レントゲンで異常なしでも信じちゃダメ?スポーツで腰が痛くてプレーできないならMRIを撮るべき理由

「レントゲンを撮ったけど異常なし。でも腰が痛くてスポーツができない。」

整形外科のクリニックで理学療法士として働いていると、こんな状態で来院する中高生アスリートに出会います。

結論から言うと、レントゲンで異常なしでも安心してはいけないケースがあります。それが「腰椎分離症」です。


腰椎分離症とはどんな状態か

腰椎分離症は、腰の骨の一部(椎弓峡部)に亀裂が入る疲労骨折です。ジャンプ・腰の反り・回旋動作を繰り返すスポーツで起こりやすく、サッカー・野球・バレーボール・体操などに多く見られます。

一般人口での発生率は約6%。腰痛を訴えるスポーツ選手に限ると、50%を超えるケースも報告されています。ある研究では、腰痛で受診した中高生アスリートの52.9%が腰椎分離症だったとのデータもあります。

「筋肉痛だろう」と流していたら骨の問題だった、というのが珍しくない状態です。


スコッティドッグサインって何?

腰椎分離症を診断するとき、レントゲンの斜め撮影(斜位像)に「スコッティドッグサイン」という所見が現れることがあります。腰椎の骨のシルエットがスコッティッシュテリアという犬の形に見え、骨の亀裂が「首輪」のように映る。これが陽性サインです。

ただ、ここに大きな落とし穴があります。


スコッティドッグサインが陰性でも分離症はある

2026年に発表された腰椎分離症における最新の論文(Spine Surgery and Related Research)のデータが参考になります。終末期の腰椎分離症患者75人(150病変)を調べたところ、スコッティドッグサインが陰性だった病変が全体の41%もありました。

さらに19%の患者は、片側だけ陽性で反対側は陰性。レントゲン上は「問題は片側だけ」に見えても、CTで確認すると両側に分離症があった状態です。

スコッティドッグサインは「陽性なら分離症の可能性が高い」サインですが、「陰性なら安心」には全くなりません。

過去の報告では、レントゲンだけで腰椎分離症を検出できた割合はわずか32%というデータもあります。


プレーできないくらいの腰痛はMRIへ

ここが一番大切な部分です。

スポーツ中に腰が痛くてプレーを続けられない、練習を休まざるを得ない。そのくらいの痛みがあるなら、レントゲンで異常なしでもMRIを撮ることが大事です。

MRIでは骨髄浮腫という変化を確認できます。骨髄浮腫は疲労骨折のサインで、レントゲンにはうつらない段階から検出できます。早期であれば骨癒合が期待できる段階なので、早く見つけるほど治療の選択肢が広がります。

理学療法士として現場で感じるのは、「レントゲン異常なしと言われたからスポーツを続けていた」というケースの多さです。痛みを無視して続けた結果、発見が遅れて骨がくっつかない状態(偽関節)になってしまっているケースも見てきました。


MRIで骨髄浮腫が見つかったら

MRIで骨髄浮腫が確認された場合、次はCT検査で骨折の重症度を詳しく評価します。骨の亀裂の幅(裂隙距離)や角度を確認して、治療方針を決めていく流れです。

この段階で初めてCTが登場します。レントゲンとMRIで段階的に絞り込んでいくイメージです。


放置するとどうなるか

腰椎分離症は早期発見であれば、コルセット固定と運動制限で骨癒合を目指せます。

発見が遅れると骨がくっつかない偽関節になり、将来、腰椎がずれていく「すべり症(腰椎すべり症)」へ進展するリスクがあります。すべり症まで進むと、日常生活にも影響が出ることがあります。

早い段階で正確な診断を受けることが、その後の経過を大きく変えます。


まとめ

レントゲンで異常なしと言われても、スポーツ中の腰痛でプレーができないくらいの状態なら、MRI検査を受けることを検討してください。

スコッティドッグサインはあくまで参考指標。陰性でも分離症を否定できないのが現実です。痛みが続くときは主治医にMRI検査の必要性を相談してみてください。

 


参考文献

Matsuura S, Tatsumura M, Asai R, et al. Relationship between the Scottie Dog Sign and Cleft Distance in Lumbar Spondylolysis. Spine Surg Relat Res. 2026;10(2):263-268. https://doi.org/10.22603/ssrr.2025-0130

**今回紹介した論文はオープンアクセスなのでどなたでも論文を見ることができます!!

 

 


〜振り返る・ひねる動作が腰に負担をかけているかも。そのメカニズムを研究が解明〜

〜振り返る・ひねる動作が腰に負担をかけているかも。そのメカニズムを研究が解明〜


こんにちは、理学療法士の杉浦史郎です。

「後ろを振り返るとき、腰がズキッとする」「体をひねる動作をすると腰が痛くなる」——そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

実は、慢性的な腰痛をお持ちの方は、体を回す動作のときに骨盤と背骨の動き方のバランスが崩れていることが研究でわかっています。今回は、その仕組みについてわかりやすくお伝えします。


体を回すとき、どこが動いているの?

「体をひねる」「振り返る」といった動作(体幹回旋)は、一見シンプルに見えますが、実は骨盤と背骨が協力して動くことで成り立っています。

健康な方の場合、体を回すときは骨盤(股関節)が主に動き、背骨はその補助として少し動くというバランスが保たれています。骨盤や股関節は大きな関節なので、回旋の動きを受け止める力があります。

ところが、慢性腰痛をお持ちの方では、このバランスが崩れ、背骨が必要以上にひねられてしまうことがあります。腰椎(腰の骨)はもともと回旋の動きが苦手な部位なので、過度にひねられると組織に余計な負担がかかってしまいます。


研究でわかったこと

この研究(Taniguchi et al., PLoS ONE 2017)では、慢性腰痛をお持ちの方15名と健康な方15名に、立った状態で体を左右に最大限回してもらい、骨盤と背骨それぞれの動き方を3次元の動作解析装置で精密に計測・比較しました。

その結果、次の2つの重要な違いが明らかになりました。

① 慢性腰痛の方は、背骨が骨盤より多く回っていた

健康な方では、体を回すときに骨盤がしっかり動き、背骨はそれに伴って少し動きます。しかし慢性腰痛の方では、骨盤があまり動かずに背骨だけが多く動くというパターンが見られました。

イメージとしては「本来の健康な体は、風に吹かれる『しなやかな柳の木』のようです。風が吹けば、根元から幹、そして枝先へと、木全体がゆったりと連動してしなることで、どこにも無理な力を溜めずに受け流すことができます。

しかし、慢性腰痛の方の状態は、『根元と幹の下半分(骨盤)がコンクリートで固められた柳』のようなものです。

風が吹いたとき、本来なら全体でしなりたいのに、下の部分がピクリとも動きません。すると、固まった境目の一箇所(腰)だけが、折れんばかりに激しくしなることになります。全体で逃がすべき力が、動くことを許された一箇所だけに集中してしまい、やがてそこから『パキッ』とヒビが入ってしまう……そんな無理が、慢性腰痛患者さんの腰で起きている状態です。

② 体を回すとき、背骨が同時に「反る」動きをしていた

慢性腰痛の方では、体を回す動作に合わせて、背骨が後ろに反る動き(伸展)も一緒に起きていることがわかりました。

つまり、「回す+反る」という複合的な動きが腰の組織に余分な負担をかけている可能性があります。体を回すたびに腰椎の関節や椎間板に繰り返しストレスがかかることが、慢性的な痛みの一因になっていると考えられます。


日常生活で思い当たりませんか?

