①椎間板 ②椎間関節 ③仙腸関節 ④筋肉
整形外科を受診している患者さんには腰痛症の方は多くいます。腰痛症といっても腰痛を起こす場所は色々な所があります。最近では MRI などの画像診断が進歩したおかげで、腰のどの部分を痛めているかを以前よりも特定できるようになっています。しかし腰痛を起こす腰椎部分は体の中でも深いところにあることと、色々な組織があることでなかなか特定できない現状もあります。患者さんからはどの部分を痛めているのですか?とよく聞かれます。 画像所見などにより腰痛を起こしている部分に直接注射 をして原因を特定する方法もあります。 しかし実際は注射をすることによる弊害もあるためになかなかそこまでの診断はできません。
腰痛の痛みを起こしている可能性がある組織について
①椎間板の可能性39%
②椎間関節の可能性15%〜32%
③仙腸関節の可能性13〜18.5%
と報告されています(1)
この三つの部位以外にも筋筋膜性腰痛(腰の筋肉が原因となっている腰痛) なども腰痛の発生原因の可能性があると言われています。 腰痛を起こす部分は様々であり、その部分は外からは判断できないことが多いです。このことが 腰痛を原因解明を難しくしています。我々医療従事者は、このような基礎的な知識と実際の患者さんの症状をよく観察しながら、 この患者さんがどこの部分を痛めている可能性があるかどうかを確認しながらリハビリプランを立てています。 腰痛は一筋縄にはいきません。
(1) 高橋 弦 椎間板性腰痛の基礎 日本腰痛学会誌 13:10-16、2007