本年もどうぞよろしくお願いいたします:去年採択された論文の紹介です

本年もどうぞよろしくお願いいたします。西川整形外科で理学療法士をしております杉浦史郎です。
今年も臨床現場、リハビリ関係の情報発信、そして研究活動頑張っていきたいです。
今年、最初の記事は、去年European Spine Journalに採択された僕たちの論文をご紹介します^^

子どもたちが元気にスポーツを続けられるように:発育期腰椎分離症の研究

子どものスポーツに関わる「発育期腰椎分離症」についてお話しします。なんだか難しそうな名前ですが、実はスポーツを頑張る子どもたちに多い腰のトラブルのことです。「うちの子には関係ないかも?」と思った方、ちょっとだけ読んでみてください。もしかすると、役立つかもしれません。


発育期腰椎分離症ってどんな症状?

簡単に言うと、腰の骨が疲労骨折を起こすことで、腰に痛みが出る症状です。特にスポーツをする子どもたちに多く見られます。でも、早く治療を始めれば治る確率が高くなります!

問題は、診断が難しいこと。病院でMRIを撮らないと分からない場合が多いんです。これでは「ちょっと腰が痛い」くらいの段階では、見過ごされてしまうこともあります。


質問票で早期発見を目指す

私たちは、病院に行かなくても発育期腰椎分離症を見つけるための「質問票」を作りました。この質問票に答えるだけで、発症のリスクがあるかどうかが分かる仕組みです。

質問の例

  • 1週間にどれくらい運動している?
  • 1日にどれくらい練習している?
  • どんな動きで腰が痛くなる?
  • 痛みの場所や広がりはどんな感じ?

こういった質問に答えることで、発育期腰椎分離症の可能性を見極められるんです。


研究で分かったポイント

質問票を使った研究の中で、次のことが分かりました:

  1. 運動量が多いほどリスクが高い
    毎日練習している子や、1日3時間以上運動している子は要注意です。
  2. 動いている時に痛むのが特徴
    座っている時や立っている時は平気でも、動くと腰が痛む場合は発育期腰椎分離症の可能性があります。
  3. 男子に多い傾向
    男の子の方が発症しやすいことが分かりました。

この研究で目指していること

私たちがこの研究で目指しているのは、子どもたちが安心してスポーツを続けられる環境を作ることです。

  • スポーツの現場や学校で質問票を使えば、早期にリスクを見つけられます。#まだこの質問紙は発展途上で引き続き追加研究しています
  • 「腰が痛い」と言いながら続けてスポーツをして子達が将来分離症になってしまうのを防ぎたい

これからの課題と未来への一歩

正直、この質問票はまだ発展途上です。もっと多くの子どもたちに協力してもらい、精度を上げていく必要があります。

引き続き今年も臨床研究を続けていき未来学会や論文で発信していきます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

参考文献
Sugiura et al,. Low back pain characteristics in adolescent patients with early-stage spondylolysis: a prospective study” Euro Spine 2024
https://link.springer.com/article/10.1007/s00586-024-08478-1

コルセットをしても腰や背中の筋力は落ちないという論文がありました^^

思春期側弯症の治療でつける装具で筋力は落ちないようです^^

こんにちは、西川整形外科の理学療法士の杉浦史郎です。最近当院でまた卓球が盛り上がっています^^一番ラケット握ってます^^

皆さん、「側弯症(そくわんしょう)」ってご存じですか?これは背骨が横に曲がってしまう状態のことで、特に思春期の女の子に多いんです。

そして、その治療でよく使われるのが「硬性装具」という、背中を支えるコルセットです。でも、これをつけると「背中の筋肉が弱くなるんじゃないの?」なんて不安を感じている方も多いと思います。当院では発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)の方が、腰部だけの硬性コルセットをつけます。我々のデータでは3か月程度の硬性コルセットの後の背筋の筋肉の断面積は変わりありませんでした、すなわち硬性コルセットを使用しても筋肉は小さくならない結果でした。しかし実際の背筋の筋力や持久力はみていないのでどうかな?って思っていましたが、病名は違いますが側弯症で硬性装具後の筋力をチェックした研究がありましたのでご紹介します^^


「装具を6か月つけたら筋力や持久力はどうなるのか?」を調べてみた

この研究では、側弯症の7歳から16歳の61人の女の子を対象に、次の2つのグループに分けて比較しました。

  • 装具を6か月間つけたグループ
  • 装具なしで過ごしたグループ

年齢や体型、背骨のカーブの具合(Cobb角って言います)などが似ている子たちを選んで、公平に調べたんです。


具体的にどうやって調べたの?

筋力や持久力を測るために、いろんなテストをしました。

  • 例えば「うつ伏せ」で背中を持ち上げるテスト(改良版Biering-Sorensenテスト)とか、
  • 「立った状態」でどれだけ背中の筋肉を使えるかを測るテストとか。

さらに、「1日何時間くらい装具をつけていたのか」も記録して、細かくデータを集めたんです。


結果はどうだった?

結果、こんなことが分かりました。

  • 装具を6か月つけても、背中の筋力や持久力にはほとんど影響がない!
  • 装具を長くつけた子も、つけてない子と筋力の差はなかった!

つまり、「装具をつけたら筋肉が弱くなるかも…」という心配は必要なさそうだ、という結論です。


装具は敵じゃない。優秀な仲間!

側弯症の場合、装具治療は、背骨の曲がりを進行させないためにすごく大事な役割を果たします。でも、それを理由に「筋力が落ちちゃうかも…」と装具を敬遠してしまう患者さんもいると思います(装具療法は側弯症治療なので整形外科の医師の先生の指示に従ってくださいね)。

今回の研究で分かったのは、「装具は筋肉に悪影響を与えない」ということでした。これは当院でも使用している硬性コルセットにも当てはまるのではないかと思っています。

もしお子さんやご自身が側弯症で装具治療をしているなら、「筋力が落ちるんじゃないか?」と心配しすぎず、治療に専念してもらえればと思います。そして何より、体の不調や心配事は、専門の先生に相談してください。
発育期腰椎分離症でも実際の背筋力が落ちるかなどの報告があればまたご紹介します。でも今回の結果は、病気は違えど一つ我々にとってもポジティブな結果で安心しました^^

参考文献

Pikulska et al. Back muscle function in adolescent girls treated with a rigid brace for idiopathic scoliosis: no impact of 6-month brace wear on muscle strength or endurance
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34190081/

 

 

ダッシュも発育期腰椎分離症の原因になる?!

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です^^今日は勢いがあり2本目の投稿です!

今日は、「ダッシュ(全力疾走)」が発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)にどう関わるのか――そんな、スポーツを頑張る人には見逃せないお話をしていきます。

腰椎分離症というと、よく知られている原因は野球のピッチングやサッカーのシュート、バレーボールのスパイクなど。でも最近、「陸上競技選手にも多いんだけど、ダッシュも原因になってるんじゃない?」という視点が注目されているんです。

そして今回、その疑問にズバッと切り込んだ研究が発表されました!実は、今回の論文の著者 後藤先生(徳島文理大学)は学会や研究会でいつも会うお友達です!!