次のような動作で腰に負担を感じる方は、このような動きのクセがある可能性があります。

  • 後ろを振り返るとき、腰から無理やり回している感じがある
  • 車の運転中に後方確認するとき、腰がつらくなる
  • スポーツで体をひねる動作(バッティング・ゴルフスイング・テニスなど)で腰が痛くなる
  • 掃除や洗い物など、体をひねる家事で腰に負担を感じる

こうした動作での腰への負担は、「力を入れすぎているから」「筋力が弱いから」だけが原因ではなく、動き方のパターンそのものに改善の余地がある場合が多くあります。


リハビリでできること

このような動きのクセは、適切なリハビリで改善できる可能性があります。具体的には、次のようなアプローチが有効です。

  • 股関節の柔軟性を高める:骨盤がしっかり動くよう、股関節のストレッチや可動域訓練を行います
  • 正しい体の回し方を身につける:骨盤から動かす動作パターンを意識的に練習します
  • 体幹の安定性を高める:背骨が余分にひねられないよう、体幹まわりの筋肉を適切に使えるようにトレーニングします

「腰が痛いから、ひねる動作は避けよう」と動かなくなると、かえって体の動きが硬くなり、痛みが長引くこともあります。痛みの出ない範囲で、正しい動き方を少しずつ練習していくことが大切です。

「体のひねり方が悪いのかな」「どう動けばいいかわからない」と不安に感じている方も、どうか一人で抱え込まないでください。一緒に動き方を確認しながら、無理のない範囲で取り組んでいきましょう。いつでもお気軽にご相談ください。


参考文献:Taniguchi M, Tateuchi H, Ibuki S, Ichihashi N. “Relative mobility of the pelvis and spine during trunk axial rotation in chronic low back pain patients: A case-control study.” PLoS ONE 12(10) (2017) e0186369.

慢性腰痛の人は「座り方」が違う——あなたはどちらのタイプ?

〜腰痛の種類によって、正しい姿勢は人それぞれ違います〜


こんにちは、理学療法士の杉浦史郎です。

「座っていると腰が痛くなる」「長時間座っていられない」——慢性的な腰痛をお持ちの患者さんから、こういったお話をよく伺います。

実は、腰痛の方の「座り方のクセ」は、痛みのないと方と異なっていることが研究で明らかになっています。さらに興味深いのは、腰痛の方の中でも、「まったく逆のタイプ」の座り方のクセがあるということです。

今回は、慢性腰痛と座り姿勢の関係を調べた研究(Dankaerts et al., Spine 2006)をもとに、腰痛と姿勢のつながりについてお伝えします。


「慢性腰痛」はひとくくりにできない

レントゲンやMRIで原因が特定できない腰痛を「非特異的腰痛」と呼びます。欧米では腰痛全体の約85%がこのタイプとされていますが、日本では診断技術や医療環境の違いから、より細かく原因が特定されるケースも多くあります。それでも、「検査しても異常なし」と言われながら慢性的な腰の痛みに悩まれている方は、日本でも決して少なくありません。

これまで腰痛の研究では、患者さんをひとまとめにして比較することが多く、「腰痛の人と健康な人の姿勢に差はない」という結果が出ることもありました。しかし最近の研究では、腰痛の方の中にもいくつかのタイプがあり、タイプ別に見ると明確な違いが現れることがわかってきました。


慢性腰痛の2つのタイプ

この研究では、慢性腰痛の患者さんを専門家が丁寧に評価し、2つのタイプに分けました。

タイプ① 屈曲パターン(曲がり込みタイプ)

腰を丸めた姿勢(猫背・骨盤後傾)で座る傾向があります。前かがみや腰を曲げた姿勢で症状が出やすいのが特徴です。長時間座っていると、じわじわと腰が丸まっていき、痛みが増してくるタイプです。

タイプ② 伸展パターン(反り腰タイプ)

腰を必要以上に反らせた姿勢(過度な反り腰・骨盤前傾)で座る傾向があります。腰を伸ばしたり反らしたりする動きで症状が出やすいのが特徴です。「姿勢よく座ろう」と意識するあまり、腰を反らせすぎてしまうケースもあります。


研究でわかったこと:タイプ別に姿勢がまったく違う

この研究では、慢性腰痛の患者さん33名と、腰痛のない健康な方34名の座り姿勢を精密な機器で計測・比較しました。

腰痛患者さん全体をひとまとめにして比較した場合は、健康な方との差がはっきり出ませんでした。しかしタイプ別に分けて比較すると、明確な違いが現れました。

  • 屈曲パターンの方:健康な方と比べて、腰がより丸まった(後弯した)姿勢で座っていた
  • 伸展パターンの方:健康な方と比べて、腰がより反った(前弯した)姿勢で座っていた

さらに興味深いのは、どちらのタイプも「意図的に姿勢を変える力」が低下していたことです。「もっと猫背になってみてください」とお願いしたとき、健康な方は大きく姿勢を変えられたのに対し、腰痛の方は変化が少なかったのです。これは、腰痛によって腰まわりの「姿勢をコントロールする力」が落ちていることを示しています。


あなたはどちらのタイプ?

ご自身の座り方のクセを確認してみてください。

屈曲パターン(腰を丸めるタイプ)の方に多い特徴

  • 長く座っていると腰が自然と丸まってくる
  • 前かがみの作業(デスクワークやスマートフォン操作)で腰が痛くなりやすい
  • 座っているときに腰当て(ランバーサポート)を使うと楽になる

伸展パターン(腰を反らすタイプ)の方に多い特徴

  • 「気をつけ」のように背筋を伸ばしていないと落ち着かない
  • 腰を反らせた動作(荷物を持ち上げる・立ちっぱなしなど)で腰が痛くなりやすい
  • 腰当てがあると逆に痛くなることがある

大切なのは「万人に共通の正しい姿勢」ではなく「あなたに合った姿勢」

この研究が示す最も重要なメッセージは、腰痛の方への姿勢指導は、タイプによって変えなければならないということです。

「腰痛には腰当てが効果的」とよく言われますが、それは屈曲パターン(丸まりタイプ)の方には有効でも、伸展パターン(反り腰タイプ)の方には逆効果になることがあります。「とにかく姿勢よく背筋を伸ばして」というアドバイスも、伸展パターンの方には痛みを悪化させる可能性があります。

腰痛を長引かせないためには、まず自分がどちらのタイプかを知り、それに合ったアプローチで姿勢や動き方を改善していくことが大切です。

「なかなか腰痛が改善しない」「いろんな治療を試しても変わらない」という方は、もしかするとご自身のタイプに合っていないアプローチをされている可能性があります。一度、専門家に姿勢のクセを評価してもらうことをおすすめします。

当院でも、患者さん一人ひとりの姿勢パターンをしっかり評価したうえで、その方に合ったリハビリや生活指導を行っています。「自分はどちらのタイプかな?」と気になる方は、お気軽にご相談ください。


参考文献:Dankaerts W, O’Sullivan P, Burnett A, Straker L. “Differences in Sitting Postures are Associated With Nonspecific Chronic Low Back Pain Disorders When Patients Are Subclassified.” Spine 31(6) (2006) 698–704.

年齢と歩行スピードの関係 〜体の柔らかさがカギ?〜

こんにちは、西川整形外科の理学療法士の杉浦です。
今日は「高齢になると歩行スピードが落ちるのはなぜ?」というテーマの研究をご紹介します。


背景

年齢を重ねると、多くの方が「歩くスピードが遅くなった」「歩幅が小さくなった」と感じます。
この歩行スピードの低下は、転倒や生活機能の低下につながる大きな問題です。

これまでの研究では、

  • 股関節の伸展(足を後ろに伸ばす動き)

  • 足首の背屈(つま先を持ち上げる動き)

  • 体幹の回旋(体をひねる動き)

これらが制限されると、歩行スピードが落ちることが指摘されてきました。

しかし、年齢によって体幹や下肢の動きの制限がどのくらい歩行に影響しているのか? という点は、まだ十分に明らかになっていませんでした。


方法

この研究では、40〜80歳の男女を対象に調査を行いました。

  • 対象者数:120名(論文内の実際の数字に基づく)

