「電気を当てると筋肉がつく」ってホント?

答え:電気の種類によってはつきます^^

電流療法の種類

電流療法には、痛みを取るために行うものや、筋肉を動かすために行うものがあります。それぞれ痛みを認識する神経と筋肉を動かす神経は別なので、電流療法を行う際は、電気の周波数を変える必要があります。痛みに対して行う際は、急性痛には100〜200Hz、慢性痛には 1〜10Hz、15〜30Hzで治療します。筋肉を動かす神経も存在します。 筋肉を動かすために刺激する電気は 低周波だと20〜80Hzと言われています。最近流行っている〜パックなどは20Hzのようです。

電流療法で筋トレ

この周波数の電気を筋肉に流すと筋肉が動きます(収縮する)。電気の力で動かしているので無意識に筋肉が収縮します。筋肉が痙攣している感覚と似たようなものです。無意識にでも筋肉は収縮しているので、筋肉を使っている状態になります。 また電気の力を増していくと筋肉の収縮はより強くなり、無意識に筋肉トレーニングを行っている状態です。通常の筋肉トレーニングは、自分の力で筋肉を収縮させて筋肉に刺激を入れて鍛えますが、電気で筋肉を刺激しても同じくトレーニングになります。このことから「電気刺激によって筋力トレーニングは可能」といえます。

電流療法を使った筋トレ方法

筋肉の収縮方法には大きく3種類あります。

① 筋肉が縮みながら働く状態(等張性収縮)。肘を曲げていくと二の腕の力こぶができますが、この時の力こぶの筋肉の働き方を言います。

② 筋肉の長さは変わらないけれど筋肉が働いている状態(等尺性収縮)。これは腕相撲をしている時に、相手と自分が同じ力の場合、関節の動きはないけれども筋肉はしっかり力が入っている状態です。③ 筋肉が働きながら伸びていく状態(遠心性収縮)。これは腕相撲していて負けそうになる場合、筋肉が頑張りながらも二の腕の筋肉が伸ばされていく状態です。

さて、この3種類の筋肉収縮方法でどれが一番トレーニングになるでしょうか?

答え

➡③最後の筋肉が頑張りながらも伸ばされていく状態:遠心性収縮 です。

初めは安全な負荷から行っていき、慣れてきたら負荷を上げて遠心性収縮を少し出すようなトレーニングが筋力アップには重要です。

ここで電気の話に戻りますが、電気刺激を入れると筋肉は収縮します、肘を曲げた2の腕の状態になります(長い筋肉が短くなるような働き)。これでも筋肉トレーニングにはなりますが、先ほどお伝えした筋肉トレーニングには遠心性収縮が効果的なため、「電気刺激+遠心性収縮トレーニング」を行うことが効果的です♫

〈方法〉

電気刺激を入れた筋肉が縮むのとは逆方向に筋肉を自ら伸ばしていく。そうすると、結果的に筋肉は遠心性収縮になります。

(例)腹筋の電気刺激療法を行うと腹筋が働くので、体はお辞儀方向に動きます。この時に自分で少し胸を張る、お腹を伸ばすように頑張ると腹筋の遠心性収縮が得られます。ただ電気を当てて腹筋がピクピク動いてるよりも、胸を張って姿勢を整えているだけでもより効果的なトレーニングになるのです。

皆さんも経験者だと思いますが、腹筋トレーニングは辛いです。頭をぎゅっと起こして体を持ち上げなくてはいけないので、 首に負担がかかります。また、骨粗鬆症を起こしていると、通常の腹筋トレーニングだと背骨を痛めてしまう、場合によっては圧迫骨折起こしてしまうことすらあります。

電気刺激を利用して腹筋トレーニングをすることで、トレーニング効果を変えることなく、トレーニングによる怪我のリスクを減らすことができます。

「筋力トレーニングをするための電気刺激療法」は、リハビリテーションの世界では昔からある方法です。手術後で患部を動かせない時に、電気刺激を行い筋肉を落とさないようにしてきました。現在もリハビリテーションの分野で、そのような患者さんに対して使っています。

しかし患者さんでなくとも、電気刺激療法による筋力トレーニングは「安全で効果的」なので是非使ってみてください(^_^)

*ペースメーカーを使用している方は電気療法は行えないのでご注意ください。

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