ダッシュって、そんなに腰に負担かかるの?

この研究では、サッカー選手17名を対象にダッシュやジョグ、シュート、パスといった動作を3Dで徹底解析しました。「何となく腰に悪そう」じゃなくて、データをとって集めたわけです。

結果、これが面白いんです^^

ダッシュのときの股関節の伸展角度や背骨(脊柱)の回旋角度、股関節への力のかかり方(屈曲モーメント)が、なんとシュート動作と似ていることが判明!

つまり、シュートが腰に負担をかけるなら、ダッシュも同じくらいヤバいんじゃないの?という話になってきたんです。


じゃあ、どうしましょう?

この発見がどれくらい大事かというと、「スポーツを頑張る人の未来のリスクを減らせるかもしれない」くらい重要です。だって、ダッシュが原因なら、陸上競技や他の全力疾走を含むスポーツをする人たちもリスクが高いことになりますよね。サッカー選手だってシュート練習はするけどほとんどダッシュしてますし。

でも、心配するだけじゃなくて、対策もちゃんと考えられます!例えば:

  • 腰への負担を減らすフォームの改善
  • 股関節や体幹の柔軟性や鍛えるトレーニング
  • 無理しすぎない練習スケジュールを組む

こんなふうに工夫すれば、ダッシュを続けながらも腰椎分離症のリスクを下げられるはずです。あとは練習時間やスプリントの練習時間もある程度制限できればとてもいいと思います。


スポーツ選手の未来を守るために

この研究で重要なのは、野球ですとピッチングやバッティング、サッカーですとキック動作が腰に負担と考えられていましたが、スポーツに共通する「ダッシュ」も腰に負担がかかるということです。スポーツ選手みんなに腰痛のリスクがある状態です。

ぜひリハビリテーションで腰に負担がかからない「走り」を獲得してください!!

**過去にも後藤先生の同じ論文で記事を書いています。今日勉強していて改めて重要と思い再度記事にしました^^

 

参考文献

Dash-Associated Spondylolysis Hypothesis

Tsuyoshi Goto1), Toshinori Sakai2), Kosuke Sugiura2), Hiroaki Manabe2), Masatoshi Morimoto2), Fumitake Tezuka2), Kazuta Yamashita2), Yoichiro Takata2), Takashi Chikawa2), Shinsuke Katoh1) and Koichi Sairyo2)

1) Department of Rehabilitation, Tokushima University Hospital, Tokushima, Japan
2) Department of Orthopedics, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School, Tokushima, Japan

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6690085/ **オープンアクセスなので論文をフルテキストで見れます!!

腰痛の方必見!マッサージ療法がどれだけ効くのか?

「腰痛の方、必見!マッサージ療法がどれだけ効くのか?」

こんにちは、西川整形外科の杉浦史郎です^^すごい寒くなったので、この前のブログで投稿した温熱の効果の論文を応用し、熱線ベストを購入しました^^
#水曜日に届くのでよければレポートします

今日は「マッサージ療法って本当に腰痛に効くの?」という、みんなが気になるテーマについてお話ししたいと思います。

腰が痛いとき、「マッサージ」を受けた方、多いと思います。でも、実際どれくらい効果があるのか、科学的な視点で検証した研究は少ないんです。そこで登場するのが、今回紹介する論文は、腰痛に対するマッサージ療法の効果を徹底的に調べたものなんですよ。


どんな研究が行われたの?

まず、このレビューでは**2008年5月までのランダム化比較試験(RCT)**を総ざらいしています。具体的には、MEDLINEやEMBASEといったデータベースからデータを引っ張り、全部で13件、1596名分のデータを解析しています。つまり、たくさんの研究をまとめて分析したわけですね。

で、何を比べたのかというと、

  • マッサージ vs. プラセボ(偽物の治療)
  • マッサージ vs. 他の治療法(運動療法、リラクゼーションなど)

「マッサージって本当に効くの?」をデータで見える化したわけです。


結果はどうだったの?

結論から言うと、マッサージ療法は腰痛に効果的である可能性が高い! 特に効果が大きかったのは、以下のケースでした:

  1. 亜急性期(症状が数週間続いている状態)や慢性期(3か月以上続く腰痛)
    → 痛みが軽減し、機能改善にも効果があったとのこと。
  2. 運動療法や教育プログラムとの併用
    → これが最強の組み合わせ。単体でやるより相乗効果が期待できるみたいです。

とはいえ、課題もある

もちろん、良い話ばかりではありません。このレビューではいくつかの課題も挙げられています:

  • コスト効果の検討
    マッサージを長期間続けると、どれくらいコストパフォーマンスがいいのか、まだよく分かっていません。
  • いろんな手法の比較不足
    マッサージの中にも「もみほぐし」「タイ古式」「アロマ」などたくさん種類がありますが、どれが一番効くのか、まだまだ研究の余地がありそうです。

じゃあ、どう活かせばいいの?

腰痛で悩んでいる人には、マッサージ療法を取り入れるのは十分アリだと思います。ただ、単独でやるのではなく、運動療法やリラクゼーションと組み合わせるのがポイント。これはリハビリの現場でも実感しています!

慢性腰痛の人は、専門家と相談しながら試してみてくださいね。

「マッサージは意味ない」なんて思っていた人も、これを機に運動療法やセルフマッサージを入れてみてください!

参考文献
Furlan, A., Imamura, M., Dryden, T., & Irvin, E. (2009). Massage for Low Back Pain: An Updated Systematic Review Within the Framework of the Cochrane Back Review Group. Spine, 34, 1669-1684. https://doi.org/10.1097/BRS.0b013e3181ad7bd6.

思春期アスリートに潜むリスク      仙骨疲労骨折

「思春期アスリートに潜むリスク:仙骨疲労骨折と腰椎分離症、その関係性とは?」

こんにちは、Netfllixの相撲ドラマ:サンクチュアリを見て、四股トレーニングを始めました^^
#以前は縄跳びをやっていたのですが膝が痛くなりましたので。。。 #とてもいいドラマでした

いつもブログを見ていただきありがとうございます。
今日はちょっと専門的なお話を、わかりやすく噛み砕いてお届けします。テーマは 「思春期のアスリートが抱える腰の問題」。運動好きなお子さんを持つ親御さん、コーチの皆さん、そして若いアスリート自身にぜひ知っておいていただきたい内容です。


仙骨疲労骨折と腰椎分離症――その関係性を知っていますか?