  • 評価項目

    • 歩行スピード

    • 股関節の伸展角度

    • 足首の背屈角度

    • 体幹の回旋可動域

参加者を年齢ごとに分けて、これらの動きと歩行スピードとの関連を分析しました。


 結果

分析の結果、次のようなことが分かりました。

  1. 年齢が高くなると歩行スピードは有意に低下する
    → 特に70歳以降で顕著にみられました。

  2. 股関節の伸展角度が小さい人ほど歩行スピードが遅い
    → 歩幅が小さくなる原因。

  3. 足首の背屈制限が強い人も歩行スピードが遅い
    → 地面をしっかり蹴れなくなる。

  4. 体幹の回旋制限も影響
    → 上半身のしなやかさが歩行効率に関わる。

つまり「柔軟性の低下」がそのまま「歩行スピードの低下」につながっている、ということが明確になりました。


💡 考察

この研究が教えてくれるのは、
「年齢だから仕方ない」ではなく、体幹や下肢の柔軟性を維持することで歩行スピードの低下を防げる ということです。

特にポイントとなるのは、

  • 股関節の伸展(もも前ストレッチや股関節伸ばし)

  • 足首の背屈(アキレス腱ストレッチ)

  • 体幹の回旋(ひねり運動)

これらを日常的に取り入れることで、加齢による歩行機能の低下を遅らせられる可能性があります。


まとめ

  • 年齢とともに歩行スピードは低下する

  • その背景には 股関節・足首・体幹の柔軟性低下 がある

  • ストレッチや柔軟運動で、予防や改善が期待できる

日々の小さな積み重ねが、将来の「転ばない体」「歩ける体」を作ります。リハビリで改善していきましょう^^

参考文献

  • Li XX, et al. Association between trunk/lower extremity range of motion and walking speed in different age groups. BMC Musculoskeletal Disorders. 2023;23:6301.

立ち上がりテストでわかる“隠れ腰の不安定性”のお話

こんにちは、理学療法士の杉浦です。
今日は、腰の「隠れた不安定性」を見つけるヒントになる、ちょっと面白い研究をご紹介します。


立ち上がりテストって何?

「5回立ち上がりテスト(5R-STS)」という検査があります。
肘掛けのない椅子に座って、腕を胸の前で組んだまま、できるだけ速く立ち上がって座る動作を5回繰り返すだけ。
時間が22秒以上かかると「腰や脚の機能がかなり落ちている」サインになります。


座っていると腰は不安定になりやすい?

研究によると、変性腰椎すべり症(腰の骨が少し前にずれる状態)の人を調べたところ、
このテストで遅かったグループは座った姿勢のときに骨のずれが一番大きく、後ろに丸まりやすいという特徴がありました。

さらに面白いのが、座位のX線写真と仰向けのMRIを比べると、不安定性がよく見えるということ。
立ったまま前屈・後屈を撮るよりも、座って荷重がかかった状態と、仰向けで力が抜けた状態の差を比べる方が、腰のぐらつきがはっきりするんですね。


日常生活での注意ポイント

  • 荷物を持ったまま長く座ると、不安定な腰には負担がかかります。

  • 「立ち上がるのが遅い」「腰がグラっとする」感じがある場合は、腰の安定性を高める運動が必要かもしれません。

  • 柔軟性も大事ですが、筋肉でしっかりコントロールしながら動かす柔らかさが、腰痛予防にはもっと大事です。


引用文献

Wang K, Wang S, He D, Xu L, Wang H, Ma T, Zhou Q, Lv F, Wang Y.
Radiographic evaluation of 5-repetition sit-to-stand test-induced low back pain in degenerative lumbar spondylolisthesis: identifying segmental instability.
BMC Musculoskelet Disord. 2022;23:912. doi:10.1186/s12891-022-05761-0

腰を横に倒すとき、腰にはどんな力がかかっている?

連休はあいにくの雨でしたね。。。。色々研究などは進みましたが外では遊べませんでした。。。
今回も面白い研究があって、患者さんにも役に立つ内容だと思います!

腰を横に曲げる「側屈」という動き。
日常生活でもよくやりますよね。
洗濯物を取るとき、棚の下のものを取るとき、スポーツでもよくあります。

カナダの研究で、この動きをしているときに腰の中で何が起きているかを調べた結果があります。


実験でわかったこと

  • 腰には上から押しつける力(圧縮)がかかります。
    20kgくらいの荷物を持って横に曲げると、腰には約270kg分の力がかかります。

  • ずらす力(せん断力)もかかります。
    横に曲げた方向によって、このずれる力の向きも変わります。

  • 腰の靱帯は、曲げの中間ではあまり働きませんが、限界近くまで曲げると一気に引っ張られます。

  • 筋肉がしっかり働いているときは靱帯の負担が減ります。逆に筋肉が働いていないと、靱帯に負担が集中します。


腰を守るためのポイント

  1. 限界まで倒さない
    荷物を持ったまま終わりまで横に倒すと靱帯に強い負担がかかります。

  2. ゆっくり、コントロールして動く
    急に倒すと筋肉や靱帯に大きな力がかかります。

  3. 左右バランスよく使う
    いつも同じ方向だけ曲げると、片方の関節や椎間板に負担が集中します。

  4. 筋肉を使いながらの柔軟性
    柔らかさだけでなく、筋肉がしっかり働いてコントロールしながら動く柔軟性が、腰痛予防には大切です。


まとめ

腰は、横に曲げるときに思ったより大きな力を受けています。
これは側屈だけでなく、前屈や伸展の動きでも同じようなことが起こります
特に荷物を持って動くときは、中間くらいの角度で動く、左右・前後バランスよく使う、ゆっくり動くことがポイントです。
そして、柔らかくするだけでなく、筋肉を働かせながら動かせる柔軟性が、腰痛を防ぐためのカギになります。

日常生活や運動のとき、ぜひ気をつけましょう。

引用文献
McGill, S. M. (1992). A myoelectrically based dynamic three-dimensional model to predict loads on lumbar spine tissues during lateral bending. Journal of Biomechanics, 25(4), 395–414. https://doi.org/10.1016/0021-9290(92)90001-U

若い人でも腰痛になる?原因はいろいろ

「腰痛って年を取ってからなるものじゃないの?」
そう思っている方も多いですが、実は10代でも腰痛は珍しくありません。

今回は、アメリカの整形外科で3年間にわたって調べた、10〜19歳の腰痛の原因についてのお話です。


どんな調査?

  • 対象は10〜19歳で腰痛を訴えて受診した1932人

  • 男性922人、女性1010人

  • 診断はカルテと必要に応じた画像検査(レントゲン、MRI、CT)で確認

  • アメリカの医療事情では、日本よりMRI検査の実施率は低め


若い人の腰痛、原因ランキング

  1. 原因が特定できない腰痛(非特異的腰痛)
    → 全体の約43%
    → 痛みはあるけれど、画像検査でもはっきり原因が見つからないタイプ
    → MRI検査をしていない症例も多く、この割合は日本より高めに出やすい

  2. 椎間板のトラブル(椎間板疾患)
    → 約28%
    → ヘルニアや椎間板の変性など。女性に多い傾向
    → 実際にはMRIを撮ればもっと見つかる可能性あり

  3. 腰の骨の疲労骨折(脊椎分離症)
    → 約15%
    → 男性に多く、スポーツによる反復的な腰の反らし・ひねり動作が関係
    → 日本の現場感覚では、もう少し割合が高い印象


現場で感じること

私たちが日本で日々診ていると、

  • MRIで詳しく調べると、椎間板の障害や分離症が原因になっているケースはもっと多い

  • 特にスポーツをしている学生は、腰痛の裏に疲労骨折や椎間板損傷が隠れていることが少なくない

アメリカのこの研究は大規模ですが、検査方法の違いを考えると、日本で同じ調査をしたら結果は少し変わるはずです。


患者さんへのメッセージ

  • 「成長期だからそのうち治る」と放っておくのは危険

  • 長引く腰痛や、夜間痛・しびれ・発熱を伴う場合は早めの受診を

  • スポーツをしている方は、腰の反らし・ひねり動作の多い練習やフォームに注意

  • 早めに原因を特定して、適切なトレーニングや休養を取ることが再発予防につながります


💡 まとめ
若い人の腰痛は、筋肉疲労だけでなく、椎間板や骨のトラブルが隠れていることもあります。
日本の現場では、MRI検査を活用すればもっと原因がはっきりするケースが多い印象です。
「若いから大丈夫」ではなく、「若くても腰痛はありえる」と知ることが、早期対応と予防につながります。

引用文献

Causes of Adolescent Low Back Pain: ARetrospective Study

Imana Rhoden et al

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40678277/

重い物を持つと腰はどう変わる?〜腰の動きは硬くなるようです〜

重い物を持つと腰はどう変わる?〜腰の“硬さ”の秘密〜

普段の生活で、私たちの腰は筋肉の力で姿勢や動きを支えています。
でも、重い物を持ち上げたり、ぐっと踏ん張ったとき、腰の中では何が起きているかご存じでしょうか?


