3ヶ月以上続く腰痛には〇〇トレーニング

答え: コアトレーニング

(*患者さんのレベルに合わせて行うコアトレーニングが有効です)

外来腰痛患者15名に対して、コアトレーニング*1は有効かどうか?を調査した研究です(1)。腰痛の程度は、Visual Analog Scale*2(VAS)で4以上を対象としています。激痛ではなく、中等度の痛みを感じる患者さんです。慢性腰痛は「3ヶ月以上続く腰痛」と定義しています。整形外科に受診する患者さんで、3ヶ月以上症状が続く方は少なくありません。

コアトレーニングを図に示します。図の縦列に、仰向けから腕立てのような7つのポジションが記載されています。横列は、各トレーニングのレベルを示しています。右にいくにつれてトレーニングの強度が上がっていきます。

出典:The Effect of Lumbar Stabilization and Walking Exercises on Chronic Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31261549/

コアトレーニングの方法は、はじめにストレッチを行ったあとコアトレーニングを開始します。コアトレーニングのメニューは、図の中から自分に合ったものを選びます。レベルに合ったトレーニングだとその姿勢を保てるものです。少しでもバランスを崩してしまうものは適していません。

7つのポジションをそれぞれ30秒程度を5回、それぞれ可能な限り繰り返し、合計25分間行いました。
それを6週間行った結果は、腰痛の程度を示すVASが6.9から3.5に改善しています。また、腰痛に対するいろいろな質問(長く歩けますか?日常生活に腰痛は影響しますか?など)をするテストも6週間後は改善していました。
「コアトレーニングは腰痛に対して効果的」との報告は以前からありましたが、今回の研究ではコアトレーニングのレベル分けをしてあるのが新たな知見です。不適切なトレーニングを続けるより、自分に合ったトレーニングを選択し実行することでより腰痛改善を狙えるようです。

*1 コアトレーニングとは身体のコア(核)となる脊柱(体幹)に近い部分から意識的、優先的に鍛えるトレーニング様式のことで、インナー・マッスル・トレーニングともいう。
体幹筋にあたる腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)、横隔膜(おうかくまく)、骨盤底筋(こつばんていきん)などを集中的に鍛えることによって身体バランス、「動き」を改善する。 コアトレーニングのイメージとして「フルカン」「リング」「ニュートラルスパイン」などが使われる。
体幹部を鍛えることで、多くの競技に通じる、汎用性に富んだ筋力向上を図る。 筋肉は本来、体幹に近い部位ほど大きく高出力に出来ているため、運動能力への寄与も大きい。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0

*2 VASとは、Visual Analog Scaleの略であり、目的としては痛みの強度を測定するものである。 また、視覚的評価スケールとも呼ばれる。 紙に10cm(100mm)の直線を書き、その左端に0、右端に100の数値を記入した測定スケールを用意する(10ごとに数値を記入する場合もある)右端の10はこれまで経験したことのない痛み、左端の0は全く痛くないと設定し記載してもらいます。

(1) The Effect of Lumbar Stabilization and Walking Exercises on Chronic Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31261549/

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“3ヶ月以上続く腰痛には〇〇トレーニング” への1件の返信

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