スポーツをしている思春期のアスリートたち。その影には、 「仙骨疲労骨折」「腰椎分離症」 という二つの疾患が潜んでいます。これらの疾患のうち腰椎分離症はこのブログでも沢山紹介しておりますが、今回は仙骨疲労骨折です(仙骨は腰の下の骨盤の部分です。ちょうど骨盤の真ん中の骨になります)

今回紹介する筑波大学の辰村先生の論文では、920人の高校生以下の腰痛患者さんのMR Iを検査し、13名(1.4%)が仙骨疲労骨折だっととのことです。過去の論文でも仙骨疲労骨折の発生頻度は1.6%と言われています。ものすごい多くはないのですが、注意しないといけない病気です。

また辰村先生の報告では仙骨疲労骨折と診断された13人の思春期アスリートのうち、 半数以上(7人)に腰椎分離症が合併 していました。つまり、仙骨疲労骨折がある場合、腰椎分離症も一緒に疑うべきなんです。


なぜ合併するのか?二つの疾患の共通点

仙骨疲労骨折も腰椎分離症も、根っこは同じ。「繰り返しの運動ストレス」です。

特に思春期のアスリートは、骨がまだ完全に成長しきっていないのに、激しいトレーニングを続けることで 過剰な負荷 がかかりやすい。ジャンプやランニングで、仙骨や腰椎に余計な「剪断力(骨を横にずらす力)」がかかると、疲労骨折を引き起こします。

これって、針金を何度も曲げ伸ばししているうちに、だんだん折れてしまうイメージに近いですね。


診断はどうする?腰痛の裏に潜む原因を見逃すな!

腰痛って、運動している子どもなら経験することも多いと思います。でも、普通の筋肉痛と思って放置していると危険! その腰痛や臀部痛の中に仙骨疲労骨折と腰椎分離症が潜んでいるかもしれません。

ここで頼れるのが MRI検査

  • 仙骨疲労骨折 → MRIで見ると仙骨孔周辺に「骨髄浮腫(骨の中が炎症で腫れる)」がくっきり映ります。
  • 腰椎分離症 → こちらもMRIが有効ですが、特に骨の亀裂が見える部位をしっかり確認します。

画像検査をきちんと行うことで、見逃しを防ぎましょう。診断は整形外科医に任せるとしても、親御さんや指導者の方々も「ただの腰痛じゃないかも?」と気づけると選手の疲労骨折が悪化せずにすみます。


治療と注意点:焦りは禁物!復帰は慎重に

治療は基本的に 「安静とリハビリ」 です。仙骨疲労骨折の場合、治療期間は平均67日と比較的短い(発育期腰椎分離症の場合は2−3ヶ月、それ以上の時もあります)のですが、注意すべき点が一つ。

「競技復帰後に再び折れるリスクがある」

そうなんです。別の場所や反対側の仙骨に疲労骨折が起きる可能性があります。復帰後のトレーニングでは、負荷を徐々に増やしていくことが重要です。「復帰した!イケる!」と張り切りすぎて、また痛みが出る…再発。。。は避けたいです。


まとめ:未来のアスリートを守るために

仙骨疲労骨折と腰椎分離症は、思春期のアスリートが抱えるリスクです。でも、正しい知識と適切なケアがあれば、そのリスクは最小限に抑えられます。

  • 成長期の子どもがスポーツをしていて腰痛を訴えたら、軽く見ずに整形外科医に相談を!
  • MRI検査で原因をしっかり見極める!
  • 焦らず、しっかり治してから復帰する!

スポーツ腰部障害の中で仙骨疲労骨折もあることを知っていただけると早期診断につながり選手の未来が変わると思いますのでお願いします。

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33875705/

腰痛は腰を温めると効果的?!

温熱療法のススメ:腰痛を和らげるよくあるのあの手法とは?

こんにちは、いつもブログを読んでいただきありがとうございます^^
今日は腰痛に悩むみなさんにぜひ知ってほしい、「温熱療法」の効果についてお話しします。この方法、実は医学的にも効果が立証されているんです。


温熱療法って何?

「温熱療法」と聞いて、「え、ただ温めるだけでしょ?」と思ってしまいますし、確かにに温めるだけ…なのですが、これが腰痛に対して効果的なんです。特に注目されているのが 「温熱パック療法 **当院でも行っているお湯につけて保温した特殊のパックをタオルに巻いて患部にあてるものです」 という手法。この方法、痛みを和らげるだけでなく、筋肉の柔軟性をアップさせ、体の動きもスムーズにしてくれます。


温熱療法の主な効果

① 痛みの軽減

温熱療法は、急性腰痛の救世主!例えば、 ホットパックを使うと、痛みがじわじわと和らいでいく感覚を実感できます。さらに、ただのプラセボ(いわゆる思い込み効果)ではなく、しっかりとした科学的な根拠に基づいているので安心してください。急性腰痛でお悩みの方は、まずこれを試してみる価値があります。

② 筋肉の柔軟性&機能の改善

「朝起きたら背中がガチガチ…」なんてこと、ありませんか?温熱療法を活用すると、筋肉の硬直がほぐれて柔らかくなり、動きやすさも向上します。特に 運動療法 と組み合わせると、効果が上がります!言ってみれば、温熱療法はストレッチの効果をブーストしてくれる秘密兵器みたいなものなんです。

③ 障害の軽減

腰痛がひどいと日常生活に支障をきたしますよね。温熱療法は、その「生活のやりづらさ」すら軽くしてくれるんです。これも嬉しい効果ですよね。


どの温熱療法を選べばいいの?

温熱療法にもいろいろ種類があります。それぞれの特徴をざっくり解説します!

  1. ホットパック療法
    → 急性腰痛や亜急性腰痛にぴったり。短期間で痛みが軽減します。
  2. 温熱療法をしながらのマッサージ
    → 気持ちよくリラックスしたい人向け。自律神経や気分改善にも効果があり、ストレス解消にも最適です。
  3. 高温パルス熱療法 *これは当院にもある特殊なリハビリの機器になります
    → 慢性的な腰痛で悩んでいる人はこちら。持続的な熱療法よりも鎮痛効果が高いとされています。

まとめ:温めるだけでここまで変わる!

温熱療法は、「まずは温めるか」という気軽な方法でありながら、医学的にもしっかり裏付けが取れた優れものです。痛みの軽減、筋肉の柔軟性向上、さらには日常生活の質の向上まで、いいことずくめ!さらに、運動療法と組み合わせれば効果も上がります。

腰痛で悩んでいる皆様、温熱療法を取り入れてみてください。最近は、気温もだいぶ下がってきました。貼るホッカイロを患部にあてるのも効果的だと思いいます*低温やけどだけには気をつけてください。

それではまた次回^^

参考文献
1 Nadler, S., Steiner, D., Erasala, G., Hengehold, D., Abeln, S., & Weingand, K. (2003). Continuous low-level heatwrap therapy for treating acute nonspecific low back pain.. Archives of physical medicine and rehabilitation, 84 3, 329-34 . https://doi.org/10.1053/APMR.2003.50102.

2 French, S., Cameron, M., Walker, B., Reggars, J., & Esterman, A. (2004). Superficial heat or cold for low back pain.. The Cochrane database of systematic reviews, 1, CD004750 . https://doi.org/10.1002/14651858.CD004750.PUB2.

3 Mayer, J., Ralph, L., Look, M., Erasala, G., Verna, J., Matheson, L., & Mooney, V. (2005). Treating acute low back pain with continuous low-level heat wrap therapy and/or exercise: a randomized controlled trial.. The spine journal : official journal of the North American Spine Society, 5 4, 395-403 . https://doi.org/10.1016/J.SPINEE.2005.03.009.

