五十肩の関節包は正常の『◯倍』厚い!

➡️➡️『3倍』も厚い!!

整形外科には「四十肩」や「五十肩」の症状を訴える方がよく来院されます。
このブログでも以前に、五十肩の経過については紹介した事があります。一概に「肩が痛い」=「四十肩」「五十肩」ではありません。詳しくは添付したリンクをご覧ください♪
http://pain-physio.net/%e4%ba%94%e5%8d%81%e8%82%a9%e3%81%ae%e7%b5%8c%e9%81%8e%e3%81%af%e9%95%b7%e3%82%81%ef%bc%9f%e7%9f%ad%e3%82%81%ef%bc%9f%ef%bc%9f/

さて今回は肩が痛くて上げられない、「四十肩・五十肩」の関節包(関節を覆う袋)が通常と比較し、どのように変化しているのかをエコー(超音波診断装置)を用いて調査した報告(また僕の後輩が探してくれました^_^)を紹介します(1)♫

まず関節の構造について。
・関節=骨と骨のつなぎ目
・関節が動く→運動ができる
・骨と骨は動く時に擦れる→骨は硬い→擦れ合う部分が削れないよう「軟骨」で覆われている
・関節液(骨が擦れ合う時の摩擦を軽減するための液体→車のエンジンオイルのような物)
・関節包(関節液が漏れないように関節を覆う袋)

整形外科の患者さんで、膝や肩に痛みがあると関節が硬くなることがよくあります。この原因の1つに「関節包が硬くなる」が挙げられます。

《対象》
・肩(片側のみ)が硬くて挙がらない20名
・男性6名、女性14名
・平均年齢:54.8歳(42~76歳)

《方法》
・エコーを脇の下から当て関節包を確認。
・脇の下から→関節包の下の部分。
・両肩(挙がる方、挙がらない方)の関節包の厚さを確認。

《結果》
・挙がらない肩の関節包の厚み→平均4mm
・挙がる肩→平均1.3mm
・約3倍の違い!!
関節包は本来薄い組織なので、厚さが4mmというのはとても厚みがあります(T_T)
厚くなる→関節包の柔軟性が低下している状態。

関節包が硬いと肩が挙がりづらくなるとの報告(2)はこれまでもあり、肩が挙がらない方は関節包が厚くなってしまうので関節が硬くなっている、という可能性があります。

《まとめ》
リハビリは無理に関節を動かすのではなく、ゆっくりと関節包をストレッチするように進めていくことが重要ですね♪
肩に限らず硬い関節を無理に動かすと、余計に痛みが増したり、硬くなってしまったり…ということがあります。硬い関節を動かすときは、理学療法士に確認してもらうといいですね(^_^)♪

引用

(1) Hae-Rim Kim et al., Ultrasonographic assessment of clinically diagnosed trigger fingers

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19851771/

(2) Wiley AM (1991) Arthroscopic appearance of frozen shoulder. Arthroscopy 7:138–143

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

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