腰の中の“支え”は筋肉だけじゃない

腰には筋肉のほかに、骨や椎間板、靭帯など、動かない(受動的な)部品があります。
軽い動きでは筋肉がメインで支えますが、重い力がかかると、この受動的な部品も加わって腰を守ります。


重い荷物を持つと腰は“硬くなる”

研究では、腰の骨(腰椎)の間に強い押しつけ力をかけたとき、動きにくく(硬く)なることがわかっています。

  • 中くらいの力(人の体重2人分くらい)で腰の動きは約2〜6倍硬くなる

  • とても大きな力(約450kg相当)では、横ずれの動きはほとんど出なくなる

つまり、重い物を持つと腰はガッチリ固まってしまうんです。


なぜ硬くなるの?

  1. 骨の後ろ側の関節がぶつかる
    → 動きを止めるストッパーのような役割

  2. 椎間板がつぶれて形が変わる
    → クッションが膨らんで動きを制限

どちらも「腰を守る仕組み」ですが、同時に関節や椎間板への負担も増えます。


日常生活で気をつけたいこと

  • 重い物を持ち上げるときは、腰だけでなく足や全身を使う

  • 長時間の中腰や、ねじった状態での作業を避ける

  • 腰を守るための筋力と柔軟性のバランスを意識する


まとめ

重い荷物を持つとき、腰は自分で硬くなって支える「守りモード」に入ります。
これは良い面もありますが、同時に腰の関節や椎間板に負担が集中します。

日常生活や仕事で腰に大きな力がかかる場面では、この「硬くなる腰」を知って、無理のない動き方を心がけてください。

引用文献です

J. Janevicet al.

Large Compressive Preloads Decrease Lumbar Motion Segment Flexibility

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1992073/

コルセットをしても腰や背中の筋力は落ちないという論文がありました^^

思春期側弯症の治療でつける装具で筋力は落ちないようです^^

こんにちは、西川整形外科の理学療法士の杉浦史郎です。最近当院でまた卓球が盛り上がっています^^一番ラケット握ってます^^

皆さん、「側弯症(そくわんしょう)」ってご存じですか?これは背骨が横に曲がってしまう状態のことで、特に思春期の女の子に多いんです。

そして、その治療でよく使われるのが「硬性装具」という、背中を支えるコルセットです。でも、これをつけると「背中の筋肉が弱くなるんじゃないの?」なんて不安を感じている方も多いと思います。当院では発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)の方が、腰部だけの硬性コルセットをつけます。我々のデータでは3か月程度の硬性コルセットの後の背筋の筋肉の断面積は変わりありませんでした、すなわち硬性コルセットを使用しても筋肉は小さくならない結果でした。しかし実際の背筋の筋力や持久力はみていないのでどうかな?って思っていましたが、病名は違いますが側弯症で硬性装具後の筋力をチェックした研究がありましたのでご紹介します^^


「装具を6か月つけたら筋力や持久力はどうなるのか?」を調べてみた

この研究では、側弯症の7歳から16歳の61人の女の子を対象に、次の2つのグループに分けて比較しました。

  • 装具を6か月間つけたグループ
  • 装具なしで過ごしたグループ

年齢や体型、背骨のカーブの具合(Cobb角って言います)などが似ている子たちを選んで、公平に調べたんです。


具体的にどうやって調べたの?

筋力や持久力を測るために、いろんなテストをしました。

  • 例えば「うつ伏せ」で背中を持ち上げるテスト(改良版Biering-Sorensenテスト)とか、
  • 「立った状態」でどれだけ背中の筋肉を使えるかを測るテストとか。

さらに、「1日何時間くらい装具をつけていたのか」も記録して、細かくデータを集めたんです。


結果はどうだった?

結果、こんなことが分かりました。

  • 装具を6か月つけても、背中の筋力や持久力にはほとんど影響がない!
  • 装具を長くつけた子も、つけてない子と筋力の差はなかった!

つまり、「装具をつけたら筋肉が弱くなるかも…」という心配は必要なさそうだ、という結論です。


装具は敵じゃない。優秀な仲間!

側弯症の場合、装具治療は、背骨の曲がりを進行させないためにすごく大事な役割を果たします。でも、それを理由に「筋力が落ちちゃうかも…」と装具を敬遠してしまう患者さんもいると思います(装具療法は側弯症治療なので整形外科の医師の先生の指示に従ってくださいね)。

今回の研究で分かったのは、「装具は筋肉に悪影響を与えない」ということでした。これは当院でも使用している硬性コルセットにも当てはまるのではないかと思っています。

もしお子さんやご自身が側弯症で装具治療をしているなら、「筋力が落ちるんじゃないか?」と心配しすぎず、治療に専念してもらえればと思います。そして何より、体の不調や心配事は、専門の先生に相談してください。
発育期腰椎分離症でも実際の背筋力が落ちるかなどの報告があればまたご紹介します。でも今回の結果は、病気は違えど一つ我々にとってもポジティブな結果で安心しました^^

参考文献

Pikulska et al. Back muscle function in adolescent girls treated with a rigid brace for idiopathic scoliosis: no impact of 6-month brace wear on muscle strength or endurance
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34190081/

 

 

ダッシュも発育期腰椎分離症の原因になる?!

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です^^今日は勢いがあり2本目の投稿です!

今日は、「ダッシュ(全力疾走)」が発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)にどう関わるのか――そんな、スポーツを頑張る人には見逃せないお話をしていきます。

腰椎分離症というと、よく知られている原因は野球のピッチングやサッカーのシュート、バレーボールのスパイクなど。でも最近、「陸上競技選手にも多いんだけど、ダッシュも原因になってるんじゃない?」という視点が注目されているんです。

そして今回、その疑問にズバッと切り込んだ研究が発表されました!実は、今回の論文の著者 後藤先生(徳島文理大学)は学会や研究会でいつも会うお友達です!!


ダッシュって、そんなに腰に負担かかるの?

この研究では、サッカー選手17名を対象にダッシュやジョグ、シュート、パスといった動作を3Dで徹底解析しました。「何となく腰に悪そう」じゃなくて、データをとって集めたわけです。

結果、これが面白いんです^^

ダッシュのときの股関節の伸展角度や背骨(脊柱)の回旋角度、股関節への力のかかり方(屈曲モーメント)が、なんとシュート動作と似ていることが判明!

つまり、シュートが腰に負担をかけるなら、ダッシュも同じくらいヤバいんじゃないの?という話になってきたんです。


じゃあ、どうしましょう?