4 Mayer, J., Mooney, V., Matheson, L., Erasala, G., Verna, J., Udermann, B., & Leggett, S. (2006). Continuous low-level heat wrap therapy for the prevention and early phase treatment of delayed-onset muscle soreness of the low back: a randomized controlled trial.. Archives of physical medicine and rehabilitation, 87 10, 1310-7 . https://doi.org/10.1016/J.APMR.2006.07.259.

5 Chabal, C., Dunbar, P., Painter, I., Young, D., & Chabal, D. (2020). Properties of Thermal Analgesia in a Human Chronic Low Back Pain Model. Journal of Pain Research, 13, 2083 – 2092. https://doi.org/10.2147/JPR.S260967.

 

「疲れが腰痛を引き起こす!?疲労と腰痛の深い関係」

こんにちはいつもブログを見ていただきありがとうございます^^
優里さんのベテルギウスという曲をペテルギウスだと思っていました。。。#べ で再認識したとたんタイトル名が出にくくなりました。。。

今日は疲労と腰痛の関係についての論文がありました^^

「疲れが腰痛を引き起こす!?疲労と腰痛の深い関係」

日常生活で感じる「疲れ」と「腰痛」。なんとなく関係がありそうですが、実は深いところでしっかりつながっているんです。今回は「疲労がどれだけ腰痛に影響するか」を、少し具体的にお伝えしていきます。


疲労が腰痛を引き起こす確率はなんと3.7倍!

この研究によると、疲労がたまっていると新たな腰痛を引き起こす確率がなんと3.7倍に跳ね上がることがわかっています。これは、例えば重い荷物を持つとか、無理な姿勢をとるといった「肉体的な負担」と同じくらい、もしくはそれ以上の影響がある可能性があるということです。

身体の疲れだけでなく、心の疲れもリスクに

ここでの「疲労」とは、ただ身体がしんどいだけじゃありません。肉体的な疲れは筋肉が硬くなって腰に負担をかけますが、精神的な疲れも腰痛のリスクを高めるんです。気持ちが疲れて集中力が落ちてしまうと、無理な動作や姿勢が増え、その結果として腰に負担がかかりやすくなってしまうわけです。

疲れた体で運動するとさらにリスクが高まる!

驚きかもしれませんが、疲労がたまった状態で運動をするのも腰痛のリスクを増やします。特に中程度から激しい運動(縄跳びからボート漕ぎのような運動)のコンボになると急性腰痛の発症が7.7倍にも上がるとのことです。しっかり休息を取らずに運動すると、体が回復しないまま負荷がかかりやすいので危ないのですね。


腰痛を防ぐには「疲労のケア」が必須!

腰痛を予防したいなら、まず「疲れたら休む」ことが何より大事。具体的には、十分な睡眠を取ること、ストレスを減らすことも効果的です。運動後は必ずクールダウンして、ストレッチで筋肉の疲れをほぐすことも忘れずに!

「今日は疲れがひどいな…」と感じた日は無理せず体を休め、次の活動に備えてください。体の声に耳を傾け、疲れをしっかりケアすることが、元気で腰痛のない日常につながると思います^^

朝に腰痛が起こりやすい理由とその予防法!

朝の腰痛はこうして起こる!そして、その予防法

みなさん、こんにちは、今回は「腰痛が朝に起こりやすい理由」とその対策についてお話しします。今回参考にした論文に腰痛が起こりやすい時間帯が挙げられていたので紹介します^^

で、結論から言いいますと、腰痛が起こりやすい時間帯は朝7時から12時。はい、ここ!朝時間帯から午前の間なんです!これには、ちゃんとした理由があるんですね。

寝ている間に、背骨(椎間板)が水分を吸収して膨らむんです。朝、私たちの背骨はフレッシュな状態で、実は日中よりも柔らかく、つまり”ケガしやすい”状態にあるんです。だから、そのタイミングで重たいものを持ったり、腰に負担がかかる動きをすると…「あ、やっちゃった!」となるわけです。

注意!腰に負担をかけやすい朝の動き

さらにですね、研究の中で「特に朝やると腰痛を引き起こしやすい動き」というのも挙がってます。こんな動き、思い当たりませんか?

  • 前かがみでの作業(例:ガーデニングや掃除)。この動き、朝やると腰にズキン!ときます。
  • 重い物を持ち上げる、不安定な物を運ぶ(例:車の上に置いた荷物を降ろす)。これも朝は要注意。

ただし、「朝とこれらの動きがどれだけ関係しているか」については、もっと調べる必要があるらしいです。でも、腰痛予防には『どの動きをするか』だけじゃなくて、『いつ動くか』も大事ってことは確かなんですね。

腰痛の予防は「動き」と「タイミング」

ポイントは、朝のこの「ちょっと危険な時間帯」を頭に入れて、腰に負担をかけすぎないようにすること。例えば、朝に重い物を持たないとか、前かがみの作業はできるだけ避けるとか、慎重に動くことで、腰への負担はグッと減ります。

ぜひ、毎日の小さな工夫で、腰痛予防していきましょう!

参考文献
https://www.researchgate.net/profile/Jenny-Setchell/publication/331985420_What_Triggers_an_LBP_Flare_A_Content_Analysis_of_Individuals’_Perspectives/links/5cd5bf87458515712ea2ea9e/What-Triggers-an-LBP-Flare-A-Content-Analysis-of-Individuals-Perspectives.pdf

腰痛に背部の背骨の硬さが関与する?!

こんにちは!理学療法士の杉浦史郎です。今日は腰痛にまつわる新しい研究についてお話ししたいと思います。

皆さんは「胸椎(きょうつい)」と聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、胸椎は背骨の背部の部分です(腰の上)、この胸椎の硬さが実は腰痛に深く関係しているのです。徳島大学の西良教授の研究グループの森本先生によって、胸椎の硬さが腰にかかる負担を左右することが新たに明らかにされました。

この研究では、有限要素解析という方法を用いて、胸椎が硬い場合と柔らかい場合で、腰椎にどれだけの負荷がかかるかをシミュレーションしました。その結果、胸椎が硬いと腰部にかかる負担が大きくなることが分かりました。このことから、胸椎の柔軟性が腰痛予防や症状の軽減に重要であることが科学的に示されています。

私たちも実際に腰痛症の患者さんを診察する際は、腰椎だけでなく胸椎の柔軟性も確認しています。そして胸椎が硬いと判断した場合、特別なリハビリテーションで胸椎の柔軟性を高めるようなアプローチを行います。このように胸椎のリハビリテーションは日々の臨床において非常に有効であり、西良教授の論文はその根拠として非常に参考にさせていただいています。

私も個人的に西良教授には学会や講演会でご指導いただいており、西良教授グループの研究成果を毎回楽しみにしています。腰痛治療には腰椎そのものだけでなく、周囲の関節の可動性も関わっています。ですから皆さんも腰痛が気になる際は、腰だけでなく「胸椎」や「股関節」の柔軟性を上げることで、より効果的に腰痛の改善が期待できるのです。

