指が引っかかる『ばね指』患者さんの腱は厚い?薄い?
➡➡引っかかる腱の部分が〈厚く〉なる!
以前紹介した『ばね指』ですが、指を曲げる時に引っかかって伸びづらくなってしまうのが特徴で、中高年以上の女性に多いと言われています。
引っかかってしまうのは指を曲げる「腱」です。
この腱と腱とを押さえる「腱鞘」のところで引っかかってしまいます。
今回は、「バネ指で引っかかってしまうような患者さんの腱は、通常の腱と比較して厚い?」かを超音波診断装置(*産婦人科で赤ちゃんを確認するときに使用するエコーです)で検討した貴重な報告があったので紹介します♪
《対象》
・ばね指と診断された41名。
(男性10名・女性31名)
・平均年齢 57.3歳(範囲25~81)
・平均症状持続期間 8.4ヶ月。
《方法》
超音波診断装置(エコー)で、引っかかっている部分の腱の厚さと腱鞘の厚さを確認。比較材料は、引っかかってない側の手の腱と腱鞘の厚さ。
《結果》
引っかかってる側の「腱鞘」は44%に肥厚(厚くなっている)が認められた。
「腱」の厚さは、ばね指側の腱 平均4.3mmに対し、そうではない側 平均3.7mmでした。その差が0.6mmもありました。指の腱は細いので0.6mmというと、かなり差がある!と考えられます 。
ばね指は、腱と腱鞘が厚くなってしまうことで、「狭くなったトンネル(腱鞘)に、厚くなった腱が入って引っかかる」という現象が起こっているのです。
《治療》
以前紹介した『ばね指のストレッチ』を参考にしてみて下さい♪
http://pain-physio.net/『ばね指』の注射・手術前に試してみる価値あり/
http://pain-physio.net/ばね指ストレッチ「親指」はどうするの?/
メカニズムを知って適切な治療を行うことで、症状改善につなげられると思います(^_^)
引用
(1)Hae-Rim Kim et al. Ultrasonographic assessment of clinically diagnosed trigger fingers