この発見がどれくらい大事かというと、「スポーツを頑張る人の未来のリスクを減らせるかもしれない」くらい重要です。だって、ダッシュが原因なら、陸上競技や他の全力疾走を含むスポーツをする人たちもリスクが高いことになりますよね。サッカー選手だってシュート練習はするけどほとんどダッシュしてますし。

でも、心配するだけじゃなくて、対策もちゃんと考えられます!例えば:

  • 腰への負担を減らすフォームの改善
  • 股関節や体幹の柔軟性や鍛えるトレーニング
  • 無理しすぎない練習スケジュールを組む

こんなふうに工夫すれば、ダッシュを続けながらも腰椎分離症のリスクを下げられるはずです。あとは練習時間やスプリントの練習時間もある程度制限できればとてもいいと思います。


スポーツ選手の未来を守るために

この研究で重要なのは、野球ですとピッチングやバッティング、サッカーですとキック動作が腰に負担と考えられていましたが、スポーツに共通する「ダッシュ」も腰に負担がかかるということです。スポーツ選手みんなに腰痛のリスクがある状態です。

ぜひリハビリテーションで腰に負担がかからない「走り」を獲得してください!!

**過去にも後藤先生の同じ論文で記事を書いています。今日勉強していて改めて重要と思い再度記事にしました^^

 

参考文献

Dash-Associated Spondylolysis Hypothesis

Tsuyoshi Goto1), Toshinori Sakai2), Kosuke Sugiura2), Hiroaki Manabe2), Masatoshi Morimoto2), Fumitake Tezuka2), Kazuta Yamashita2), Yoichiro Takata2), Takashi Chikawa2), Shinsuke Katoh1) and Koichi Sairyo2)

1) Department of Rehabilitation, Tokushima University Hospital, Tokushima, Japan
2) Department of Orthopedics, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School, Tokushima, Japan

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6690085/ **オープンアクセスなので論文をフルテキストで見れます!!

腰痛の方必見!マッサージ療法がどれだけ効くのか?

「腰痛の方、必見!マッサージ療法がどれだけ効くのか?」

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です^^すごい寒くなったので、この前のブログで投稿した温熱の効果の論文を応用し、熱線ベストを購入しました^^
#水曜日に届くのでよければレポートします

今日は「マッサージ療法って本当に腰痛に効くの?」という、みんなが気になるテーマについてお話ししたいと思います。

腰が痛いとき、「マッサージ」を受けた方、多いと思います。でも、実際どれくらい効果があるのか、科学的な視点で検証した研究は少ないんです。そこで登場するのが、今回紹介する論文は、腰痛に対するマッサージ療法の効果を徹底的に調べたものなんですよ。


どんな研究が行われたの?

まず、このレビューでは**2008年5月までのランダム化比較試験(RCT)**を総ざらいしています。具体的には、MEDLINEやEMBASEといったデータベースからデータを引っ張り、全部で13件、1596名分のデータを解析しています。つまり、たくさんの研究をまとめて分析したわけですね。

で、何を比べたのかというと、

  • マッサージ vs. プラセボ(偽物の治療)
  • マッサージ vs. 他の治療法(運動療法、リラクゼーションなど)

「マッサージって本当に効くの?」をデータで見える化したわけです。


結果はどうだったの?

結論から言うと、マッサージ療法は腰痛に効果的である可能性が高い! 特に効果が大きかったのは、以下のケースでした:

  1. 亜急性期(症状が数週間続いている状態)や慢性期(3か月以上続く腰痛)
    → 痛みが軽減し、機能改善にも効果があったとのこと。
  2. 運動療法や教育プログラムとの併用
    → これが最強の組み合わせ。単体でやるより相乗効果が期待できるみたいです。

とはいえ、課題もある

もちろん、良い話ばかりではありません。このレビューではいくつかの課題も挙げられています:

  • コスト効果の検討
    マッサージを長期間続けると、どれくらいコストパフォーマンスがいいのか、まだよく分かっていません。
  • いろんな手法の比較不足
    マッサージの中にも「もみほぐし」「タイ古式」「アロマ」などたくさん種類がありますが、どれが一番効くのか、まだまだ研究の余地がありそうです。

じゃあ、どう活かせばいいの?

腰痛で悩んでいる人には、マッサージ療法を取り入れるのは十分アリだと思います。ただ、単独でやるのではなく、運動療法やリラクゼーションと組み合わせるのがポイント。これはリハビリの現場でも実感しています!

慢性腰痛の人は、専門家と相談しながら試してみてくださいね。

「マッサージは意味ない」なんて思っていた人も、これを機に運動療法やセルフマッサージを入れてみてください!

参考文献
Furlan, A., Imamura, M., Dryden, T., & Irvin, E. (2009). Massage for Low Back Pain: An Updated Systematic Review Within the Framework of the Cochrane Back Review Group. Spine, 34, 1669-1684. https://doi.org/10.1097/BRS.0b013e3181ad7bd6.

思春期アスリートに潜むリスク      仙骨疲労骨折

「思春期アスリートに潜むリスク:仙骨疲労骨折と腰椎分離症、その関係性とは?」

こんにちは、Netfllixの相撲ドラマ:サンクチュアリを見て、四股トレーニングを始めました^^
#以前は縄跳びをやっていたのですが膝が痛くなりましたので。。。 #とてもいいドラマでした

いつもブログを見ていただきありがとうございます。
今日はちょっと専門的なお話を、わかりやすく噛み砕いてお届けします。テーマは 「思春期のアスリートが抱える腰の問題」。運動好きなお子さんを持つ親御さん、コーチの皆さん、そして若いアスリート自身にぜひ知っておいていただきたい内容です。


仙骨疲労骨折と腰椎分離症――その関係性を知っていますか?

スポーツをしている思春期のアスリートたち。その影には、 「仙骨疲労骨折」「腰椎分離症」 という二つの疾患が潜んでいます。これらの疾患のうち腰椎分離症はこのブログでも沢山紹介しておりますが、今回は仙骨疲労骨折です(仙骨は腰の下の骨盤の部分です。ちょうど骨盤の真ん中の骨になります)

今回紹介する筑波大学の辰村先生の論文では、920人の高校生以下の腰痛患者さんのMR Iを検査し、13名(1.4%)が仙骨疲労骨折だっととのことです。過去の論文でも仙骨疲労骨折の発生頻度は1.6%と言われています。ものすごい多くはないのですが、注意しないといけない病気です。

また辰村先生の報告では仙骨疲労骨折と診断された13人の思春期アスリートのうち、 半数以上(7人)に腰椎分離症が合併 していました。つまり、仙骨疲労骨折がある場合、腰椎分離症も一緒に疑うべきなんです。


なぜ合併するのか?二つの疾患の共通点

仙骨疲労骨折も腰椎分離症も、根っこは同じ。「繰り返しの運動ストレス」です。

特に思春期のアスリートは、骨がまだ完全に成長しきっていないのに、激しいトレーニングを続けることで 過剰な負荷 がかかりやすい。ジャンプやランニングで、仙骨や腰椎に余計な「剪断力(骨を横にずらす力)」がかかると、疲労骨折を引き起こします。

これって、針金を何度も曲げ伸ばししているうちに、だんだん折れてしまうイメージに近いですね。


診断はどうする?腰痛の裏に潜む原因を見逃すな!

腰痛って、運動している子どもなら経験することも多いと思います。でも、普通の筋肉痛と思って放置していると危険! その腰痛や臀部痛の中に仙骨疲労骨折と腰椎分離症が潜んでいるかもしれません。

ここで頼れるのが MRI検査

  • 仙骨疲労骨折 → MRIで見ると仙骨孔周辺に「骨髄浮腫(骨の中が炎症で腫れる)」がくっきり映ります。
  • 腰椎分離症 → こちらもMRIが有効ですが、特に骨の亀裂が見える部位をしっかり確認します。

画像検査をきちんと行うことで、見逃しを防ぎましょう。診断は整形外科医に任せるとしても、親御さんや指導者の方々も「ただの腰痛じゃないかも?」と気づけると選手の疲労骨折が悪化せずにすみます。


治療と注意点:焦りは禁物!復帰は慎重に

治療は基本的に 「安静とリハビリ」 です。仙骨疲労骨折の場合、治療期間は平均67日と比較的短い(発育期腰椎分離症の場合は2−3ヶ月、それ以上の時もあります)のですが、注意すべき点が一つ。

「競技復帰後に再び折れるリスクがある」

そうなんです。別の場所や反対側の仙骨に疲労骨折が起きる可能性があります。復帰後のトレーニングでは、負荷を徐々に増やしていくことが重要です。「復帰した!イケる!」と張り切りすぎて、また痛みが出る…再発。。。は避けたいです。


まとめ:未来のアスリートを守るために

仙骨疲労骨折と腰椎分離症は、思春期のアスリートが抱えるリスクです。でも、正しい知識と適切なケアがあれば、そのリスクは最小限に抑えられます。

  • 成長期の子どもがスポーツをしていて腰痛を訴えたら、軽く見ずに整形外科医に相談を!
  • MRI検査で原因をしっかり見極める!
  • 焦らず、しっかり治してから復帰する!