腰痛にお悩みの方はぜひ、こうした視点で普段のリハビリテーションやストレッチに取り組んでみてくださいー^^

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38280628/

第32回日本腰痛学会でシンポジウムで発表しました

みなさま、いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

先週開催された第32回日本腰痛学会のシンポジウム(テーマ:腰痛とスポーツ)にて、シンポジストとして発表をさせていただきました。私は、発育期腰椎分離症についてお話ししました。会場は幕張メッセの学会場の最大のホールで、緊張しましたが無事に発表を終えることができました。

多くの医師や理学療法士の方々に参加していただき、質問もたくさんいただきました。このことから、スポーツにおける腰部障害への関心の高さを感じました。発育期腰椎分離症は、腰痛を主訴とする腰椎の疲労骨折として知られています。特に、スポーツに励む小学生や高校生に多く見られる腰痛です。MRI検査なしでは診断が難しいため、見逃されることが多い腰痛でもあります。最近の報告によれば、足の疲労骨折よりも3倍も多く発生しているとも言われ、当院でも多くの患者さんを対応しています。

私が腰痛学会で初めて発表したのは15年前、その時も発育期腰椎分離症についてでした。しかし、その頃はまだこの疾患はメジャーではなく、発表数も少なかったのです。今では、発育期腰椎分離症に関するセッションやシンポジウムも組まれるほど認知度が高まっています。これは、多くの患者さんがこの病気で困っている現状を反映しています。

早期診断と適切な治療が非常に重要な疾患ですので、これからも学会での発表を通じて最新の知見を得て、日々の患者さんへ還元できるよう努力していきます。

また、今回当院から理学療法士の石崎先生と東宮先生も発表しました。石崎先生はジャックナイフストレッチという特殊なストレッチの効果について、東宮先生はModic change(中高年に多い腰痛の方の背骨の形の特徴)についてお話ししました。2名とも素晴らしい発表を行い、質疑応答も充実していました。

さらに、5月に一緒に国際学会でスイスに行った武田先生も、京都で肩関節学会に参加し発表してきました。後輩たちの活躍をとても嬉しく思います^^

臨床も大切ですが、そこで得られた知見を学会で発表し、未来の患者さんのリハビリに生かすことが重要だと考えています。これからも西川整形外科から国内外に発信できるよう、スタッフ一同頑張ります。

 

 

 

今月10月25日・26日には、第32回日本腰痛学会が幕張メッセで開催されます。シンポジストとして登壇いたします^^

皆さま、いつもブログをご愛読いただきありがとうございます。

今月10月25日・26日には、第32回日本腰痛学会が幕張メッセで開催されます。大会長は千葉大学整形外科の大鳥精司教授です。今回、私もプログラム委員として参加させていただき、25日(金)8時40分~10時10分、2階の国際会議室(第一会場)でシンポジストとして登壇いたします。シンポジウムのテーマは「腰痛とスポーツ障害」で、私は「発育期腰椎分離症のリハビリテーション」についてお話しさせていただきます。

これまで蓄積してきたデータを基に、最新のリハビリテーション法をご紹介する予定です。腰椎分離症やスポーツ腰部障害にご興味をお持ちの先生方、ぜひご参加いただければ幸いです。

さらに、今回は理学療法士としてプログラム委員を務めさせていただいたこともあり、リハビリテーションに関連したセッションも数多く企画されています。リハビリに関心のある方は、ぜひ幕張メッセに足を運んでいただき、腰痛について濃く話し合う充実の2日間をお楽しみください。私自身、毎年この学会で多くを学び、発表させていただいています。

現在、発表スライドも最終調整中です。当日はより質の高い情報をお届けできるよう、全力で準備を進めております。学会案内の詳細は、以下のリンクからご確認ください。

それでは、皆さまのご参加を心よりお待ちしております!

第32回日本腰痛学会URL
https://site.convention.co.jp/32jslsd/program

お知らせ 腰痛のスペシャリスト 成田崇矢先生の講演があります!!

みなさま
いつもブログを見ていただきありがとうございます。10月30日に西川整形外科リハビリテーション研究会で成田崇矢先生の講演があります。成田先生は理学療法士で腰痛のスペシャリストです。メディアでも活躍されています。
本研究会でも何度も講演してくれています。今回はオンラインセミナーになるのですが、オンラインだからこそ遠方の先生方も聴講できます。この機会にぜひご参加ください!!
案内を添付させていただきます。

成田崇矢先生 セミナー案内

http://ptix.at/EQRW9h

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

 

〇〇歳以上になると背骨が硬くなる、みたいです(⁠*⁠_⁠*⁠)

ボクもたまに、部屋の掃除機をかけることがあります♪
…けど、明らかに妻よりも時間が短いです。
……何ででしょう??
#同じ部屋なのに
#掃除が雑

今日のタイトルは
〇〇歳以上になると背骨が硬くなる、みたいです(⁠*⁠_⁠*⁠)
➡️➡️80歳!

中高年の患者さんから「最近背骨が曲がってきた」「姿勢が悪くなってきた」とよく相談されます。
確かに年齢とともに姿勢は崩れてきます。。

僕が理学療法士なりたての25年前は、60代くらいから腰がすごく曲がってる方も多かったのですが、最近は少し変わってきているような気がします。
…80〜90歳になると、腰が曲がってくる方も多く見られますが。
千葉県佐倉市(当院)には土地柄からか農家が比較的多くみられます。
昔は機械化がそれほど進んでおらず、腰を曲げて農作業をすることも多かったと思います。そうすると、比較的若いうちに腰が曲がってしまう状態でした。
しかし、最近では機械化が進み、腰への負担が軽減されて農家の方でも腰がすごく曲がってしまう…ということは減ってきたように思えます。
これらから、「中高年になる→腰が曲がる」(加齢)ということだけではなく、「環境的な要因」で腰への負担が変化・影響することも多々あると思います。
加齢的変化には対応が難しくても、環境的な要因ならば予防・改善できる可能性があります♪

では、背骨はどのくらいの年齢になると硬くなってくるの?
この問いに対して良い論文があったのでご紹介していきたいと思います♪

僕がいつも臨床・研究でご指導をいただいている、東千葉メディカルセンター整形外科部長:青木先生の論文です。

《対象》
・腰痛症以外の理由で腹部または腰部のCT検査を受けた患者581名

《方法》
・CT→背骨のかたちを確認(曲がってないかどうか)
・仰向けで検査
・59歳以下,60-69歳,70-79歳,80歳以上,および男女の平均値を算出。
・各年代で差があるか分析

《結果》
・80歳以上→その下の年代の方よりも背骨がかたくなっている傾向
・特に80歳以上の女性は、男性よりも背骨が硬い(背骨が丸くなっている)傾向

「姿勢が悪くなる」というのは、立っている時や歩いている時の姿勢を表していると思います。

・立っている時も、仰向けになっていても腰が曲がっている状態になる→いよいよ背骨が硬くなっているサインです。
・立っている時は背中が曲がっているけど、仰向けならまっすぐになる→まだそれほど背骨が固くなっていない。

