと比較して、より腰に伸展が起こり負担がかかるようです(最近はwaveスタイルが主流のようです)。平泳ぎの選手は練習で1日数キロ泳ぐようですが、実に腰の伸展屈曲を1000回以上繰り返すそうです。これでは腰に負担がかかりますね。あと近年、選手たちはウエイトトレーニングを増やしたり、水中で使うキックボードなどのトレーニング器具も腰の負担を増やしているのではないか、とこの論文の著者は警鐘を鳴らしています。
バタフライや平泳ぎで腰が痛い方、腰の疲労骨折の可能性はゼロではありません。
参考文献
Orthopedics and Clinical Science Spondylolysis as a Cause of Low Back Pain in Swimmers
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10950449/