スポーツ腰部障害の中で仙骨疲労骨折もあることを知っていただけると早期診断につながり選手の未来が変わると思いますのでお願いします。

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33875705/

腰痛は腰を温めると効果的?!

温熱療法のススメ:腰痛を和らげるよくあるのあの手法とは?

こんにちは、いつもブログを読んでいただきありがとうございます^^
今日は腰痛に悩むみなさんにぜひ知ってほしい、「温熱療法」の効果についてお話しします。この方法、実は医学的にも効果が立証されているんです。


温熱療法って何?

「温熱療法」と聞いて、「え、ただ温めるだけでしょ?」と思ってしまいますし、確かにに温めるだけ…なのですが、これが腰痛に対して効果的なんです。特に注目されているのが 「温熱パック療法 **当院でも行っているお湯につけて保温した特殊のパックをタオルに巻いて患部にあてるものです」 という手法。この方法、痛みを和らげるだけでなく、筋肉の柔軟性をアップさせ、体の動きもスムーズにしてくれます。


温熱療法の主な効果

① 痛みの軽減

温熱療法は、急性腰痛の救世主!例えば、 ホットパックを使うと、痛みがじわじわと和らいでいく感覚を実感できます。さらに、ただのプラセボ(いわゆる思い込み効果)ではなく、しっかりとした科学的な根拠に基づいているので安心してください。急性腰痛でお悩みの方は、まずこれを試してみる価値があります。

② 筋肉の柔軟性&機能の改善

「朝起きたら背中がガチガチ…」なんてこと、ありませんか?温熱療法を活用すると、筋肉の硬直がほぐれて柔らかくなり、動きやすさも向上します。特に 運動療法 と組み合わせると、効果が上がります!言ってみれば、温熱療法はストレッチの効果をブーストしてくれる秘密兵器みたいなものなんです。

③ 障害の軽減

腰痛がひどいと日常生活に支障をきたしますよね。温熱療法は、その「生活のやりづらさ」すら軽くしてくれるんです。これも嬉しい効果ですよね。


どの温熱療法を選べばいいの?

温熱療法にもいろいろ種類があります。それぞれの特徴をざっくり解説します!

  1. ホットパック療法
    → 急性腰痛や亜急性腰痛にぴったり。短期間で痛みが軽減します。
  2. 温熱療法をしながらのマッサージ
    → 気持ちよくリラックスしたい人向け。自律神経や気分改善にも効果があり、ストレス解消にも最適です。
  3. 高温パルス熱療法 *これは当院にもある特殊なリハビリの機器になります
    → 慢性的な腰痛で悩んでいる人はこちら。持続的な熱療法よりも鎮痛効果が高いとされています。

まとめ:温めるだけでここまで変わる!

温熱療法は、「まずは温めるか」という気軽な方法でありながら、医学的にもしっかり裏付けが取れた優れものです。痛みの軽減、筋肉の柔軟性向上、さらには日常生活の質の向上まで、いいことずくめ!さらに、運動療法と組み合わせれば効果も上がります。

腰痛で悩んでいる皆様、温熱療法を取り入れてみてください。最近は、気温もだいぶ下がってきました。貼るホッカイロを患部にあてるのも効果的だと思いいます*低温やけどだけには気をつけてください。

それではまた次回^^

参考文献
1 Nadler, S., Steiner, D., Erasala, G., Hengehold, D., Abeln, S., & Weingand, K. (2003). Continuous low-level heatwrap therapy for treating acute nonspecific low back pain.. Archives of physical medicine and rehabilitation, 84 3, 329-34 . https://doi.org/10.1053/APMR.2003.50102.

2 French, S., Cameron, M., Walker, B., Reggars, J., & Esterman, A. (2004). Superficial heat or cold for low back pain.. The Cochrane database of systematic reviews, 1, CD004750 . https://doi.org/10.1002/14651858.CD004750.PUB2.

3 Mayer, J., Ralph, L., Look, M., Erasala, G., Verna, J., Matheson, L., & Mooney, V. (2005). Treating acute low back pain with continuous low-level heat wrap therapy and/or exercise: a randomized controlled trial.. The spine journal : official journal of the North American Spine Society, 5 4, 395-403 . https://doi.org/10.1016/J.SPINEE.2005.03.009.

4 Mayer, J., Mooney, V., Matheson, L., Erasala, G., Verna, J., Udermann, B., & Leggett, S. (2006). Continuous low-level heat wrap therapy for the prevention and early phase treatment of delayed-onset muscle soreness of the low back: a randomized controlled trial.. Archives of physical medicine and rehabilitation, 87 10, 1310-7 . https://doi.org/10.1016/J.APMR.2006.07.259.

5 Chabal, C., Dunbar, P., Painter, I., Young, D., & Chabal, D. (2020). Properties of Thermal Analgesia in a Human Chronic Low Back Pain Model. Journal of Pain Research, 13, 2083 – 2092. https://doi.org/10.2147/JPR.S260967.

 

朝に腰痛が起こりやすい理由とその予防法!

朝の腰痛はこうして起こる!そして、その予防法

みなさん、こんにちは、今回は「腰痛が朝に起こりやすい理由」とその対策についてお話しします。今回参考にした論文に腰痛が起こりやすい時間帯が挙げられていたので紹介します^^

で、結論から言いいますと、腰痛が起こりやすい時間帯は朝7時から12時。はい、ここ!朝時間帯から午前の間なんです!これには、ちゃんとした理由があるんですね。

寝ている間に、背骨(椎間板)が水分を吸収して膨らむんです。朝、私たちの背骨はフレッシュな状態で、実は日中よりも柔らかく、つまり”ケガしやすい”状態にあるんです。だから、そのタイミングで重たいものを持ったり、腰に負担がかかる動きをすると…「あ、やっちゃった!」となるわけです。

注意!腰に負担をかけやすい朝の動き

さらにですね、研究の中で「特に朝やると腰痛を引き起こしやすい動き」というのも挙がってます。こんな動き、思い当たりませんか?

  • 前かがみでの作業(例:ガーデニングや掃除)。この動き、朝やると腰にズキン!ときます。
  • 重い物を持ち上げる、不安定な物を運ぶ(例:車の上に置いた荷物を降ろす)。これも朝は要注意。

ただし、「朝とこれらの動きがどれだけ関係しているか」については、もっと調べる必要があるらしいです。でも、腰痛予防には『どの動きをするか』だけじゃなくて、『いつ動くか』も大事ってことは確かなんですね。

腰痛の予防は「動き」と「タイミング」

ポイントは、朝のこの「ちょっと危険な時間帯」を頭に入れて、腰に負担をかけすぎないようにすること。例えば、朝に重い物を持たないとか、前かがみの作業はできるだけ避けるとか、慎重に動くことで、腰への負担はグッと減ります。

ぜひ、毎日の小さな工夫で、腰痛予防していきましょう!

参考文献
https://www.researchgate.net/profile/Jenny-Setchell/publication/331985420_What_Triggers_an_LBP_Flare_A_Content_Analysis_of_Individuals’_Perspectives/links/5cd5bf87458515712ea2ea9e/What-Triggers-an-LBP-Flare-A-Content-Analysis-of-Individuals-Perspectives.pdf

腰痛に背部の背骨の硬さが関与する?!