《まとめ》
仰向けになった状態でも背骨が丸まってくるのは、「80歳以上の女性」ということがわかりました。
80歳以下は、まだまだ背骨が固くなっていない可能性もあるので、日頃から姿勢に気をつけたり、リハビリテーションで硬くなるのを防ぐことで予防できるのではないかと思っています。\(^o^)/

…「歳だから仕方ないのよ〜」と、なりがちですが、硬くなるのは80歳以降です。 腰が曲がってしまう(T_T)と諦めずに、担当の理学療法士さんに相談してみてはいかがですか?
当院でも、「背骨を伸ばすトレーニング」を最近追加しましたよ♫♪
姿勢が良いと「若見え」しますよ〜(^o^)(^o^)(^o^)

**今回注意なのは対象となった方々は腰痛症など無い方です現時点で腰が痛い、ヘルニア、脊柱管狭窄症という方はこの限りではないのでご注意ください。予想では腰痛症などの患者さんは80歳より手前から硬くなってくると思います。

引用
Aoki et al., Computed Tomographic Assessment of Age- and Gender-Specific Sagittal Lumbopelvic Alignment in a Japanese Population. SSRR, 2021 Jan 12;5(4):278-283.doi: 10.22603/ssrr.2020-0189.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34435152/

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

 

70歳以降の女性のぎっくり腰は〇〇骨折に注意!

ちょっと太ってしまったので、1週間白米を減らして1キロ減に成功した!と思っていたら、減ったのは脂肪ではなく筋肉でした。。。。(ᗒᗩᗕ)
#過度な食事制限はあぶない
#体重だけではなくしっかりと筋肉量もはかりましょう

70歳以降の女性のぎっくり腰は〇〇骨折に注意!

➡➡圧迫骨折

今回も書籍「フルカラーでわかる!腰痛の理学療法」から。

ボクがいつもご指導いただいていて本書著者でもある青木保親先生(東千葉メディカルセンター整形外科部長、千葉大学大学院医学研究院総合医科講座 特任教授)の章から紹介させていただきます♫

「ぎっくり腰」聞いたことがある方、多いと思います。

専門用語では急性腰痛といいます。

このぎっくり腰。誰しも一生のうちに一度は経験すると言われています。

「ぎっくり腰」にはいろいろな原因・要因があり、たとえば学生さんのような若い方の腰の疲労骨折などが、この急性腰痛に入ります。また20代〜中年までは椎間板(腰の骨と骨の間のクッション)を傷めることで急性腰痛がでたりします。症状によっては痛くて動けなくなることもあります。

「ぎっくり腰」が70歳以降の女性に起きた場合は、圧迫骨折の可能性があります。

圧迫骨折とは、背骨の骨がつぶれてしまうことです。

高齢の女性に多くみられる骨折で、骨粗鬆症が原因としてあげられます。

《骨折骨粗鬆症とは》

・骨の量が少なくなったり、骨の中身(構造)が悪くなり、そのため骨の強さが脆くなり骨折しやすくなった状態。

・ 女性ホルモンが骨の代謝を調節しているために、閉経により女性ホルモンが減少すると骨粗鬆症を発症しやすくなる。→閉経後骨粗鬆症

「ぎっくり腰」だけに、きっかけは中腰で何かをもってギクっ!となり痛みが出ることが多いのですが、高齢者の場合は、きっかけがなくても圧迫骨折を起こしてしまうことがあります。。>.<(+_+)

症状は…骨折なので、すごく痛いそうです。

《圧迫骨折の主な特徴》

・横になっているときは腰痛が軽減するが、座ったり立ったりして背骨に体重がかかると腰痛が強くなる

・寝返りや起き上がり、おじぎの動作でさらに痛みが増強す

脊柱管狭窄症がある方が、加えて圧迫骨折を起こしてしまうと足への神経痛が悪化してしまうこともあるそうです。

圧迫骨折を起こしてすぐはレントゲン検査ではよくわからないことがあるので、MRI検査で圧迫骨折の有無を確認することが重要です。

今回紹介した症状がある高齢者女性は、整形外科を受診されたほうがいいかもしれません。

ボクもこれまで圧迫骨折の方を多く担当しました。

よく聞くのは「急な腰痛で起き上がるのがつらい」と仰る方が多いように思います。

くしゃみ→腰痛→検査→圧迫骨折だったという方もいました。

骨粗しょう症の検査ももちろん大切ですが、痛くなったら早めに整形外科医に相談するのがいいと思います♫♪♫

引用
フルカラーやさしくかる!腰痛の理学療法 第2章 若年者・中高年者の腰痛 青木保親先生
https://www.amazon.co.jp/フルカラーでやさしくわかる-腰痛の理学療法-青木-保親/dp/4784958800

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

 

お知らせです。腰痛の理学療法についての書籍を出版しました

先日高校3年生の長女がボクに「数学を教えて!」 と言ってきました。
ボク「 全然分からないよ」と返事
長女「えー、なんで〜?」(ちょっと笑って)
……けど、娘はボクのそのセリフを見越して声をかけてきた気がします。。
#マウントとられた気分
#数学もわかりません

お知らせになります♫♪

東千葉メディカルセンターの整形外科部長であり、千葉大学大学院医学研究院総合医科学講座 特任教授の青木保親先生と、書籍を出版させていただきました\(^o^)/

書籍のタイトルは『フルカラーでわかる腰痛の理学療法 医師と理学療法士のタッグで腰痛患者を治す!』:日本医事新報社です。

青木先生をはじめ著名な先生方にご執筆いただいています。

当初この本は、自分が理学療法士1年生の時に勉強したいと思う内容になるようにと考案しました。

整形外科での腰痛治療は医師の先生と情報を共有しておこないます。そのため医師の方々の知見や専門的な情報を、我々理学療法士は理解しないといけません。しかし各腰痛の病気に対して、医師の見解、理学療法士の見解を一連の流れで腰痛を説明した書籍はおおくはなく、結果として今回はその要望に応えた一冊となりました。

本書の特徴は、腰痛の解剖から見逃してはいけない腰痛(所見)。そして、数ある腰痛を病気別に、まずは医師の説明、次に実際のリハビリについて理学療法士が説明しています。動画をみられるようになっている章もあるので、活字だけだと、どうしても実技のイメージがつきにくいのですが、この動画をみることでよりイメージしやすくなっていると思います♫

執筆いただいた先生方は、国内だけではなく海外でもご活躍されていて、腰痛に対して造詣が深い方々ばかりです。

自分がPT1年生用にと思って構成した本は、25年目の自分にとっても勉強になる本となりました\(^o^)/

理学療法士なりたての若い先生方から経験豊富な先生方まで、腰痛治療にご興味のあるかたは書店で見かけたら是非手にとってもらえると嬉しいです♪

また10月30日に、本書でもご執筆いただいている桐蔭横浜大学:成田崇矢教授をお招きしてセミナーを開催させていただく予定です。こちらのご参加も是非お待ちしています(^o^)♪

最後に、このような書籍出版にあたり、ご指導ご協力いただきました青木保親先生、ご執筆いただいた先生方、日本医事新報社の吉本軌道様、当院リハビリテーション部スタッフ、副院長先生そして院長先生に感謝申し上げます。

