『電気治療』って本当に痛みに効くの?
答え:しっかりと痛みの状態を把握して、適切な電気を当てれば効果的です。
電気療法(電流療法)は、昔から行われている治療法です。肩こりなどに低周波治療器を使ったことがある方もいるのでないでしょうか?
電流療法といっても、多々あります。馴染み深いのは、「痛み」に対して行う電流療法だと思います。しかし痛みだけではありません。
「関節の動きを良く」したり、「筋力を強化」したり、「神経に刺激」を入れたり。また、非常に微弱な電気を流すことで「体の傷んだ部分の修復が促進」する電流治療もあります。
全て電気ですが「何の症状に対して行うか?」が重要です。電気には、周波数(ヘルツ:Hz)というものがあり(電気振動が1秒間に繰り返される現象)、対象によって周波数を変えて治療を行います。
《低周波》
低い周波数という意味で、1000Hz以下の周波数をいいます。 (中周波 1001〜10000Hz、高周波10001Hz以上)
超音波治療器は「高周波」を利用しています。
さて「痛み」に対しては低周波を使います。痛みは、傷めて間もない痛み(急性痛)と痛みがずっと続いている(慢性痛)に分けられます。
急性痛の代表例は、捻挫してすぐに起こるズキズキした鋭い痛みです。慢性痛は鋭い痛みではないけれど、重いようなだるいような痛みが数ヶ月単位で続く痛みです。どちらも「痛い」のは変わりないですが、痛みの「質」が違います。
質が違うということは、痛みを感じている神経が違います。急性痛の特徴は鋭い痛みですが、これはAδ線維(太めの神経)という神経によって感じます。それに対して慢性痛はC線維(細めの神経)という神経によって感じます。急性痛と慢性痛で感じる神経が違うので、電流療法もどの神経に向けて治療するかでヘルツを変えて行います。
〈急性痛〉
100~200Hzで治療
〈慢性痛〉
1~10Hz、15~30Hzで治療
同じ痛みでも周波数が全く違います。「痛いから低周波」ではなく、低周波の中でも「どの周波数が自身の痛みに適当かどうか」が重要です。
日々リハビリで当てている電気ですが、使い方によって効果が変わってくるので、是非今使っている電気の周波数を確かめてみてください♫
参考文献
物理療法マニュアル
嶋田 智明らhttps://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=219001