筋肉痛があると筋力が低下する?!
マスクやダウンジャケットは、ダイエットを諦めさせてくれるアイテムじゃないかと思っています。
#顎のあたりやお腹のお肉を合法的に隠してくれる
こんにちは、いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、筋肉痛があると筋力が下がりますって論文があったのでご紹介します。
「筋肉痛が“脳”に及ぼす影響と筋力低下の意外なメカニズム」
普段、私たちは「筋肉が痛いと力が出せない」と感じることが多いですよね。なんとなく「痛みで筋肉が壊れちゃったのかな?」と思いがちですが、実はそうじゃないかもしれない、という興味深い研究結果が発表されました。
今回の論文では、実験的に高濃度の食塩水を筋肉に注入し、筋痛を誘発させて、筋力への影響を調べたんですが、驚きの結果が出たんです。なんと、筋痛は筋肉自体にはダメージを与えていない!つまり、筋肉自体は破壊されていないのですが、筋痛があるだけでで筋力が低下していたんです。
筋痛があると、被験者は普段の筋力の75%しか発揮できませんでした。これってすごいですよね?どうやら筋痛が発生すると、高いトルクを出す能力そのものが脳の中で抑制されるみたいなんです。筋肉が直接傷んでるわけじゃないのに、脳のほうで「これ以上の力を出しちゃダメ!」とブレーキをかけてしまうようです。
筋力低下のメカニズムに関する仮説
では、どうやってこの筋力低下が引き起こされているのか? 研究ではいくつかのメカニズムが議論されています。
- ゴルジ腱器官からの求心性入力の抑制
ゴルジ腱器官は筋肉の張力を感知する役割を持つセンサーですが、筋痛が起きるとこの働きが鈍くなり、力のバランスが崩れて主動筋の活動が低下し、拮抗筋の活動が増えてしまう可能性があるんです。 - 筋紡錘の入力抑制
筋紡錘は筋肉の長さや伸び具合を感知するんですが、筋痛があるとこの筋紡錘の働きも鈍ります。これによって、筋肉が収縮する際の反射が弱まる可能性があるんですね。 - 皮質運動ニューロンの興奮性低下
最後に、脳の運動ニューロンの興奮性そのものが筋痛で低下するという仮説もあります。つまり、筋痛が脳の運動中枢を通じて「力を出しにくい状態」にしてしまうんです。
これらのメカニズムが単独で、あるいは複合的に作用して、筋痛による筋力低下が引き起こされていると考えられています。
これはリハビリテーションにも影響する
この発見は、リハビリの現場でも非常に重要です。筋肉痛があった場合、「どん鍛えよう!」とすると、うまくいかない場合があるということです。筋痛があると、脳が勝手にブレーキをかけてしまうため、患者さんが痛みなく発揮できる筋力がかなり制限されてしまう可能性があるんですね。
だから、筋痛を訴える患者さんには、無理に筋トレをするのではなく、神経系への影響も考慮して、痛みの程度に合わせた無理のないリハビリテーションを行うことが大切だと改めて実感させられました。
筋痛が「筋肉自体」じゃなく「脳」にブレーキをかけるなんて、なんだか意外ですよね。でも、こうした知見をもとに、筋痛があるときのトレーニング方法も今後どんどん進化していくと思います。痛い時は無理はしないは筋トレの面でも正しいようです。
参考文献
THOMAS GRAVEN-NIELSEN et al.
INHIBITION OF MAXIMAL VOLUNTARY CONTRACTION FORCE BY EXPERIMENTAL MUSCLE PAIN:
A CENTRALLY MEDIATED MECHANISM
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12402294/