Amazonのリンクです^^
https://www.amazon.co.jp/フルカラーでやさしくわかる-腰痛の理学療法-青木-保親/dp/4784958800

*
**今、Amazonの新着ランキング整形外科部門とリハビリテーション部門の2つで1位です!!
嬉しいーーー

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

◯◯量が少ない女性の方は、慢性腰痛にご注意

朝食のときに、猫が僕の椅子を陣取っています。子どもの席に移動して食べまし。。。
#愛猫の階級は高い
#どこうともしてくれない

◯◯量が少ない女性の方は、慢性腰痛にご注意 についてです

答え:筋肉量

今回は腰痛の話です。長く患っている腰痛のかたの筋肉量を評価して筋肉量と腰痛の関わりを調査した報告がありましたので紹介します。腰痛に関する研究は多いのでが、筋肉量との関係を調査したものはまだ少ないと思います。

結論からいいますと、長いあいだ腰痛を患っている女性の方は、体幹と足の筋肉量が少ないようです。それでは。

対象は45歳から69歳までの330名です。3ヶ月以上腰痛がある203名と腰痛のない127名を比較しています。また坐骨神経痛様の症状がある方とない方の腰痛で分けています。

対象に対して、

1 BMI*1

2 体脂肪率

3 ウエストヒップ比(腹部の肥満度)

4 部位別筋肉量(上肢・体幹・下肢)/体重

 

Body mass index (BMI)を基準に体重を評価  *WHO(世界保健機関)の基準*1

BMI 18.5以下:痩せ型

BMI 18.5〜24.9以下:ノーマル

BMI 25〜29.9以下:過体重

BMI 30以上:肥満

結果、坐骨神経痛がない腰痛の女性群のウエストヒップ比は、下肢伸展挙上検査陽性の女 性群と比べて有意に高かった。
坐骨神経痛がない腰痛の女性群の体幹筋肉量/体重・下肢筋肉量/体重は腰痛のない女性対照群と比べて有意に低かった。坐骨神経痛がない腰痛の女性群と腰痛のない女性対照群の上肢筋肉量/体 重・BMIでは有意な差はなかった。
男性腰痛患者群と男性対照群や下肢伸展挙上検査陽性の女性と女性対照群の人体測定値 データに有意な差はなかった。

女性で坐骨神経痛様(腰痛だけではなく足にビリビリ痛みが出る症状)の症状がない方の長びく腰痛は、体幹・下肢の筋肉量損失及び腹部肥満が生じている可能性があり、腰痛のリスク因子になる。とのことでした。

腰痛がでたから、筋肉量が落ちたかもしれませんし、腹部肥満が生じたかもしれませんが、この論文の結果からいうとこのような状況でした。長引く腰痛がある方は体重計だけではなくて筋肉量も測定してみるのもいいと思いました。筋肉量についてはInbodyという測定機器などで計測可能です。当院にもありますし、ジムや市の運動施設にもあったりします。腰痛がない方もみかけたら測ってみるといいかもしれません。
筋肉量は年齢とともに落ちてくると言われています。体重が同じでも筋肉が落ちて、脂肪が多くなっている可能性もあります。健康維持のために定期的な筋肉量チェックもおすすめです。

引用

Y Toda et al., Lean body mass and body fat distribution in participants with chronic low back pain
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11088088/

 

 

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

PVアクセスランキング にほんブログ村

『椎間板を傷めるとその付近の背筋はどうなる?』

☆今日の小噺☆
出先で、外人さんを見かけました。
なんだか困っている様子だったので「Are you OK ?」と話しかけたら…
流暢な日本語で笑顔で「大丈夫です!」と返答をいただきました⊙.☉

#あの困り方は、日本語が喋れないと思ったのに(泣)
#空気を読んで英語でかえしてください…

さて本日は…
『椎間板を傷めるとその付近の背筋はどうなる?』

➡️➡️17%小さくなるようです(豚さんの実験から)

腰痛予防に重要なのは、「背筋」や「腹筋」と言われています。
そして、その鍵となる筋力ですが、
「筋肉を使わない・運動をしない➡️筋力低下」と思っている方が多いとおもいます。

今回紹介するのは、上記以外の原因で筋力低下を引き起こすケースです。

『椎間板(腰のクッション材)を痛めた場合に、その近く背筋が小さくなる!?』

《方法》
・研究対象:豚
・豚の椎間板を片側のみメスで傷つける。
・超音波診断装置(エコー)で背筋の面積を確認。
→エコーによる筋肉の大きさのチェックは
①実験前
②椎間板を傷つけた3日後
③6日後
それぞれ計測。
※比較するため、椎間板を傷つけていない椎間板も同様に計測。

《結果》
・椎間板を傷つけた側の背筋は17%も小さくなっていた(右側の椎間板を傷つけた場合、右の背筋が小さくなる)。
・ 背筋が小さくなるのは3日目まで続く。
・3日後と6日後の差はなかった。
・椎間板を傷つけてないグループや、傷つけてない側の背筋の大きさは変わらなかった。

筋力は長く使わないと落ちていく…というイメージを持っていた方も多くいたと思いますが、今回の結果から「椎間板を痛める」ことでも、早い段階から筋力が落ちることがわかりました。

腰の椎間板は腰痛の原因となります。
今回の実験結果から、椎間板を傷めるとその近くの背筋が小さくなることがわかりました。
腰痛が起こったら、痛みの具合を見ながら(1週間以内にだいぶ落ち着くケース:多)早期に無理のない筋力トレーニングを始めるのが重要になります♪\(^o^)/
早めのリハビリテーション開始で、背筋が小さくなるのを一緒に防いでいきましょう♫♪♫

*今回は人間での研究ではなく豚さんを使った研究です。今回の結果が全てが人に当てはまるとは限りません。

引用
Paul Hodges et al., Rapid atrophy of the lumbar multifidus follows experimental disc or nerve root injury
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17139223/

 

 

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

 

『腰痛の原因には〇〇もある!?』

脅威の暗記法を習ったので、勝つ気満々で後輩に「暗記テスト勝負」を挑んだら……負けてしまいました(ToT)
#やはり年齢か……?