こんにちは!理学療法士の杉浦史郎です。今日は腰痛にまつわる新しい研究についてお話ししたいと思います。

皆さんは「胸椎(きょうつい)」と聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、胸椎は背骨の背部の部分です(腰の上)、この胸椎の硬さが実は腰痛に深く関係しているのです。徳島大学の西良教授の研究グループの森本先生によって、胸椎の硬さが腰にかかる負担を左右することが新たに明らかにされました。

この研究では、有限要素解析という方法を用いて、胸椎が硬い場合と柔らかい場合で、腰椎にどれだけの負荷がかかるかをシミュレーションしました。その結果、胸椎が硬いと腰部にかかる負担が大きくなることが分かりました。このことから、胸椎の柔軟性が腰痛予防や症状の軽減に重要であることが科学的に示されています。

私たちも実際に腰痛症の患者さんを診察する際は、腰椎だけでなく胸椎の柔軟性も確認しています。そして胸椎が硬いと判断した場合、特別なリハビリテーションで胸椎の柔軟性を高めるようなアプローチを行います。このように胸椎のリハビリテーションは日々の臨床において非常に有効であり、西良教授の論文はその根拠として非常に参考にさせていただいています。

私も個人的に西良教授には学会や講演会でご指導いただいており、西良教授グループの研究成果を毎回楽しみにしています。腰痛治療には腰椎そのものだけでなく、周囲の関節の可動性も関わっています。ですから皆さんも腰痛が気になる際は、腰だけでなく「胸椎」や「股関節」の柔軟性を上げることで、より効果的に腰痛の改善が期待できるのです。

腰痛にお悩みの方はぜひ、こうした視点で普段のリハビリテーションやストレッチに取り組んでみてくださいー^^

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38280628/

論文が採択されました^^

皆様、いつもブログをご覧いただきありがとうございます!

今日はとても嬉しいお知らせがあります。以前投稿していた論文が、このたび正式に採択されました。この論文では、成長期の子供たちに多く見られる「腰椎疲労骨折(成長期腰椎分離症)」に焦点を当てています。この疾患の診断には通常、MRIが必要とされますが、すべての患者さんにMRIを実施することは現実的に難しいため、私たちは特徴的な所見を見つけるべく研究を進めていました。

今回の論文では、アンケート調査を用いて、一定の基準で成長期腰椎分離症の患者さんを絞り込む方法を提案しています。まだ解決しなければならない課題は多いものの、このアンケートが将来、スポーツ現場や医療現場でスクリーニングツールとして活用される日を心から願っています。

無事に論文が採択されて、ひとまず安心しましたが、これからも臨床と研究の両方に精進していきたいと思います。よろしくお願いいたします!

Ref.:  Ms. No. ESJO-D-24-00789R1
Low back pain characteristics in adolescent patients with early-stage spondylolysis: A prospective study
European Spine Journal

Dear Dr Sugiura,

After a thorough review of your above mentioned manuscript, we are pleased to inform you that it has been accepted for publication in the European Spine Journal.

The manuscript will now be forwarded to the publisher, from whom you will shortly receive information regarding the correction of proofs and fast online publication.

Should you have any questions regarding publication of your paper, please contact the responsible production editor, Mr. Senthil Bala at Senthil.Bala@springer.com

Sincerely,

Robert Gunzburg, Ph.D.
Editor-in-Chief
European Spine Journal

 

〇〇歳以上になると背骨が硬くなる、みたいです(⁠*⁠_⁠*⁠)

ボクもたまに、部屋の掃除機をかけることがあります♪
…けど、明らかに妻よりも時間が短いです。
……何ででしょう??
#同じ部屋なのに
#掃除が雑

今日のタイトルは
〇〇歳以上になると背骨が硬くなる、みたいです(⁠*⁠_⁠*⁠)
➡️➡️80歳!

中高年の患者さんから「最近背骨が曲がってきた」「姿勢が悪くなってきた」とよく相談されます。
確かに年齢とともに姿勢は崩れてきます。。

僕が理学療法士なりたての25年前は、60代くらいから腰がすごく曲がってる方も多かったのですが、最近は少し変わってきているような気がします。
…80〜90歳になると、腰が曲がってくる方も多く見られますが。
千葉県佐倉市(当院)には土地柄からか農家が比較的多くみられます。
昔は機械化がそれほど進んでおらず、腰を曲げて農作業をすることも多かったと思います。そうすると、比較的若いうちに腰が曲がってしまう状態でした。
しかし、最近では機械化が進み、腰への負担が軽減されて農家の方でも腰がすごく曲がってしまう…ということは減ってきたように思えます。
これらから、「中高年になる→腰が曲がる」(加齢)ということだけではなく、「環境的な要因」で腰への負担が変化・影響することも多々あると思います。
加齢的変化には対応が難しくても、環境的な要因ならば予防・改善できる可能性があります♪

では、背骨はどのくらいの年齢になると硬くなってくるの?
この問いに対して良い論文があったのでご紹介していきたいと思います♪

僕がいつも臨床・研究でご指導をいただいている、東千葉メディカルセンター整形外科部長:青木先生の論文です。

《対象》
・腰痛症以外の理由で腹部または腰部のCT検査を受けた患者581名

《方法》
・CT→背骨のかたちを確認(曲がってないかどうか)
・仰向けで検査
・59歳以下,60-69歳,70-79歳,80歳以上,および男女の平均値を算出。
・各年代で差があるか分析

《結果》
・80歳以上→その下の年代の方よりも背骨がかたくなっている傾向
・特に80歳以上の女性は、男性よりも背骨が硬い(背骨が丸くなっている)傾向

「姿勢が悪くなる」というのは、立っている時や歩いている時の姿勢を表していると思います。

・立っている時も、仰向けになっていても腰が曲がっている状態になる→いよいよ背骨が硬くなっているサインです。
・立っている時は背中が曲がっているけど、仰向けならまっすぐになる→まだそれほど背骨が固くなっていない。

《まとめ》
仰向けになった状態でも背骨が丸まってくるのは、「80歳以上の女性」ということがわかりました。
80歳以下は、まだまだ背骨が固くなっていない可能性もあるので、日頃から姿勢に気をつけたり、リハビリテーションで硬くなるのを防ぐことで予防できるのではないかと思っています。\(^o^)/

…「歳だから仕方ないのよ〜」と、なりがちですが、硬くなるのは80歳以降です。 腰が曲がってしまう(T_T)と諦めずに、担当の理学療法士さんに相談してみてはいかがですか?
当院でも、「背骨を伸ばすトレーニング」を最近追加しましたよ♫♪
姿勢が良いと「若見え」しますよ〜(^o^)(^o^)(^o^)

**今回注意なのは対象となった方々は腰痛症など無い方です現時点で腰が痛い、ヘルニア、脊柱管狭窄症という方はこの限りではないのでご注意ください。予想では腰痛症などの患者さんは80歳より手前から硬くなってくると思います。

引用
Aoki et al., Computed Tomographic Assessment of Age- and Gender-Specific Sagittal Lumbopelvic Alignment in a Japanese Population. SSRR, 2021 Jan 12;5(4):278-283.doi: 10.22603/ssrr.2020-0189.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34435152/

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70歳以降の女性のぎっくり腰は〇〇骨折に注意!

ちょっと太ってしまったので、1週間白米を減らして1キロ減に成功した!と思っていたら、減ったのは脂肪ではなく筋肉でした。。。。(ᗒᗩᗕ)
#過度な食事制限はあぶない
#体重だけではなくしっかりと筋肉量もはかりましょう

70歳以降の女性のぎっくり腰は〇〇骨折に注意!

