「腰の疲労骨折の患者さん、腰痛はスポーツ休めば治るのか? 続けているとどうなるのか?」
当然……➡休めば痛みは良くなる(^_^)
➡休まないと痛みは続く(*_*)
このブログでも何度も紹介している「腰の疲労骨折」についてです。
多くの患者さんはスポーツをしています。そして、成長期の中高生に多い病気でもあります。
部活やクラブチームに所属している人も多く、疲労骨折と診断されても「休むのは。。。」という方も少なくありません。
疲労骨折なので、基本的にはコルセットをしっかり装着し休む、というのが早期回復につながり、悪化させない方法でもあります。
しかし、どうしても休めない子もいます。そのような子達の経過をたどった調査報告を紹介します。
《対象》
・サッカーをしている子 57名
(骨シンチグラフィーという検査で疲労骨折と診断)
・4つのグループ(①〜④)に分ける。
① コルセット装着、3ヶ月サッカー中止
② コルセット無し、3ヶ月サッカー中止
③ コルセット装着、サッカー続ける
④ コルセット無し、サッカー続ける
①②はサッカーを中止していたので、3か月後の痛みが全くないという方が96.8%でした。
対して運動続けた③④は 、痛みが全くないという方はわずか0.08%。残り99.92%は痛みが続いている状態でした。
しかも、そのうち約24%が強い痛みのせいで運動が困難になっていました。
このことから、
『運動中止すれば痛みはなくなり、続けると痛みは続く』。そして、スポーツができなくなるくらいの腰痛が出ることもある、ということがわかります。
疲労骨折の場合、スポーツをし続けると骨折してしまうことがあります。そうならないように、「コルセットをしてしっかり休むこと」が治療の第一選択となります。
運動を続けると骨折してしまう可能性があり、将来的に腰痛が悪化し、痛みのために運動することが困難になってしまう可能性もあります。
そうなってしまっては本末転倒ですよね。
運動は中止し、しっかりと治療を受けることが望ましいと思います。
臨床現場において、腰の疲労骨折が判明するとスポーツを休まなくてはいけないので、落ち込む方を沢山みてきました。スポーツを休むのは辛いことですが(僕も経験あります⤵)、先のことまでよく考えて治療方針を決めていきたいですね♫
引用
Georges El Rassi et al. spondylolysis in pediatric and adolescent soccer players
http://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16093537/?from_single_result=Lumbar+Spondylolysis+in+Pediatric+and+Adolescent+Soccer+Players+Georges+El+Rassi%2C%2A+MD%2C+Masakazu+Takemitsu%2C%2A+MD%2C+Patarawan+Woratanarat%2C%2A+MD%2C+and