『腰痛の原因には〇〇もある!?』

➡➡腰やお尻の感覚を支配している神経

腰痛の原因には、

・椎間板(腰の骨と骨の間にあるクッション)

・椎間関節(腰の骨と骨の間の関節)

・筋肉

と様々な組織がかかわっています。

そのため、腰痛の原因が特定しづらいことがあります。

今回は、

「腰まわりの神経が腰痛に関与する」という論文を紹介したいと思います♪

神経には「運動神経」と「知覚神経」があります。

・運動神経→運動を起こすのに働く神経

・知覚神経→痛み、痒みなどの感覚を伝える神経

今回紹介するのは「知覚神経」です。

腰まわり神経

◯上殿皮神経(じょうでんぴ神経)

◯中殿皮神経(ちゅうでんぴ神経)

図(腰)の左側が上殿皮神経で右側が中殿皮神経です。*実際は両サイドにこの2つの神経があります。

これらの神経は「知覚神経」です。

図で見ると、腰の深いところから皮膚表面に向かってにょきにょきと出てきている神経です。この神経が圧迫されたり、ひっぱられたりすると痛みとして感じることがあります(*_*)

《上殿皮神経による腰痛の発生頻度》

・腰痛患者の14%

・このうち55-63%が女性

※出産歴や腰のレントゲン上での異常、体格との関わりはない。

・発症の年齢は中年以降

《中殿皮神経による腰痛の発生頻度》

・きちんとした報告はまだない(論文)

・臨床上ではいくつかの症例報告はあり。

《症状》

◯腰の運動や姿勢により図示したあたりに痛みが出現する。(腰に加えおしりも痛いのが特徴)

◯神経が出てくるところを叩いたり押したりすると痛みが出現する。

前述したとおり、腰痛を起こす原因は多岐にわたります。

その中でも今回紹介した「知覚神経」については、まだそれほど知られていないのでご紹介しました♫

椎間板や関節を痛めたり、知覚神経を痛めたりとさまざまな原因が複合して腰痛が出ることも勿論あります。

そうした中で「知覚神経だけ」の腰痛の確定診断は難しいと思いますが、このような腰痛もあると知っておいて損はないと思います(^o^)

ちなみにこのケースのリハビリでは、神経が出る周りの筋肉の緊張をとるような治療を進めていきます\(^o^)/♪♫

 

引用

1 Maigne JY, Doursounian L. Entrapment neuropathy of the medial superior cluneal nerve. Nineteen cases surgically treat- ed, with a minimum of 2 years’ follow-up. Spine (Phila Pa 1976) 1997;22:1156-9. https://doi.org/10.14245/ns.18

2 Kuniya H, Aota Y, Kawai T, et al. Prospective study of supe- rior cluneal nerve disorder as a potential cause of low back pain and leg symptoms. J Orthop Surg Res 2014;9:139.12.

3 Morimoto D, Isu T, Kim K, et al. Surgical treatment of supe- rior cluneal nerve entrapment neuropathy. J Neurosurg Spine 2013;19:71-5.

4 Toyohiko Isu et al., Superior and Middle Cluneal Nerve Entrapment as a Cause of Low Back Pain Neurospine. 2018 Mar;15(1):25-32. doi: 10.14245/ns.1836024.012.

 

✨西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

✨ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^https://twitter.com/shiro_sugiura

『腰痛がでている側の腰の筋肉は、小さくなる?』

お手玉3つのジャグリングか得意で次女に自慢したら、1日で彼女にぬかれました。。。
#若さか
#しかも自分より綺麗で早い

『腰痛がでている側の腰の筋肉は、小さくなる?』
➡️➡️小さくなります

「腹筋や背筋が弱いと腰痛になる!」と、言われたことがある方もいると思います。
…しかし、腹筋・背筋の筋肉量が少ないからといって腰痛になるとは一概にはいえません。。

筋力が落ちてしまう原因として、
①筋肉を使わなくなった
②運動不足 など
が挙げられます。もう一つ、
③痛いと筋力が落ちてしまうことがある

長く痛みが続くと、その周りの筋肉から小さくなってしまうことがあります。
(例)膝を痛め腫れる→膝の筋肉(特に内側広筋)小さくなる。

今回は、
『腰痛がでている方の腰の筋肉は小さくなるか?』を調査した論文を紹介していきたいと思います♫

《方法》
◯片側の腰痛が12週間以上続く50名
◯筋肉の断面積をMRIを使って計測する

《評価方法》
◯腰痛側の筋肉と、その内側の筋肉の断面積の差
◯症状の持続時間
◯痛みの評価
◯神経症状の有無(坐骨神経痛がでている側)

《結果》
・腰痛側の筋肉の断面積が小さかった
・症状がでている期間が長い→筋肉の断面積(小)
・痛みが強い→筋肉の断面積(小)
・神経症状がある側→筋断面積(小)

「想像通り…」という結果ではありましたが、これほど詳細に「腰痛と筋肉の断面積」を調査した報告は多くないので、考えていたことの証明にはなりました♫
腰痛でも筋肉が小さくなってしまう可能性があり、その期間が長ければ長いほど筋肉が小さくなってしまうようです(ToT)

腰痛はぎっくり腰のように急激に痛む場合と、今回対象の方々のように3ヶ月以上も腰痛が続く場合もあります。
今回の結果から、腰痛を早めに治すことで筋肉が小さくなっていまうことを防ぐことが大切だとわかりました(^^)
腰痛がでている間も、腰に負担をかけない腰回りの筋力トレーニングはたくさんありますので理学療法士に聞いて参考にしてみて下さいね♪♫

引用
Karen L Barker et al., Changes in the cross-sectional area of multifidus and psoas in patients with unilateral back pain: the relationship to pain and disability
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15543053/

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/
ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^^https://twitter.com/shiro_sugiura

発育期腰椎分離症の再発率は〇〇%!

昨日の夜、我慢できずコンソメパンチを食べました。…今朝案の定、胃がもたれ(+)
#依存性が高すぎる
#やめられない

《発育期腰椎分離症の再発率は〇〇%!》

➡➡なんと!再発率13%!!

みなさま、こんにちは\(^o^)/

今回も、発育期腰椎分離症(腰の疲労骨折)の話になります♪

筑波大学:辰村先生の最新の論文から「再発率」に関する情報を紹介していきますね♫

《対象》

・2014年〜2020年までに発育期腰椎分離症と診断された141名(男:112 女:29)

・発育期腰椎分離症の診断:MRIとCT

《治療》

・硬性コルセット(硬いプラスチックのコルセット)を疲労骨折が快方にむかうまで着用。

・約100日着用

※対象者は皆、スポーツ復帰をしている。

《調査内容》

・スポーツ復帰後の再発率

《結果》

・141名中20名に再発を確認。

・最初の疲労骨折:171箇所(片側・両側タイプがあるため)

・再発:22箇所➡再発率:13%

・再発するまでの期間:平均で149日。

・再発者の約80%➡スポーツ復帰をして半年以内に再発

《初めて罹患した年齢》

・再発しなかったグループの平均年齢:14.6歳

・再発したグループの平均年齢:13.3歳

➡➡再発したグループの方がより早い時期に、疲労骨折していた。

➡➡若ければそれだけ再発の可能性が上がる。

発育期腰椎分離症は、成長期に運動することで起こる腰の疲労骨折です。

ですから、『成長期+運動→再発する可能性あり』ということになります>.<

今回の結果から、

・再発率は決して低くない。。。

・再発→本人に精神的・身体的にストレス(+)

ボクたち理学療法士は再発防止のために、コルセット治療中でもできる「柔軟体操」や「筋力トレーニング」を提供し、『再発率0!』を目指してがんばります♫^^♪

引用

Masaki Tatsumura et al, Characteristics of recurrent cases after conservative therapy in adolescent lumbar spondylolysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35256699/

西川整形外科ホームページ: http://www.naoso.com/

ツイッターのアカウントです。記事を更新したらお知らせします^^https://twitter.com/shiro_sugiura