➡➡圧迫骨折

今回も書籍「フルカラーでわかる!腰痛の理学療法」から。

ボクがいつもご指導いただいていて本書著者でもある青木保親先生(東千葉メディカルセンター整形外科部長、千葉大学大学院医学研究院総合医科講座 特任教授)の章から紹介させていただきます♫

「ぎっくり腰」聞いたことがある方、多いと思います。

専門用語では急性腰痛といいます。

このぎっくり腰。誰しも一生のうちに一度は経験すると言われています。

「ぎっくり腰」にはいろいろな原因・要因があり、たとえば学生さんのような若い方の腰の疲労骨折などが、この急性腰痛に入ります。また20代〜中年までは椎間板(腰の骨と骨の間のクッション)を傷めることで急性腰痛がでたりします。症状によっては痛くて動けなくなることもあります。

「ぎっくり腰」が70歳以降の女性に起きた場合は、圧迫骨折の可能性があります。

圧迫骨折とは、背骨の骨がつぶれてしまうことです。

高齢の女性に多くみられる骨折で、骨粗鬆症が原因としてあげられます。

《骨折骨粗鬆症とは》

・骨の量が少なくなったり、骨の中身(構造)が悪くなり、そのため骨の強さが脆くなり骨折しやすくなった状態。

・ 女性ホルモンが骨の代謝を調節しているために、閉経により女性ホルモンが減少すると骨粗鬆症を発症しやすくなる。→閉経後骨粗鬆症

「ぎっくり腰」だけに、きっかけは中腰で何かをもってギクっ!となり痛みが出ることが多いのですが、高齢者の場合は、きっかけがなくても圧迫骨折を起こしてしまうことがあります。。>.<(+_+)

症状は…骨折なので、すごく痛いそうです。

《圧迫骨折の主な特徴》

・横になっているときは腰痛が軽減するが、座ったり立ったりして背骨に体重がかかると腰痛が強くなる

・寝返りや起き上がり、おじぎの動作でさらに痛みが増強す

脊柱管狭窄症がある方が、加えて圧迫骨折を起こしてしまうと足への神経痛が悪化してしまうこともあるそうです。

圧迫骨折を起こしてすぐはレントゲン検査ではよくわからないことがあるので、MRI検査で圧迫骨折の有無を確認することが重要です。

今回紹介した症状がある高齢者女性は、整形外科を受診されたほうがいいかもしれません。

ボクもこれまで圧迫骨折の方を多く担当しました。

よく聞くのは「急な腰痛で起き上がるのがつらい」と仰る方が多いように思います。

くしゃみ→腰痛→検査→圧迫骨折だったという方もいました。

骨粗しょう症の検査ももちろん大切ですが、痛くなったら早めに整形外科医に相談するのがいいと思います♫♪♫

引用
フルカラーやさしくかる!腰痛の理学療法 第2章 若年者・中高年者の腰痛 青木保親先生
https://www.amazon.co.jp/フルカラーでやさしくわかる-腰痛の理学療法-青木-保親/dp/4784958800

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『椎間板ヘルニアで神経が圧迫されると、〇〇量もさがる!?』

……ここ最近、5日間も歯が痛くてブログの更新ができませんでした(_ _).。o○
#歯痛のせいにしたけど先週は書けたでしょ
#治ってよかったー

今日は『椎間板ヘルニアで神経が圧迫されると、〇〇量もさがる!?』です。

答えは➡➡血流量

「椎間板ヘルニア」。
一度は耳にしたことのある病名ではないでしょうか?腰には5つの積み木のような骨があり、その骨と骨のあいだに椎間板というクッションがあります。腰は体重がかかる部位なので、当然腰の椎間板にもストレスがかかります。ストレスが増していくと、押された椎間板がうしろにとび出します。これを「椎間板ヘルニア」といいます。

〈飛び出たさき→神経→椎間板ヘルニアがその神経を圧迫→神経痛がおこる。〉

ちなみによく押されてしまう神経は「坐骨神経」で、お尻からももの裏、ふくらはぎまで通っています。

「ヘルニアが起きているのは腰なのに、痛いのは足」というケースはこのような理由が考えられます。さて、前置きが長くなってしまいましたが、「神経を圧迫したときに、神経の血行も悪くなる」という論文があったのでご紹介します♫
神経の栄養は血液が運んでくるので、血行がわるくなる=神経に悪影響 です。それでは。。

《対象》
・椎間板ヘルニアの手術患者12名

《方法》
・ヘルニアで押されている神経に血流量を測定するセンサーをつけ、手術中に坐骨神経を伸ばすテス  トを1分間行う。
・ヘルニア→坐骨神経を伸ばすと、神経が圧迫される。
・坐骨神経を伸ばしているときと伸ばしていないときの神経の血流量をチェック。

《結果》

・坐骨神経を伸ばすテストをした際、坐骨神経の血流量は平均で70%減少。
・ヘルニアで圧迫されている場合、神経の動く距離が著しく減少。

*手術前の神経の動く距離は、0.5mm程度、手術でヘルニアを除去したあとは、4.5mm程度まで動きは回復。

《まとめ》
ヘルニアがあると、神経の血流が減少することがわかりました\(^o^)/
神経の血流量がわるくなると、すぐにしびれたりします。正座して足がしびれるのも、神経の圧迫だけではなく血行不良も影響していると思われます。
椎間板ヘルニアのかたがおじぎすると、坐骨神経が伸ばされます。ですから、中腰の姿勢で作業をしていると坐骨神経に悪影響をおよぼしてしまうので、気をつけくださいね♫♪
季節柄、草取りの姿勢にも注意したほうが良いかと思われます(^o^)

引用
Shigeru Kobayashi et al., Changes in Nerve Root Motion and Intraradicular Blood Flow During an Intraoperative Straight-Leg-Raising Test
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12838102/

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『椎間板を傷めるとその付近の背筋はどうなる?』

☆今日の小噺☆
出先で、外人さんを見かけました。
なんだか困っている様子だったので「Are you OK ?」と話しかけたら…
流暢な日本語で笑顔で「大丈夫です!」と返答をいただきました⊙.☉

#あの困り方は、日本語が喋れないと思ったのに(泣)
#空気を読んで英語でかえしてください…

さて本日は…
『椎間板を傷めるとその付近の背筋はどうなる?』

➡️➡️17%小さくなるようです(豚さんの実験から)

腰痛予防に重要なのは、「背筋」や「腹筋」と言われています。
そして、その鍵となる筋力ですが、
「筋肉を使わない・運動をしない➡️筋力低下」と思っている方が多いとおもいます。

今回紹介するのは、上記以外の原因で筋力低下を引き起こすケースです。

『椎間板(腰のクッション材)を痛めた場合に、その近く背筋が小さくなる!?』

《方法》
・研究対象:豚
・豚の椎間板を片側のみメスで傷つける。
・超音波診断装置(エコー)で背筋の面積を確認。
→エコーによる筋肉の大きさのチェックは
①実験前
②椎間板を傷つけた3日後
③6日後
それぞれ計測。
※比較するため、椎間板を傷つけていない椎間板も同様に計測。

《結果》
・椎間板を傷つけた側の背筋は17%も小さくなっていた(右側の椎間板を傷つけた場合、右の背筋が小さくなる)。
・ 背筋が小さくなるのは3日目まで続く。
・3日後と6日後の差はなかった。
・椎間板を傷つけてないグループや、傷つけてない側の背筋の大きさは変わらなかった。

筋力は長く使わないと落ちていく…というイメージを持っていた方も多くいたと思いますが、今回の結果から「椎間板を痛める」ことでも、早い段階から筋力が落ちることがわかりました。

腰の椎間板は腰痛の原因となります。
今回の実験結果から、椎間板を傷めるとその近くの背筋が小さくなることがわかりました。
腰痛が起こったら、痛みの具合を見ながら(1週間以内にだいぶ落ち着くケース:多)早期に無理のない筋力トレーニングを始めるのが重要になります♪\(^o^)/
早めのリハビリテーション開始で、背筋が小さくなるのを一緒に防いでいきましょう♫♪♫

*今回は人間での研究ではなく豚さんを使った研究です。今回の結果が全てが人に当てはまるとは限りません。

引用
Paul Hodges et al., Rapid atrophy of the lumbar multifidus follows experimental disc or nerve root injury
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17139223/

 

 

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